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”タイトルがいいエロゲ” ランキングBEST20



みなさん長らくお待たせしました。
わたしが思う「タイトルがいいエロゲ」発表のお時間です。

今回のレギュレーションはただひとつ

自分がまだやったことのない作品に限る

ということです。

プレイしたことがあると、作中で鮮やかにタイトル回収されたり、最終的にタイトルの真の意味が明らかになったり、単純接触効果とかで味わい深くなったりと、総じて「良いタイトルだな~」と思ってしまいがちです。
それは「タイトルがいいエロゲ」ではなく、「いいエロゲだったから(思い入れ補正や内容とのリンクで)タイトルまでいいと思い込んでいる」に過ぎません。それでは順序が逆です。

今わたしが考えたいのは、ゲーム内容とか関係なく、純粋にタイトルの字面・文字列だけを見て「これはいいタイトルだ」「センスがいい」と思ったエロゲです。だから必然的に、わたしがプレイしたことのある作品は除外されます。

内容とのリンクで評価されているエロゲといえば、『CROSS†CHANNEL』や『車輪の国、向日葵の少女』なんかが代表例でしょう。(正直、ここらへんのエロゲーマーに名タイトルと評される名作エロゲの多くは、あんまり刺さりきらない……。キャッチーだとは思うけれど、殊更にハイセンスだとか秀逸だと思うことは少ない。好みですね)

また、わたしが初めて触れたエロゲ、『素晴らしき日々 ~不連続存在~』なんかは、思い出補正マシマシでかなり好みのタイトルです(特に副題の「不連続存在」が無我論者的にアツい)が、上記の理由で本ランキングには入っていません。

なお、「エロゲ」全般を対象とするので当然ながらシナリオゲーだけでなくがっつり抜きゲーも含まれます。というか、わたしが「いいタイトルだ……」と恍惚としてしまうのは抜きゲーが多いです。シナリオゲーのエモい系やカッコいい系のタイトルには「あ~はいはいよくあるエモカッコいいキレイ系のタイトルね」とスカしてしまいがちで、抜きゲーやバカゲーのように馬鹿馬鹿しさ/しょうもなさに振り切っているもの、潔いもののほうが好感が持てます。


・・・お気付きのように、ようはこの企画、「わたしはこのエロゲタイトルがセンス良いと思う」と発表することで、自分のネーミングセンスをみなさんに晒す行為に他なりません。

俺とネーミングセンスバトルで勝負だッ・・・・・・!


なお、BANが怖いので 字面の良さを語るという性質上、公式サイトのリンクやパッケージ画像などは貼りません。気になるタイトル(ダブルミーニング)があったら調べてみてください。

それでは20位から発表していきましょう! サクサクいきます



第20位『ソレヨリノ前奏詩』

(minori/2015)

これは単純に、名前が『アスノヨゾラ哨戒班』っぽい(から好き)、というだけの理由です。

「エロゲっぽいタイトルのボカロ曲」って色々ある気がしますが(具体的な曲は挙げられない)、『ソレヨリノ前奏詩』は『アスノヨゾラ哨戒班』っぽさに一点特化しています。

ちなみに『アスノヨゾラ哨戒班』の公開は2014年8月であり、『ソレヨリノ前奏詩』(2015年2月発売)の半年ほど前……という年代間隔なのも、かなりそれっぽいなぁと思います。本気で「影響を受けている!」と主張はしませんけれど。。

minori作品、まだやったことないんですよね~ 『ef.』の次に『ソレヨリノ前奏詩』はやりたいと思ってます。夏の田舎エロゲとして気になりますし、同系統の『夏空のペルセウス』よりも評価が良さげなので。

「ソレヨリノプロローグ」って読むんだ……文字通りエアプなので何も知らなかった。ふつうに「ぜんそうし」って読んでた。だって「哨戒班」は「しょうかいはん」だから…………



第19位『らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!』

(HARUKAZE/2013)

