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【オススメ書籍】新規事業(コーヤチャンネル)

鈴木広野の運営するYoutube『コーヤチャンネル』に関連して、若手ビジネスパーソンのキャリアに役立ちそうなオススメ本をテーマ別にまとめました。

このページで紹介するのは『新規事業』について。
何か新規事業を起こしたいと思った時に一番意識しないといけないのは「分業では通用しない」ということ。
大企業的な「私はここだけしかやりません」というスタンスはNG。インキュベーションを成功させるために、必要であれば自分の守備範囲を超えて勉強し、自分と違うケイパビリティを持った人とも共通言語を持ってディスカッションをできるようになることが大切です。「では何をどこから勉強すれば良いのか?」。迷った時に、この読書リストを参考にしてもらえたら嬉しいです。
(※スタートアップ・ベンチャーでの働き方については、こちらの読書リストにまとまっています)




まずはこの2冊から!

まず何よりも先に読んでほしいのがこの2冊!「何を意識すべきか」の勘所がわかります。


田川欣哉著『イノベーション・スキルセット~世界が求めるBTC型人材とその手引き』

⇒新規事業を立ち上げられる人材とはどのような人材なのか?その問いに分かりやすく答えてくれているのがこの本。田川さんは新規事業立ち上げに必要な素養をビジネス(B)・テクノロジー(T)・クリエイティビティ(C)の3つに要素分解しており、その3つを兼ね備えた人材を「BTC型人材」と定義している。
そしてここが大事なポイント。「スキルを身につける」と聞くと少し身構えてしまうかもしれないが、その領域に詳しい専門家との会話が成立するレベルの「リテラシー」を身につけるのでまずは十分だ、ということが書かれている。新規事業立ち上げを目指す人は、田川さんの本のこの部分でも読んでほしい。前向きな気持ちで、他の勉強に取り掛かれるはずだ。


ちきりん著『マーケット感覚を身につけよう―「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』

⇒マーケット感覚とは「何が価値になるのかを見抜くスキル」のこと。新規事業に携わりたい人なら必読の一冊。なぜなら新規事業とは「世に新しい価値を提供すること」であり、「どのような価値が世の中から求められているか」を見抜くスキルこそがマーケット感覚だからだ。マーケティングや商品開発の教科書には載っていない<Streetwise>な知恵を授けてくれる必読書。
※ちきりんさんの関連ブログ記事はこちら。「マーケット感覚って何?」という方はぜひ。 →          


ニーズを掴む

次に「顧客のニーズを掴む」上で参考になる本をご紹介します。
(※「顧客のニーズを掴む」上で大切になるデザイン思考についてはこちらの読書リストにもまとまっています)


水野学著『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』

⇒「段取りの本がなぜここに?」と思った人もいるかもしれない。水野さんはクリエイティブ・ディレクターとして数多の有名企業のコンサルティングを成功させているが、まず「疑う」ことから始めるのが成功のコツだと主張する。顧客が「ほしい」といったものをそのまま作ると失敗するリスクがある、ということを体感で学んでもらうためにぜひよんでほしい1冊。


坂元勲・小田ビンチ・田村大共著『まんがでわかるデザイン思考』

「顧客に売れるサービスを作るには?」が直感的にわかる本。このマン
ガの中に書かれているブレストの例などは、そのまま新規事業立ち上げのプロセスにも応用できるはず 。デザイン思考をざっくり学べる良書。
(※デザイン思考についてはこちらの読書リストにもまとまっています)


松薗美帆・草野孔希共著『はじめてのUXリサーチ ユーザーとともに価値あるサービスを作り続けるために』

⇒UXリサーチについて書かれた一冊。「顧客を知る」とはどういうことか、この本を読めば良くわかる。また、著者の松薗さんがいるメルペイの事例なども盛り込まれており、具体例が豊富なのでイメージがつきやすい


木浦幹雄著『デザインリサーチの教科書』

⇒上の本をより掘り下げたような位置付けの本。顧客のニーズを探る上では、ロジカルシンキングよりもデザインリサーチの考え方の方が適している。かなり分厚い本なので、正直読むのに骨が折れるが、新規事業を立ち上げたいのであればぜひ読んでおきたい一冊。


森岡毅著『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』

⇒USJをV字回復させた伝説のマーケター・森岡さんの著書。マーケティングの瑣末なテクニック論ではなく、ビジネスの本質的なTipsを語ってくれているのが特徴。「顧客の方を見て仕事をする」という、当たり前すぎるが故に大企業などでは軽視されがちな原理原則を思い出させてくれる
(※マーケティングについてはこちらの読書リストにもまとまっています)


安斎勇樹・塩瀬隆之共著『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』

⇒顧客のニーズを探るためのワークショップを実施したいのであればこの本がオススメ。ファシリテーターが投げかける問いによって、ユーザーから得られるインプット情報も大きく変わってくる


