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書評

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とりあえず読んだ本の感想など
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2019年9月の記事一覧

破壊的イノベーションはビジネスだけでなく、社会そのものを破壊してしまうことにそろそろ気づくべき

破壊的イノベーションはビジネスだけでなく、社会そのものを破壊してしまうことにそろそろ気づくべき

『1%の富裕層のお金でみんなが幸せになる方法』

帯書きでビルゲイツ絶賛とあるが、本当かな?と疑ってしまう内容だ。著者のクリス・ヒューズは、Facebook の共同創業者として若くしてビリオネアとなった。

この本の大半は、その彼の成り上がりを自叙伝的に紹介にしているだけで、本のタイトルのような提言とそのソリューションは僅かしか書いてない。いわば彼の自慢本なので、そういうのが鼻につく人は読まないほ

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オススメの一冊ということならこれ

オススメの一冊ということならこれ

年一くらいで見直してます。名著です。表紙だけ見るととんでも自己啓発本に見えますが、中身は至って実用的です。無駄が全くありません。

冒頭に、『一生懸命考えているつもりで、実際は立ち止まっている、という人が意外に多い。』と書いてある。うむ。

私には珍しく、何本も線を引いてあり、そこだけを読み返してもうんうんと頷くことしかりです。 #ビジネス #書評 #ゼロ秒思考

誰かに話したくなるかどうか

誰かに話したくなるかどうか

今日の一冊。先日、著者である澤さんのプレゼンを生で聴く機会に恵まれた。働き方改革に関する内容で大変印象深かった。あまりに気に入ったので、職場に戻ってから当日のプレゼン資料と共に周囲に触れ回ったほどだ。

本書の冒頭にプレゼンの三つのゴールとして、

聴いた人がハッピーになる
聴いた人から行動を引き出す
聴いた内容を他人に言いふらしたくなる

との記述があった。

どうやら私は澤さんの狙いに

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日本は後進国になったと感じる

日本は後進国になったと感じる

読んでから見るか、見てから読むか。で、今回は見てから読みました。(と言ってもまずこのキャッチコピーが通じるかどうか、気にしないと(゚∀゚)で、見てから読むのは、どうしても映像イメージがついて回るのであまりしないのですが、原作は短編であり、映画では設定をかなり変えているので、結構すんなりと読めました。が、作品には時の流れと時流に沿ったマーケティングが付きまとうのだなと改めて思いました。テッドチャンが

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運よく未来を掴める者が成功するという話だな

運よく未来を掴める者が成功するという話だな

スタンフォードの学生に向けた講義内容を本にしたので、基本説教くさい。まあこうしたら成功するよとウソくさい情報商材よりはマシだけどね。計画は大事。小さく産んで大きく育てる。競争せずに独占できる内容で勝負する。営業はとても大事。結局誰と組むかが一番大事。ということで、熱意を持って基本に忠実に取り組めということでした。ただ、ここでも出て来たけれど、既にある未来を掘り起こして顕在化することをミッションにせ

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赤裸々とはこういうものだ

赤裸々とはこういうものだ

赤裸裸とは、一糸纏わぬ丸裸という意味だ。ECDの『失点イン・ザ・パーク』は赤裸裸というにはあまりにも赤裸裸すぎて他に表現する言葉がないほどリアルだった。ECDにとってHIPHOPはライフワークだった。それは遺作となった『加山雄三の新世界、君といつまでも』のリリックを読めばよくわかる。彼はHIPHOPを死ぬまで愛していたのだ。そのラップで売れ始めた途端、彼はアル中になった。ラップで働かなくても良いほ

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愚行は消せない忘れない

愚行は消せない忘れない

「過去の誤りをもって、未来に絶望しない人びとに捧げる」ユージン・スミス。Minamataはジョニーディップ主演で映画化される。ユージン没後40年。水俣の問題は未だに終わらない。巻頭には石牟礼道子さんの言葉が重しのように載っている。
人は自然を破壊する技術はあっても、それを元に戻す技術は持ち合わせていない。なんと愚かなことか。残念ながらこの写真集は絶版だ。企業はコンプライアンスやサスティナビリティを

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幾つになっても勉強だな

幾つになっても勉強だな

また、和田先生の本を手にとってしまった。まあ、お布施に近いね、こうなると…。『40歳からの』だろうが、50歳だろうが、60歳だろうが、中身はほとんど変わらないけどね。若干出し入れのバランスが違うだけ。むしろ60歳からの〜というタイトルが成立する長寿高齢化社会ヤバって感じ。あーでも最後まで読まないといけないっていうマインドなかなか変えるのは難しい。それにしても引きこもらないでドンドンアウトプットせよ

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ドットコム・バブルは確かにあったんだ。

ドットコム・バブルは確かにあったんだ。

いわゆるネットベンチャーがIPOをゴールにしたドットコムバブルの頃。ネットワークの外部性やらクリティカル・マスをいち早く超えれば、ファースト・ムーバー・アドバンテージを得られて、最終的にはウイナー・テイクス・オールになると当時のHBRですら唱えていた定説はぜーんぶ嘘なんだけど、知ってた?というお話。まあ夢見たネットベンチャーが次々に倒れていった当時から、まあそうだよなと思っていましたが、こうして理

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追伸:「傷ついたG」もそうだけど、『New Yorker』化した『WIRED』はかなり悲しい。

追伸:「傷ついたG」もそうだけど、『New Yorker』化した『WIRED』はかなり悲しい。

今や全米最大のスキャンダルとなっているエプスタインの件、『NewYorker』の暴露記事でjoiは辞任に追い込まれたし、MITスローンではネグポンがゴリゴリのWASP拝金主義者であることを臆面もなく主張し老害っぷりを惜しみなく出しているあたり、誠に香ばしい。

何を隠そうこの二人は『WIRED』創刊当初からの最重要人物だったのだから、彼らのメッキを剥がしたのが『NewYorker』でその元編集長が

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「傷ついたG」もそうだけど、『New Yorker』化した『WIRED』はかなり悲しい。

「傷ついたG」もそうだけど、『New Yorker』化した『WIRED』はかなり悲しい。

今月の米国版『WIRED』は3年間G社に潜入し、その内幕をバラすという結構刺激的なもの。サブタイトルが、シリコンバレーで最も幸せな企業の悲劇なのだから穏やかでない。近頃はGAFAに比べて日本のIT企業はイケてないと悉く揶揄されているわけだが、かの国のワンダーランドもいいことばかりではなさそうだということなので、この手の記事こそ、率先して翻訳されるべきであると思うのだが、そうならないところがなんとも

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レンタルなんもしない人は、実はスペックゼロではないなって思う。

レンタルなんもしない人は、実はスペックゼロではないなって思う。

『<レンタルなんもしない人>というサービスをはじめます。スペックゼロでお金と仕事と人間関係をめぐって考えたこと』を読んでみた。

図書館のオンライン予約の新刊紹介コーナーに変わった題名の本が登録されていたので、とりあえず予約を入れた。人気の本らしくすぐには貸し出しが回ってこない状況で漸く読むことができた。

その時点で、レンタルなんもしない人は既に現象面でSNS界隈では多くの人が知っている内容だっ

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