シナリオライター・はとさんの言語センスが卓越していることは、同人時代の『Dear world -Re.-』(2009)などをプレイして認めざるを得ませんでした。「ノベルゲーム」というけれど、はとさんの言葉は小説(ノベル)よりも詩に近く、そうした言葉がノベルゲームの形式(1クリックごとに画面に表示される)において輝きを放つ点が大きな魅力だと思っています。

したがって、正直に言って、わたしは「はと」という作家をシナリオライターとしてよりも作詞家として評価しています。『マルコと銀河竜』の主題歌「飢餓と宝玉」はいまだにまったく色褪せない最高の名曲であり、音楽に対する詞のノリ具合が半端ないです。

飢えまくる体に飛び乗って 世界をさらおう
神様ってやつの食べ残しなんだファンタジー

エロゲ『Monkeys!¡』(2021)の主題歌「明日を漁れ」もめっちゃ好きです(ゲームは未プレイ)

まず曲名「明日を漁れ」の時点で「あs」という 母音+子音 の繰り返しをミニマルに凝縮していて口触りが良いですし(とうぜん曲中では「朝」でも追加で踏んでいく)、意味内容もなかなか思いつかない詩的な言い回しでたいへんすばらしい。

曲中の歌詞も

死んでる場合かい 初めての会話は叱咤激励

だからもう天国に住まない
これを「生きたい」と言うんだろう

といった鋭利でキャッチーなフレーズが満載で大好きです。(ちなみに『明日を漁れ』の作曲はボカロPでもある小菅こんにゃくさんであり、まさかの起用に驚いた覚えがあります)

……えーと、そろそろ『らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!』の話に入りましょうか。

基本は「明日を漁れ」と似ていて、タイトルの中に「らぶおぶ」「of LOVE」という単語のリフレインを小気味よく詰め込んでいて、単純に「口に出したくなる」(※えっちな意味ではない)良タイトルだと感じます。タイトル付けってようはコピーライター的なセンスと近いので、つくづくはとさんはそういう短いキャッチーなフレーズを生み出すのが上手いなぁと思います。

また、そんな「らぶおぶ」「of LOVE!」のあいだに「恋愛皇帝」というやや硬い字面の創作四字熟語が挟まっている点がさらに上手い。ひらがな・英語・漢字をタイトルに同居させることで違和感を作り出し、それを印象深さへと繋げる手法です。

例によってエアプなので「恋愛皇帝」はそのまま「れんあいこうてい」と読むのか、それとも特別な読みかたをするのか分かっていません。英語タイトルが「Love of Love emperor of Love!」なので、「ラブエンペラー」と読むんでしょうか。

この告知動画のラストの読み上げを聴くに「らぶおぶ恋愛皇帝(れんあいこうてい)おぶらぶ」らしいですね。「ラブエンペラー」で「らぶ」をさらにもう一回重ねても良かったですが、「れんあいこうてい」という滑らかさの少ない熟語を敢えて間に入れて緩急をコントロールしているのも高度な技だと思います。「言いたくなりやすさ」と「読みづらさ」の取り合わせが絶妙。(というか「恋愛肯定」とのダブルミーニングなのか、今更ながら)

『ノラと皇女(おうじょ)と野良猫ハート』もやはり執拗な「と」の畳み掛けが練られた名タイトルですね。エロゲ界の詩人・名作詞家のはとさんにはこれからも色んなタイトルや歌詞を書いてほしいです。



……このペースで書いてると1万字を越えそうで怖いのでサクサクいきます。


第18位『恋と選挙とチョコレート』

(sprite/2010)

『ノラと皇女と野良猫ハート』や、ラノベ『バカとテストと召喚獣』のような3単語列挙系タイトルです。このタイプは並べる単語の①選出とその②順序によって出来が決まります。まさに詩。恋と選挙とチョコレート。この3単語は選出も配置もかなりハイセンスだと思います。

