【吹奏楽部は要注意】アルトサックスのドはミ♭なわけない話
この問題、実は結構根深い問題であり
日本の音楽教育の問題でもあります。
将来音楽家を目指す吹奏楽部の方、親御さん
そして吹奏楽部の顧問の先生方や
外部コーチのをしている方もしっかりと読んでおく必要があるでしょう。
in Cの楽譜
まずなんでこんなややこしい教育をしているのか?
はい。
主に吹奏楽業界です。
このドはミの♭やねん理論ってなんかメリットありますか?
一個だけメリットがあります。
後述しますね!
プロの世界ではデメリットしかない
例えばジャズの世界に進んだとしましょう。
メロ譜とコード譜、または、コード譜だけが配られてさっとセッションが始まったりするのもできるのもジャズの醍醐味でしょう。
トランペットやアルトサックスの人の中には楽譜を移調して書かなきゃしなきゃ吹けないと言うことがあります。
これは吹奏楽界にて移動度で教え込まれたからに他ならないわけであります。
『ピアニストになにがわかるんや』と言われそうなので
一応経歴としてお伝えしておくと
筆者は音大もピアノかチューバか専攻を選ぶほどどっぷりチューバを吹き尽くした経歴があります。
もちろん、座奏ではC管、マーチングではB♭管
趣味でF管を吹いていました。
筆者は基本的に合奏でも俯瞰ができないパート譜を見ることはありませんでした、フルスコアで譜読みしますが、どんな管になったところでなんの問題も発生しません。
B♭管だろうが、F管だろうが、音名CはCです。
DはDです。
FはFであり、ド(C)なわけない。
F管に変えたからと言ってCがFになる論理なんて本来存在しません。
吹奏楽ビジネスの闇
先ほどお伝えした一つだけあるメリット。
唯一のメリットはビジネスとして成立するということ。
どんなビジネスでしょうか。
それはパート譜を売るためなんです。
もちろん中学生に理解してもらいやすくする目的も多少あったでしょうが、全員が筆者のようにフルスコアみながら演奏できるようになると・・・
そうです、パート譜が売れなくなってしまいますよね。
パート譜を売るためには移動ドで書き直された楽譜に依存してもらうしかありません。
吹奏楽ビジネスは実に様々な方法でネットワークが張り巡らされており
闇も光も深い世界であるわけです。
プロを目指すなら固定度も覚えよう
音大生なら許されますが、プロの世界で楽譜配られて
『あっ、すいみせん、これインCで書かれているので・・・
僕ベー管なんで移調しないといけません。』
そっかそっか、『じゃあ移調タイムしよか〜』となるはずがありません。
楽譜が配られたらせーの!です。
そもそもジャズ屋さんの頭の中っていうのはコード名というよりもローマ数字で書かれていることが多いです。
それはボーカルが入るとキーが変わったり、雰囲気によって演奏するキーが変わったりするのが当たり前だからです。
その曲のキーがCなら、FはⅣ、GならⅤとかですね。
こうすることで、別にトニックがF#のキーになったところで何も困ることはありません。
本来、このような音楽教育が若年層から行われるべきであり
このような教育がベースにあれば、仮に楽器と本当に相性が良くて
プロを目指したいと考える子供たちが
あとになって苦労することがなくなります。
ピアノを学ぼう
なので、やっぱり吹奏楽始める方や
これから楽器を始める方やはりピアノはやっておいたほうがいいですし
部活動で移動ドで演奏しなければいけないのであれば
移動ドと固定ドを縦横無尽に行き来できるようにトレーニングしておいた方がいいですね。
ピアノは電子ピアノでOKです。
特にこだわりがなければプリビアを買ってください。
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教育現場で大切なこと
吹奏楽部の顧問の先生はもちろん移動ドで教えてパート譜を売るお手伝いをしてあげるのもいいかもしれませんが、本当に子供たちの未来を考えるのであれば固定ドも教えておく
またはすべてローマ数字で音符を見る癖をつけてあげる必要があります。
吹奏楽出身のジャズ屋さんがこの移動ドで苦労しているシーン
プロの世界では結構見るんです。
逆に吹奏楽出身じゃない場合はそのままコード譜で演奏できていたり(もしくは移調を瞬時にこなしている)します。
日本の音楽教育の水準が上がっていくことを願っています。
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