考える・創る

リサーチした内容をもとに、実際に構想を練り上げるフェーズについて、オススメの書籍を紹介します。
(※「考える・創る」上で大切になるデザイン思考についてはこちらの読書リストにもまとまっています)


デイヴィッド・ケリー、トム・ケリー共著『クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』

⇒デザイン思考を世に広めたIDEO社の2人による「クリエイティブな人になるためのコツ」について書かれた本。この本の中で書かれている「クリエイティブになるための第一歩は、『私はクリエイティブになれる』と自分を信じてあげること」というメッセージは、新規事業を志す全ての人の背中を押してくれる言葉だと思う。


藤井保文著『アフターデジタル2 UXと自由』

⇒この本の主張を一言で言えば『UXを無視したサービスは絶対に作るな!』というもの。著者の藤井さんは中国の最新テック事情に詳しく、それ故に『UXを軽視したサービスは21世紀は生き残れない』という確信を持っている。サービス立ち上げ前に必ず読んでおきたい一冊。


水野学著『アウトプットのスイッチ』

⇒売れっ子クリエイティブ・ディレクター水野学さんの仕事のテクニックが満載の1冊。くまモンや中川政七商店、東京ミッドタウンなど、誰もが知るブランドの制作の裏側にある「成功の秘訣」を学べるこの本、買わない理由がない!この本が面白かった人は山口周さんとの共著『世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術』もオススメ。


ルーク・ウィリアムス著『デザインコンサルタントの仕事術』

⇒世界的デザインファーム・フロッグデザイン社の仕事のテクニックが語られた1冊。アイデア出し、ソリューションへの仕上げ方からプレゼン術まで、新しい商品・サービスを世に出したいと思った人が辿るプロセスが最初から最後まで分かりやすく語られている。


前野隆司・保井俊之・白坂成功・富田欣和・石橋金徳・岩田徹・八木田寛之共著『システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」』

⇒慶應の「システムデザイン・マネジメント研究科」による本。イノベーションを作るための発想の道具がたくさん詰め込まれたおもちゃ箱のような楽しさがある。イラストも多く一気に読めるはず 。ワークショップなどでも使えるテクニックが満載なので、チームメンバーやステークホルダーからのアイデアを引き出すのにも役立つ。」


及川卓也・小城久美子・曽根原春樹共著『プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで』

デジタル系のサービスを作りたいのであればオススメの一冊。タイトルに「プロダクトマネジメントのすべて」とある通り、本当にすべてのテーマが余さず書かれており、網羅性が最大の売り。難しい内容が平易に書
かれており、分量の割にサクっと読める。また、スタートアップ・ベンチャーで勤める人は必ずこの本を読んでほしい。


濱口秀司著『SHIFT:イノベーションの作法』

これまで数多くのプロダクトを世に送り出してきたイノベーションデザイナー・濱口秀司さんの思考テクニックが詰め込まれた1冊。ありきたりなイノベーション本と異なり、本質的な考え方・思考法の部分から丁寧なロジックで書かれているのが魅力的。新規事業に携わる人なら必読の書。


山口周著『外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~』

⇒メインとしてはコンサルティング・プロジェクトに親和性のある本ではあるが、新規事業・サービス開発にも応用できる点は多い。読んで損はない本。
(※こちらの「思考力を鍛える」の読書リストの中でも取り上げています)


楠木建著『ストーリーとしての競争戦略』

『戦略の神髄は思わず人に話したくなるような 面白いストーリーにある』───。一橋の名物教授・楠木さんの代表作。いわゆる一昔前のMBA本は令和時代のサービスデザインにまったく通用しないものも多く存在するが、この本の内容はむしろこれからの時代にフィットする内容が多く含まれているように思う。


森川亮『シンプルに考える』

LINEの元CEOによるビジネス本。「戦わない」「差別化は狙わない」「計画はいらない」「偉い人はいらない」「自分を守らない」───他のビジネス本に書かれているような高度なテクニックのアンチテーゼが強烈に語られている。難しく考えすぎず 、ユーザーに選ばれるサービスを作るために本質に100%集中することの大切さを教えてくれる。


数字で検証する

ここまで考えてきたアイデアを数字の形に落とし込むためのノウハウがわかるExcel本です。
(※Excelについてはこちらの読書リストにもまとまっています)


熊野整著『「それ、いくら儲かるの?」外資系投資銀行で最初に教わる万能スキル エクセルで学ぶビジネス・シミュレーション超基本』

事業企画系の部門に行きたいのであれば必読の一冊。いわゆる「フェルミ推定」的なロジックを、実際のビジネスに落とし込むとどのようになるかが語られている。この本を読めばExcelによる事業シミュレーション(モデリング)ができるようになるはず 。さらに極めたい人は慎泰俊さんの『外資系金融のExcel作成術―表の見せ方&財務モデルの組み方』もオススメ。


岡崎京介・小林康夫共著『数字で考える技術 ビジネスモデリング入門 第2版』

⇒「モデリング(=事業シミュレーション)」とは何なのかの真髄がわかる本。そこらへんのExcel本とは一線を画す超実用的な応用テクニックが書かれている。難易度は相当に高いが、読めば一生モノのスキルが手に入る良書なのでぜひ読んでほしい。


