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二千年の時を超えて 倭姫命様の祭祀は今も 元伊勢二一 ことの葉綴り三四七

日本一の大わらじの奉納「信夫三山暁まいり」

こんにちは。お天気の良いお昼前、「ことの葉綴り」のひとときです。
毎年二月十日と十一日は、福島県の信夫山(しのぶさん)にご鎮座する「羽黒神社」さんの「信夫三山暁まいり」。
暁まいりでは、長さ12m、2トンの重さの、日本一の大きなわらじを担いで、約100人の人が、五穀豊穣、家内安全、身体健脚を祈願しながら練り歩き、羽黒神社に奉納するお祭り。
今年は、この大わらじの練り歩きと奉納は中止で、お祭りは規模を縮小して開催されるそうです。
また、縁結びの神様としても知られていて、三年間続けてお参りすると、恋が成就するそうです。

コロナが落ち着いたら、お参りしたいお宮さんがいっぱいです!!
四季折々の里山、海、川の自然と、神さまを感じるお祭りを見学に全国にいきた~い!!
それを楽しみに、心待ちにして、在宅で過ごします(^^)

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※これまでの1~343回までの、神代~の13の神話の物語のまとめはこちらです。お好きな神様の物語をご覧になってください。


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「宇多秋宮」宇陀の阿紀神社から東へ

さて、今日も、倭姫命さまが、天照大御神さまを伊勢の神宮にお祀りされるまでの「元伊勢」の物語です。

豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さまから、天照大御神さまの御杖代(みつえしろ)を引き継がれた倭姫命(やまとひめのみこと)さま。

大和の「宇多秋宮(うたのあきのみや)」で、四年間お祀りされました。
ちなみに、この「宇多秋宮(うたのあきのみや)」は、奈良県宇陀市の「阿紀(あき)神社」であろうといわれています。
宇多は、宇陀。秋(あき)は阿紀(あき)。
杉林に囲まれた境内に、やはり、伊勢の神宮と同じ「神明造り」の本殿に、天照大御神さま、天手力男命(あめのたぢからをのみこと)、邇邇芸命(ににぎのみこと)、秋姫命(あきひめのみこと)、八意思兼命(やごことおもいかねのみこと)さまがお祀りされています。

また能舞台があり、大正時代までは、能楽がもよおされていたそうです。現在は、町おこしから、毎年6月に「あきの蛍能」が開催され。能の舞台の最中に、明かりをおとし、蛍が夜の境内に放たれるという、とても幻想的な演出があるそうですよ。
これも、観てみたいですね。今年、開催されるといいですね。

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大物忌(おほものいみ)の童女、大宇祢奈

夢枕に天照大御神さまがお立ちになり、そのご神慮に叶うように、「宇多秋宮」から東へと向かわれた倭姫命さま。

私の進む道が、大神様の御こころにそう吉兆であるならば、
私の目の前に童女よ、現れたまへ。

すると、佐佐波多(ささはた)というところの入り口で、
一人の童女宇多(うた)の大宇祢奈(おおうねな)と出会います。

大宇祢奈(おおうねな)よ。
私のお供として、私に仕えてくれませぬか?

はい!! われ、姫さまにおともし、おつかえいたします。

倭姫命さまは、童女の大宇祢奈(おおうねな)を、神さまにお仕えする「大物忌(おほものいみ)」となさったのです。

物忌(ものいみ)ってなんでしょう?
これは、巫女のように、神さまにお仕えする童たちのことで、「大物忌」は中でも、もっとも重要な役割をさします。

倭姫命さまは、この童女の「大物忌(おほものいみ)」とともに、皇祖神、日の神の天照大御神さまを、全身全霊でお祀りされることになりました。

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今も受け継がれる、倭姫命さまの祭祀

後世、伊勢の神宮に天照大御神さまがお祀りされるようになってからも、この「大物忌(おほものいみ)」が、神宮の大きなお祀りで重要な役割をになっていきます。
斎王(初代が、豊鋤入比売命(とよすきいりひめのみこと)、そして倭姫命(やまとひめのみこと)に代わって大きな玉串(大玉串)を立てたり、ご正殿の床下で、「心御柱(しんのみはしら)」前で、天照大御神さまにお食事を捧げるなど、祭祀において、たいへん重要な役割を果たすのです。


この起源が、倭姫命さまの霊夢と、「誓約(うけひ)」による祈りで、出会ったこの童女・大宇祢奈(おおうねな)。

この運命の出会いがはじまりとなるのです。


ちなみに、「大物忌(おほものいみ)」は、今では役職としてはありませんが、伊勢の神宮では、神職の禰宜(ねぎ)氏族の荒木田・渡会(わたらい)の少女と、山の物忌の少年が、奉仕をしていました
江戸時代には、「大物忌」は、「子良(こら)」と呼ばれていましたが、明治に入り、役職としてはなくなってしまいます。

それでも、伊勢の神宮の二十年に一度の式年遷宮のときには、臨時ではありますが、子どもが「大物忌」に任命されて、奉仕するのですよ。下記のリンクは、2013年での伊勢の神宮の「式年遷宮」のときのニュース記事です。

真ん中なの緑の装束をまとった小さな女の子の”物忌さん”が、神職さんに手を引かれて階段を下りています。五色の幣(へい)のもとで、「物忌(ものいみ)の童女」さんが鎌をふりあげ草刈り初めの儀式と、神職さんが鍬入れの儀式を行ったという記事です。

童女・大宇祢奈(おおうねな)と、倭姫命さまの運命の出会いは、二千年以上後(のち)の今もなお、受け継がれているのです
すごくないですか? 興奮しませんか?(^^)
神話は今も、生きています!!!

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―次回へ


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