わかばの読書

大人になってから、~簡単に、お手軽に、効率よく~の実用書ばっかりに偏っていた読書から、…

わかばの読書

大人になってから、~簡単に、お手軽に、効率よく~の実用書ばっかりに偏っていた読書から、時間はかかっても、正解がなくて、非効率な読書へ。受け取り方は自分次第。自分の物語を紡ぐための読書っていいなと思い始めた読書の記録です。

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本棚を見れば、私がわかる

と、よく行く本屋さんの店主におしえてもらった。 本棚には 過去読んだた本 今読んでいる本 これから読みたい本 が並んでいる。 たしかに、本棚を眺めてみると 自分の頭の中が透けて見えるようで 本は、言葉の集合体だから 頭の中にある言葉まで可視化されていく。 並ぶ本のタイトルを見れば 自分が何に興味を持ってきたのか 何を大切にしてきたのか 何を課題にしてきたのか よくわかる。 学生の頃から大切にしている本は 不動で、私の本棚の一列をしめているけど 大人になって 社

    • 小説の世界を感じたくて『寄席』に行く

      女性の落語家、甘夏が主人公の小説『甘夏とオリオン』(増山実 著) 人が抱えている哀しみ、やさしさに心動かされた物語だったので、小説の世界、寄席をいつか体験したいと思っていました。 その「いつか」が、さきのばしグセのある私には、なかなかこなかったわけですが、 真剣に舞台にあがる人たちのエネルギーを感じてみたい! そう思い立った日があったのです。 (エネルギー不足を感じた日だったので) 開演ぎりぎりの時間に、デパートの中にある多目的会場に到着。 当日券のみの寄席でしたが、

      • 読書記録『生きてるってどういうこと?』ことば:谷川俊太郎, 絵:宮内ヨシオ(光文社)

        表紙を開くと ああ、なんて絵が美しいんだろう。 今、生きている世界がカラフルに彩られるようでした。 生きてるって、こういうことなのかな? 谷川俊太郎さんの詩で問いかけられます。 『生きてるってどういうこと?』ことば:谷川俊太郎, 絵:宮内ヨシオ(光文社) 表紙カバーの折り返しに と書いてあって、それは本当にそうで。 宮内ヨシオさんの絵は、どのページも 赤やオレンジ、緑、黄緑、ピンクに紫に黄色、青。 鮮やかなカラーに彩られていて 色がもつパワーと 描かれている自然

        • 読書記録『せんせいあのね 一年一組かしま教室 ①ひみつやで』新版も、こどもから学ぶことがいっぱい

          いつも行く本屋さんから、予約していた新版『せんせいあのね 一年一組かしま教室 ①ひみつやで』(鹿島和夫著 監修むかいさとこ 西日本出版社)が届いたと連絡をうけ早速、受け取りに。 前記事で書いた 1994年に出された『一年一組せんせいあのね: 詩とカメラの学級ドキュメント』があまりにもよくて、新しく編集されたものを読んでみたいと思ったんですよね。 本屋さんで、まだ支払いもすませてないのに、中を開いたとたん、一編の詩にくぎづけになりました。 男の子が書いた5行の詩。 ただ、ト

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        本棚を見れば、私がわかる

          『一年一組せんせいあのね:詩とカメラの学級ドキュメント 』こどもは、大人が思っているより、ずっと世界をよく見ている

          昨日、図書館で予約していた『一年一組せんせいあのね』(編者・鹿島和夫、灰谷健次郎 フォア文庫)が届いたとメールがきたので取りに行ってきました。 友人が、すごくいいと紹介してくれていた本。 1994年が初版だったんですね。小学生のこどもたちが、毎日担任の鹿島先生にあてて書いた詩を集めたもの。 まだ数編しか読んでいません。なのに、こどもがこんなに大人をよく観察して、飾らない言葉で、見たもの、感じたことを書けることに驚きました。 おとうさんやおかあさんとの暮らしには、毎日どんな

