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小磯通信 現代短歌部

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小磯通信で投稿した短歌をまとめています。
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#詩

生きている短歌(10首)


さあどうだ
行くも
帰るも
自分次第
これからの生を
如何に使わん


一度きり
刹那に散りゆくも
いいさ
紛れない
「今」を
感じながら


「運が悪けりゃ死ぬだけさ」
また明日も
そう言いながら
生きていくのさ


大好きな
歌を歌おう
公園で
下手くそだって
かまわないから


将来も
何も得てない
僕だから
つくれる歌を
歌っていきたい


宵の更け
漆黒に揺れる

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冬のある日の短歌(10首)


スマホから
顔上げ慌て
飛び降りた
そこは
最寄りの隣の駅さ


館内を
出た後も続く
ストーリー
映写機になった
僕の目が映す


雨道で
傘をステッキに
ステップを
踏みたくなるのは
映画のせいかな


ネオン街
曲がった
地下の小舞台
夢見る彼女は
命を燃やす


新しい
喫茶店探し
街歩き
それが密かな
冬の楽しみ


街を行く
体も心も
財布まで
寒い背中を
風が吹きゆく

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空は真っ赤で

雨粒を 少しこぼした 赤い空
あわてて駆け出す 痺れた腕で

リコーダーが少し聞こえる昼間には
珈琲が入るのを待ちわびる

寝過ごしたぐらいがちょうどいい日には
知らない街の知らないお店へ

小説はページをめくる催眠術
別の世界へ 私をいざなう

わたしには 足りないくらいがちょうどいい
満ち足る日待つ そのドキドキが

(あとがき)
短歌です。読んでください。

(2019.6.23 文:ケビン

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