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草薙剣の奇跡 元伊勢一五四 神話は今も生きている ことの葉綴り四八六

宮中でも「節折(よおり)」「大祓」

こんにちは。いよいよ明日は、「夏越の祓(なごしのはらえ)」です。
伊勢の神宮をはじめ、全国の神社では、半年間の穢れを祓うご神事が行われます。宮中でも、「大祓」はとり行われます。
天皇陛下の背丈を同じ竹を折り、祓い清める「節折(よおり)」の行事もあり、神嘉殿の前で、皇族をはじめ国民のためにお祓いの行事も行われます。

六月三十日は、ご神事によい「神吉日」。
六曜は「先勝(せんしょう)」午前が吉
十二直は、物事が平らで円満にに成るという「平(たいら)」
二十八宿は、「(しん)」婚礼、地鎮祭、祭祀に吉
と、いうわけで、ぜひ、明日六月三十日は、午前中の間に、神社へお参りをして、今年上半期の穢れや淀みを祓ってはいかがでしょう!

さて、今日も神話の物語に入ります。
倭姫命(やまとひめのみこと)さまと、日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまのくだりです。
ちなみに、神さまにはいろいろな漢字の表記があります。
古事記』では、倭建命(やまとたけるのみこと)ですが、『日本書記』では、日本武尊(やまとたけるのみこと)です。
すいません、前回まで、私、日本武尊の「」を「」にしておりました! ごめんなさい。あとで修正いたします!!(ペコリ)

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<ことの葉綴り>ご案内

この「ことの葉綴り」全体の神話の物語のご紹介です。
神話は、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、日本の魅力的な神様の物語編。
約、二千年前、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編。
ときおり綴る「エッセイ」編。
それぞれに「マガジン」で分けています。
下記のトップページから、スクロールしていただくと、物語別、神様べつに「マガジン」が選べるようになっております。
神さまの名前や、ご興味あるものを読んでいただけると幸いです。


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三種の神器「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」

伊勢の神宮をお参りされた、第十二代、景行(けいこう)天皇の皇子倭建命(やまとたけるのみこと、日本武尊)さま。
これから、わずかなお供だけで、東の国へと、荒ぶる神の征伐へむかわなければなりません。

私は父に(景行天皇)愛されていない……

そう憂い悲しむ日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまに、伯母である倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、神代の時代、皇祖神の天照大御神さまが、地上へ降りられる孫神の邇邇芸命(ににぎのみこと)さまに、お授けになった「三種の神器」の一つ「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」とその袋を、お授けになられ、無事を祈られたのです。
そして、倭建命(やまとたけるのみこと、日本武尊)さまは、東へと旅立たれました。

是の歳、日本武尊(やまとたけるのみこと)、初駿河至、野中に入りて、野火の愁(うれ)へに遭う。

この年、日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまは、初めて駿河に到着されました。
そこで、悪い賊に欺かれて、野原の中へとおびき出されます。
そのとき、野の草に火を放たれて、絶対絶命の危機に陥ってしまうのです。

猛火に囲まれて逃げ場をなくされた日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さま。

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草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれる所以

王(おほきみ)の所佩(は)かせ剱天藂雲(あめのむらくも)自(おのず)から抽(ぬ)けて、王(おほきみ)の傍(ほとり)草薙攘(くさなぎはら)ふ。
是に因りて、免(まぬか)れることを得たまへり。
故(か)れ、其(そ)の剱(つるぎ)を号(なづ)けて草薙(くさなぎ)と曰(い)ふ也。

日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまは、伊勢の神宮で、伯母の倭姫命(やまとひめのみこと)さまより授かった「天叢雲剱(あめのむらくものつるぎ)」を、身に帯びていらっしゃいました。

そのときです。この「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」袋が自然と開き、剣が抜け出て、尊(みこと)の周りの草を薙ぎ払ったのです。

この剣の”奇跡”により、日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまは、窮地から免れることがおできになり、一命をとりとめられました。
この大ピンチで、草を薙ぎ払い、日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまの命を救われたことから、この「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」は、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」ということになります。

ふう~よかったですね。
倭姫命(やまとひめのみこと)さまの祈りと、天照大御神さまが、お守りくださったのでしょうね。

あっちなみに、駿河は、静岡県になります。同じことが『古事記』では、相模の国での出来事となっています。

日本武尊(やまとたけるのみこと、倭建命)さまの、東征はまだ続いていきます。

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―次回へ
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