          『一年一組せんせいあのね:詩とカメラの学級ドキュメント 』こどもは、大人が思っているより、ずっと世界をよく見ている

          悲喜こもごも、感情を揺さぶられる読書記録。増山実さんの『甘夏とオリオン』

          女性の落語家、甘夏が主人公の物語 ~『甘夏とオリオン』増山実著(角川文庫)~ 頭で考えただけでは、人の心は動かせない。 まわりからはアホなことに見えても、懸命に生きる姿が、哀しかったり、おもしろかったりする。 女性が落語をするのは難しいことなんやなあ。 落語の世界に足を踏み入れ 一つ一つの演目に向き合いながら成長していく主人公、甘夏の姿に、 ほんまに大事なのは、一生懸命生きること。 頭で考えた小細工は通用しないんやなと教えられるような。 兄弟子たちの生きざまもいい。

          悲喜こもごも、感情を揺さぶられる読書記録。増山実さんの『甘夏とオリオン』

          読書記録。池田達也さんの『しょぼい喫茶店の本』(百万年書房)

          池田達也さんの『しょぼい喫茶店の本』(百万年書房) なぜ、こんなに続きが気になるんだろう?   人が誠実に心情を吐露する言葉に惹かれているからなのかもしれない。 著者が、はっと気づく瞬間にどきっとした。 友人の一言が、本の中の一言が、SNSのつぶやきが、 人生を転換させる可能性を秘めている。 頭の中で行われる会話。 本を読むことで、 その人の考えた軌跡が見える。 一緒に追体験。 価値観を問われる。 そういうことをはっきり自覚させてくれる本。 まだ著者の池田さんが喫

          読書記録。池田達也さんの『しょぼい喫茶店の本』(百万年書房)

          読書記録 松浦弥太郎さんの『エッセイストのように生きる』今すぐできることを試してみた結果。

          松浦弥太郎さんの『エッセイストという生き方』(光文社)。 共感するところや美しい言葉がいっぱいで、この記事にも書いたけれど、 さらに なぜ大切と思ったんだろう? この中で、今すぐ私ができることは? と自分に聞いてみると、 新鮮な気持ちでものごとをみたい。 何かに気づきたい。 だから、松浦弥太郎さんが本に書かれていた「赤ちゃんの発想力」を身につけたいと思った。 赤ちゃんならお風呂に入っている時に どんなことを思うのかな? 想像するだけで お湯につかる気持ちよさに

          読書記録 松浦弥太郎さんの『エッセイストのように生きる』今すぐできることを試してみた結果。

          読書記録。松浦弥太郎さんの『エッセイストのように生きる』を読んで

          松浦弥太郎さんの『エッセイストのように生きる』(光文社) 友人が紹介してくれた本。 読みだしたら、どのページも、もれなく 「そうよね。書くとこんなにうれしいことがあるのよね」 と、共感の嵐……。 松浦さんは、こう書かれている。 なんで、この本に、こんなに背中を押されたように感じたのか。 書こうとすることで私には 見えてくるものがたくさんあったし、 書かなかった頃より 丁寧に物事と向き合えるようになったし、 だれかに教えてもらうより 自分が見つけたものに確信をもてるよう

          読書記録。松浦弥太郎さんの『エッセイストのように生きる』を読んで

          今、町の本屋さんが熱い。

          今、町の本屋さんは、どんどん姿を消している。 私の住む町でも個人の本屋さんは、ずいぶん前になくなってしまった。 読みたい本があれば、街にある大型書店に行くか ネットで頼めば次の日には自宅に届くのだから、 町の小さな本屋さんが苦労するのも当然なのだが。 それでも、私が出会った本屋さんは、みな心が熱い。 私は、本屋さんの話を聞くのが好きで 今まで関西、東京、いくつかの本屋さんの話を お店や講演会で聞かせてもらった。 この本は、いい。 読む人が喜ぶことが想像できる。 この著者

          今、町の本屋さんが熱い。

          読書記録『日本のこころの教育』を読んで

          『日本のこころの教育』境野勝悟 著(致知出版社)は、 著者、境野勝悟さんが高校生七百人に向けて講演された記録。 「日本には、どんな素晴らしさがあるのか」を一つ一つ語られる。 日本が「日本」という名前になったのには、どんな背景があるの? 「こんにちは」「さようなら」の意味は? あたりまえに使っている日本の言葉の意味を、あらためて考えてこなかったし、いや、学生の頃に聞いていたのに、忘れてしまっていることも多々ある。 知るたびに 思い出すたびに 日本語には、深い意味があるん

