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汝命は誰ぞ? 熊曾の建の嘆願 倭建命 其の七 神話は今も生きている ことの葉綴り五三〇

風を感じる朝の参拝と阿波踊り2021

おはようございます。大安で、母倉日で、朝のお参りして参りました。曇り空で、今日は気温が低く、参道を歩いていて吹く風が気持ちよく、ご神前で手を合わせていても、とても心地よい風が吹き抜けていきました。
西日本では、大雨になりそうです。どうか平穏でありますように!
と、八月十二日の暦は、そう、万事によい大吉日「大安」。十二直も、物事が成就する「成(なる)」何か新たなことをスタートするのもいい日。二十八宿「(けい)」祭祀、婚礼、旅行、建築、植木の植え替えにいい日。そして、母が子を慈しむように、天が人々を慈しみ、婚礼にとくによい「母倉日(ぼそうにち)」です。

ニューノーマル「阿波踊り」
また徳島県の夏の風物詩阿波踊り」。
毎年、八月十二日は「前夜祭」、十三日「選抜阿波踊り
昨年は、中止されましたが、今年は、四〇〇年の歴史を、その灯りを絶やさずに、未来へとつなぐために、「2021阿波踊り~ニューノーマルモデル~」として、規模を縮小して分散型で、対策をとって、安全・安心を最優先に実施されるそうです。

♫踊る阿保に見る阿保、同じ阿保なら踊らなにゃ損々♫(^^♪
こちらも、無事に開催されますように!!

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<ことの葉綴り>ご案内

この「ことの葉綴り」全体の神話の物語のご紹介です。
神話は、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、日本の魅力的な神様の物語編。
約、二千年前、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編。
ときおり綴る「エッセイ」編。
それぞれに「マガジン」で分けています。
下記のトップページから、スクロールしていただくと、物語別、神様べつに「マガジン」が選べるようになっております。
神さまの名前や、ご興味あるものを読んでいただけると幸いです。

最新のマガジンは、天照大御神さまが伊勢の神宮にお鎮まりになられるまでの「元伊勢」物語 神話13~17です。

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<倭建命の物語。これまでのあらすじ>


第十二代景行天皇(けいこうてんのう)の太子(ひつぎのみこ)の小碓命(をうすのみこと)さま。
父を裏切った兄の大碓命(おおうすのみこと)を殺めてしまいます。
父である天皇は、この少年の持つ荒々しい気性を恐れ、皇子を遠ざけるために、遥か九州の地で、宮廷に叛逆する熊曾建(くまそたける)兄弟の征伐を命じます。

このとき小碓命(をうすのみこと)は、幼さの残る十五歳
父に認められたい一心で、勝つ見込みのない熊曾建(くまそたける)を倒すために、伊勢の神宮の斎宮(いつきのみや)で、伯母、倭姫命(やまとひめのみこと)さまからもらいうけた御装束を身にまとい、“女装”をし、懐に短剣を忍ばせて、敵方の館の新築祝いと潜り込んだのです。
可憐な乙女”として、兄の熊曾(くまそ)と、弟の建(たける)のお酌をしながら、小碓命(をうすのみこと)は、兄弟を討つタイミングをじっと待っていました。

夜も更けて、酒宴の盛り上がりが最高潮に達したとき、小碓命(をうすのみこと)は、懐から短剣を静かにだして、すぐ隣で酔っている兄の熊襲(くまそ)のをつかむと、一刺しで仕留めたのです。
隣にいた、弟の建(たける)が、小碓命(をうすのみこと)を見て、畏れおののき慌て驚き逃げ出していきます。
小碓命(をうすのみこと)は、すぐさま、建(たける)の後を追いかけます。

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弟、建(たける)に短剣を突き刺す

(たける)は、新築でできあがったばかりの館の広い広間を必死の様相で走って逃げていきます。

やっとのことで広間を出て、館の入り口まできました。
後ろをみると、小碓命(をうすのみこと)が、追いかけてきます。

(たける)は、足をもたつかせながら、階段を降りていきます。

小碓命(をうすのみこと)は、階段の上から飛び上がると、階段の下に辿りつこうとしている建(たける)の背中へと飛び乗りました。

そして彼の着物の背中をつかみ、次の瞬間、短剣を、建(たける)のお尻から突き通したのです。

ううっ!!! そ、その刀(たち)を動かさないで……。

建(たける)は、苦しそうにあえぎながら、小碓命(をうすのみこと)に、なんとか言葉にします。

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建(たける)の嘆願

……体に突き刺さった短剣、それだけであれば、なんとか命は助かるかもしれない。
だが、もし短剣を動かされてしまうと、内臓がえぐられて死んでしまうだろう……。

どうか、動かさないで。まだ話せるときに、私はあなたにいいたいことがあります。

小碓命(をうすのみこと)は、建(たける)の言葉を聞くと、短剣を動かすことはせずしばし許して、体を抑えていました。

熊曾建(くまそたける)兄弟といえば、この熊曾国をまとめあげるまでになった強者(つわもの)です。
その兄の命を一瞬で奪い、自分ももうあとがない。
“可憐なかわいい少女”だと思っていたが、動きの俊敏さ、強さ、この命(みこと)の正体な誰なんだ?! これほどの強きものに出会ったことはこれまで一度もない。見た目も、この地のものではなさそうだ。

建(たける)は、小碓命(をうすのみこと)に、こう問います。

汝命(いましみこと)は誰ぞ。

あ、あなたさまは、いったいどなた様なのです?

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―次回へ
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