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愛しい黒日売と青菜摘み 仁徳天皇九 神話は今も生きている ことの葉綴り六八六

のんびり平らかな土曜日を

おはようございます。一月も半ばの週末です。皆さん、お元気ですか? 一月十五日(土)の暦は、六曜が「赤口しゃっこう」で、お昼前後が吉。
十二直は、物事が平らかになる「平」、何かの地固めにいい日。お祝いごと相談ごとにもいい日です。二十八宿は「てい」で、婚礼、開店、新規事業に吉。
のんびりお寝坊の週末で、平らかに過ごすのもありですね。
ちなみに明日一月十六日は、六十日に一度の財運のご縁日「己巳」ですよ(^^)
さて、今日も神話の物語に入ります。

<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を、神代から神さまごとに20の「マガジン」に分けて、すべて読めるようになっています。

最新は「神話20 八幡大神さまこと応神天皇さまの物語 」です。


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淡路島へ国見

第十六代、仁徳にんとく天皇さまは、嫉妬深い皇后、石之日売命いわのひめのみことの怒りに触れて宮中を逃げ出した黒日売くろひめのことを、忘れられず恋心は募るばかりでした。

皇后により、船から降ろされて、吉備の国まで歩いて帰ることになってしまった黒日売くろひめは無事だろうか? 
あ~なんとしても、もう一度、会いたいものだ!!
なにか佳き方法はないものだろうか?!

そこで、天皇さまは、「私は、淡路島を見たいと思う」と、仰られて、淡路島に御幸されることになったのです。

淡路島は、伊邪那岐命・伊邪那美命さまご夫婦神が国生みをされたところですから、御幸されるのもごもっともなことです。

そして難波の高津宮から、淡路島へ船が向われました。

淡路島は、兵庫県。
そして、恋する黒日売くろひめがいるのは、吉備(岡山)です。

淡路島から海を眺められて、次のような御歌を詠まれます。

おしてるや 難波の崎よ 出で立ちて 我が國見れば
淡路島 自凝島おのごろしま
檳椰あぢまさの 島も見ゆ 
さけつ島(佐気都島)見ゆ

難波の宮、難波の岬から、出で立って、
吾、国見をすれば
淡路島も、おのころ島も、
そして檳椰あぢまさ(佐気都島)の島もと
いろいろな離島が見えているものだ

風景を詠まれた御歌ですが、難波の宮の皇后の厳しい“監視”もなく、なんだかのびのびと、いろいろな島があるものだな~と、自由を感じられている気がしません?(笑)。
そして、見えている海、島の先には、愛しい黒日売くろひめの暮らす吉備の国もあるのです……。

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吉備国で黒日売くろひめと再会

そして淡路島から船に乗られて、瀬戸内海を西へ進み、吉備の国へと幸行されたのです!!
念願だった、黒日売くろひめとの再会を果たしたのです!

驚いたのは黒日売くろひめでした。
やはり嬉しかったに違いありません。
感激したでしょう。
宮中を出たからには、もう二度と会えないと思っていたはずです。

宮中を逃げ出してきた私に、会いに来てくださるなんて……。

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愛しい人と青菜摘み💛

黒日売くろひめは、吉備の国の山にある畑へとご案内をして、地元の食材で、天皇さまにご馳走を差し上げておもてなしすることになりました。
自ら食材の菜を採り、それを煮込んでお吸い物をつくろうと、山間部の畑へと青菜を摘みにでかけたのです。
黒日売くろひめさんって、なんだか素朴でいいですね。

天皇さまに、旅の疲れもとって頂きたい。美味しい優しい味のお吸い物を……
な~んて、考えながら畑で青菜を摘んでいるときです。
その畑に、仁徳天皇も自ら足を運ばれて、黒日売くろひめさんに寄りそわれたのです。

そして、今度は次のような御歌を詠まれました。

山縣やまがたに 
ける菘菜あをなも 
吉備人きびびとと 
共にしめば
たのしくもあるか

山の畑に蒔いている青菜も
愛しい吉備の人と
共に摘むと
なんと楽しいことであろう

ええ~一緒に、青菜まで摘んだんですね~!!
もう、ニコニコですね~。
きっと青菜摘みなんて初めてでしょうから。
童心のように、恋する乙女と青菜摘み
って感じですね~。
青春の恋物語か~”っとツッコミたくなりますが(笑)
お幸せそうで何よりです(^^)。

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―次回へ
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