          読書記録『日本のこころの教育』を読んで

          さくらももこさんの作品に触れに神戸へ

          神戸ゆかりの美術館で開かれている『さくらももこ展』に足を運びました。 ちびまる子ちゃんのアニメも、もちろん楽しいのですが、エッセイは『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』など、おもしろいタイトルが並び、とにかく笑いをさそうものが多くて、観察眼があれば日常はこんなにおもしろく書けてしまうのかと驚いたものです。 館内には、さくらさんのエッセイの手書き原稿やカラフルなイラスト、漫画の原画が展示されていて、その多彩な活動にあらためて驚きます。 エッセイの原稿は、手

          さくらももこさんの作品に触れに神戸へ

          読書記録 山口百恵さんの『蒼い時』にふたたび出会って

          山口百恵さんの『蒼い時』 (集英社文庫)。今は文庫本として出版されているが、今日、実家に置いてあった単行本の方を手に取った。 帯の文章を見ただけで、震える。 当時、百恵さんは、国民的大スター。 『蒼い時』が出版されると知った時は衝撃だった。 引退される直前に書かれたこの自叙伝。今見ても、書く決意をされた強さに驚いてしまう。 今みたいに、ネットで注文などない時代。学校近くの本屋さんに出版前の本をはじめて予約した。 内容も公表されていないから、いったい何が書かれているのか想像

          読書記録 山口百恵さんの『蒼い時』にふたたび出会って

          読書記録 中原淳一『ジュニアそれいゆ:十代のひとの美しい心と暮しを育てる (別冊太陽 日本のこころ)』

          中原淳一のジュニアそれいゆ: 十代のひとの美しい心と暮しを育てる (別冊太陽 日本のこころ) ある小説の中に、中原淳一の絵が表紙を飾っていた少女雑誌のことが書いてあった。戦時中だけど、少女が夢中になっていた雑誌のようで。 中原淳一。 名前は聞いたことがあったけど、どんな絵を描いていたんだろう? 図書館で名前をみつけたので借りてみた。 そして手に取って驚いた。 1954年(昭和29年)創刊。 こんなに昔に、こんなにおしゃれな本があっとは。 今見ても洋服のデザインがすばらし

          読書記録 中原淳一『ジュニアそれいゆ:十代のひとの美しい心と暮しを育てる (別冊太陽 日本のこころ)』

          読書記録 喜多川泰さんの『書斎の鍵(父が遺した「人生の奇跡」) 』を読んで

          喜多川泰さんの『書斎の鍵(父が遺した「人生の奇跡」)』現代書林 ある出来事が原因で望んでいた仕事に就けず、その後、ずっと本気で生きられなかった主人公が 幸せを願ってくれていた存在を知り 大きく生き方を変えていく物語。 帯には と書かれている。 自分が幸せでいる目的は、だれかを幸せにするため。 今は、自分一人の願望実現 夢を叶えよう とうたわれるものが多いけど それは、なんのために? を問われる。 自分の一人のことだけを考えていると、 踏み出せなかったり あきら

          読書記録 喜多川泰さんの『書斎の鍵(父が遺した「人生の奇跡」) 』を読んで

          楽しい読書の記憶を思い出す

          宮本輝さんの『にぎやかな天地』。あまりによくて、友人たちに感想をシェアしたら 「私、宮本輝さんの『錦繍』を読んだ!」という人が多くて驚いた。 みんな本読んでたんだ! 今まで読書の話などしたことがない面々だったから、そうか、話さなかっただけで、みんな本を読んでたんだ。 小説を楽しんでいたころの自分を思い出して懐かしそうだった。 私は記憶をたどると、子どもの頃は物語 高校、大学の頃はエッセイや小説も少し。 学生の頃は、「楽しいから読む」だった。 それが、社会人になって

          楽しい読書の記憶を思い出す