稟議を通す

ここまでアイデアを作り上げても、最終的に上司や投資家からの「Goサイン」をもらわないと前に進めることができません。その時の参考になる本を2冊紹介します。


塩野誠著『リアルスタートアップ~若者のための戦略的キャリアと起業の技術~』

⇒IGPIパートナーであり、自身も起業経験者の塩野誠さんによる著書。2012年に書かれた本だが本質的な部分は古びていない。特に大企業にいる人は第5章の「社内企業。社内でビジネスをつくるということ」の部分だけでもぜひ読んでほしい。大企業の社内事情に負けずに新規事業を立ち上げるしたたかさを学ぶことができる。


高城幸司著『社内政治の教科書』

⇒新規事業というテーマと直接関わる内容は書いていないが、「稟議を通す」ためのノウハウ、そしてそれ以前・それ以降の一連のプロセスの中で「外野に邪魔されない」ためのノウハウを学ぶことができる良書。アイデアに自信がある人こそ、足を掬われないために読んでおきたい1冊。
(※こちらの「組織の本質を知る」の読書リストにも掲載しています)


チームを動かす

プロジェクトの大枠が決まったら、人を動かしましょう。そのための参考になる本をご紹介します。
(※上で紹介した水野学著『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』塩野誠著『リアルスタートアップ~若者のための戦略的キャリアと起業の技術~』なども参考になります)


山口周『外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』

⇒主にコンサル向けのプロジェクトマネジメント本ではある点に注意が必要だが、新規事業におけるチームビルディングにも一定役立つ。特にこれまでルーティーンワーク系の仕事の方に慣れ親しんできた人は、プロジェクト型の仕事の進め方に頭を切り替える意味でもぜひ読んでほしい一冊


日高由美子著『なんでも図解――絵心ゼロでもできる! 爆速アウトプット術』

⇒この本を読めば、誰もが憧れすスキルである「ホワイトボードに考えをササっと書く」ができるようになる。自分の考えを紙やスライド・ホワイトボードなどの平面上にアウトプットする上で、最大の障壁となるのが「自分にそんなことができるのかな…」という心理的抵抗感。この本を読めば、そんな心理的抵抗感がスッと消えていくのがわかるはず 。


森岡毅著『マーケティングとは「組織革命」である。』

「ビジネスは策を立てるより、実行する方が100倍難しい」。USJをV字回復させた伝説のマーケター森岡さんは、そう語る。あなたが画期的なアイデアを思いついたのであれば、それを組織を巻き込んで100%実行するところまでコミットするべきだ。日本有数のストラテジスト(戦略家)が組織論を語った必読の一冊


顧客に訴える

最初の「ニーズを掴む」ところから一周して、再び顧客と向き合うフェーズに戻ってきました。あと一歩です。

大橋一慶著『セールスコピー大全:見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方』

⇒コピーライティングについて学べる良書。コピーライティングとは「人間の心を理解して、購買行動につなげるアクションを起こさせる文章を書くスキル」のこと。この本を読めば、相手のニーズを掴んでプロダクトを買ってもらうための実践テクニックを学ぶことができる。
(※マーケティングについてはこちらの読書リストにもまとまっています)


鹿毛康司著『「心」が分かるとモノが売れる』

⇒雪印乳業・エステーなどでマーケティング・CM制作を担ってきた著者による本。この本を読めば、マーケティングで必要な顧客の心、「インサイト」の掴み方がよくわかる。小手先のテクニックではなく、マーケティングの本質が学べる良書。
(※マーケティングについてはこちらの読書リストにもまとまっています)


キンドラ・ホール著『心に刺さる「物語」の力 ──ストーリーテリングで
ビジネスを変える』

⇒なぜかあまり知られていない良書。ビジネスで成果を出すための「ストーリーテリング」を、これでもかというほどのたくさんの事例で学ぶことができる。この本の中にはすぐに実践できるテクニックが書かれているわけではなく、肝心の部分は自分自身で考えなければいけない。それでも、「ストーリーが人を動かすとはこういうことなのか」というエッセンスの部分を体感することができれば、あなたの商品を顧客が買いたいと思うストーリーを創り出すことができるはず 。


関連リンク

以下のリンクでもオススメ本をまとめています!ぜひご覧ください!

20代のうちに読むべき本
読書の仕方がわかる
キャリアについて考える
仕事の速さを極める
思考力を鍛える
メンタル管理・ストレスマネジメント
Excelを極める
スライド作成・PowerPointを極める
議事録・文章力を磨く
マーケティング
データ分析・テクノロジー
金融・お金に強くなる
デザイン
デザイン思考
新規事業
コンサルに入ったら読む本
スタートアップ・ベンチャーに入ったら読む本(※インターン含む)
組織の本質を知る
学生・就活生が読むべき本
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