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なみ
2021年6月26日 09:45
ロープが張ってある石の門を通り抜け、林の中を下って行く。 家が現れ、女性が外で作業をしていた。「こんにちは、竹田さん。 急に言って、すみません。」「浜口さん、こんにちは。 全然かまわないですよ。」ジーンズに赤いTシャツ、グレーのショートカットの女性が、にこにこしながらこちらをじーと見つめる。「こちらがアイ設計所長の岩城さん。」「はじめまして。」「私はアイ設計の南と言います。
2021年6月13日 10:41
学生の時の友達は、ずっと友達なんだ。大人になると、利害関係とか出てくるから、なかなか本当の友達はできないんだ。 ほら、お父さんは大学の時のNさんとずっと付き合い続いてるでしょ? 私が学生の時、よく母親にそんな話を聞かされた。確かに41歳になった今、高校や大学で親しかった友人とは、ひさしぶりに会っても昔と同じ信頼関係がある。お互いその時好きだった人や、悩んでいたことなど、恥ずかしいこと知り尽
2021年6月10日 23:42
ザーーッ 水道の音で目が覚める。ワンルームのサッシから、ぼんやり白い光が差している。 ザーーッ 管理人の山本さんが水やりをしているのだ。エントランスには、花の鉢植えがところ狭しと並べられている。 ザーーッ 何度もじょうろで水をくむ音がする。 ミカは、ぼーっとする体を起こして、明るめのアイシャドウと、買ったばかりのベージュの柔らかいスーツを身につけ、ドアを開ける。「行ってきます。」