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火星で最初の食糧と宇宙食2.0

SF映画で「オデッセイ」をご存じでしょうか?

原作はアンディ・ウィアーの「火星の人」です。実は元々SF好きが功を奏して書いて無料で公開してみたら、余りの反響で本として販売した、という経緯があります。

内容は、とある誤解で一人火星に残された探査員のサバイバル術、です。(ネタバレはしないようにします)

実はこの探査員、植物の専門家でした。そして彼はその知識を生かしてなんと火星上で植物(ジャガイモ)を栽培して食糧にしてしまいます。(まさに火星版ロビンソン・クルーソー

これ、現実はどうかというと、結構難しいようです。こんな記事が流れています。(タイトル画像もここから引用)

まず、難しいのは酸素がないからというよりは、植物に有毒な過塩素酸塩が含まれていることです。

そして、それを打破できる可能性として上記記事の米を使ったシミュレーションでは、「遺伝子組み換えを施した米」を挙げています。

遺伝子組み換えは、遺伝子編集技術と混同されがちですが、人工的に交配させる技術です。過去の関連記事を引用しておきます。

地上では色々と安全・安心面で議論はありますが、まず宇宙環境では生命を維持することが必要なので、やや議論の前提が違いそうですね。

また、上記はあくまで火星特有の課題ですが、まず月面を念頭においた宇宙食糧生産への取り組みを千葉大学が始めています。

ようは、国立で唯一の園芸学部が宇宙環境での食料生産技術の確立を目指そう、という話です。

1つだけ上記記事から画像を引用しておきます。

出所:上記記事内の図

イネ以外でも、豆類・イモ類もあり、これだけ揃うとある程度地球と同じ食事がいつかは作れそう、と無邪気に期待したくなります。

ちなみに、月・火星など地表面ではまだ難易度が高そうですが、ある程度人工的に庇護された宇宙空間では既に栽培は行われています。

過去にそれに触れた記事を引用しておきます。

先ほどの千葉大の記事に戻ると、植物の中で果樹、つまり果物の研究も進んでいます。

その中で意外なのが、特にイチゴの栽培に成功している国が多いとのことです。(どこまで宇宙環境に近づけたのかは不明ですが)
イチゴは、(老化の原因ともいわれる)活性酸素から守るポリフェノールが豊富に含まれており、栄養面にも優れており、何よりも素直にイチゴを宇宙で食べれると嬉しいですね。

今までの宇宙食は、地上からの輸入(?)品でしたが、そろそろ宇宙に拡張した新しい地産地消への挑戦が現実のものになるかもしれません。

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