この3タイトルに共通しているのは「2音→3音→5音以上」と徐々に単語が長くなっていく点でしょう。間の「と」を含めると「[2音] と [3音] と」の時点で計7音になり、和歌的な語呂の良さがあることがわかります。『ノラとと』『バカテス』は字余りですが、「恋と選挙とチョコレート」は「7音+5音」でまさに7・5調ですね。発音したくなるのは名タイトルの証。

「恋」と「チョコレート」というイメージの近しい単語を最初と最後(両端)に置き、そのあいだを「選挙」というやや硬めの単語で埋める手法は『らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!』と一緒かもしれません。それでいて「選挙」でちゃんと学園恋愛モノなんだな、と察することができる点も秀逸。

そういえば、先月発売された結城浩『群論への第一歩』を(出版前レビュアーとして)読んでいて、「群と準同型と剰余類」という節題を見たとき瞬間的に「『恋と選挙とチョコレート』じゃんw」と脳内でツッコんでしまいました。(それもレビューの一部として結城先生に送りました)

この出来事は、自分のなかの「○○と○○と○○」系の引き出しのいちばん手前に、中学生の頃ドハマりしていた『バカテス』ではなく、『恋チョコ』が入っていると示すエピソードです。『バカテス』の思い入れ補正に、まったくプレイしたこともなく買ってすらいない『恋チョコ』が印象深さで勝ったということで、それほどに名タイトルなんだなぁと感じました。

タイトルだけでなく、メインビジュアル/パケ絵もいいですよね。タイトルとイラストと音楽が良くてストーリーは微妙だという噂は聞いています。


『群論への第一歩』、おすすめです。



第17位『キミの瞳にヒットミー』

(戯画/2017)

これくらいしょうもないほうがかえって好感もてますよね。ダジャレ系好きです。「きみのひとみにヒットミー」、つい言いたくなっちゃう



第16位『微少女』

(たぬきそふと/2009)

簡潔かつ鮮烈にコンセプトを伝える、お手本のようなタイトル。
「美少女」ゲームという文脈のなかでのズラしも感じられます。



第15位『サノバウィッチ』

(ゆずソフト/2015)

これは特殊なケースで、正確には英語版タイトル "Sabbat of the Witch" のノミネートです。

そもそも日本語のタイトル「サノバウィッチ」が英語圏のスラング「son of a bitch」をもじった「son of a witch」から来ているのだろうな、というのはわかりますが、英題はさらにもうひとひねりしててお洒落。steamで見かけて「えっ『サノバウィッチ』の英語タイトルってこんなオシャレなの!?」と驚いた覚えがあります。

おそらく「son of a witch」そのままだとスラングと近すぎるので、もう少し婉曲的にするためにひねったのでしょうけれど、それが結果的に名翻訳タイトルを生み出しているのが面白いです。英題を嚙みしめたあとでは「サノバウィッチ」という原題じたいもなんだか前よりも魅力的に思えてくるから不思議。



第14位『アッチむいて恋』

(ASa Project/2010)

ダジャレ系です。勢いがいいですよね。タイトルを見るだけで元気が出てきます。
駄洒落じゃなくともASaプロは『ひとつ飛ばし恋愛』とかも良タイトルだと思います。



第13位『ムチムチだからムクムクした ~幼なじみとの過ごし方~』

(アトリエかぐや/2020)

これぞエロゲ、といった趣の名タイトル。
副題がなければ完璧だった……という思いと、いやこのサブタイがあればこそだ!という意見が激論を交わし合っています、わたしの中で。



第12位『ドーナドーナ いっしょにわるいことをしよう』

(ALICESOFT/2020)

こちらは副題込みで好きです。副題を全部ひらがなにするセンス◎

ポップなかわいい絵柄で人身売買や凌辱というエグい要素を扱う、内容の二面性が表れている名タイトルだと思います。
まぁやったことないんですけど……



第11位『俺たちに翼はない』

(Navel/2009)

これは有名作のなかでもシンプルにかっこよくてセンスがいいと思うんですが、十中八九なにかの引用・パロディだろうと調べても出てきません。ほんとうにオリジナルだったらマジで好きです。

【追記】
元ネタは60年代アメリカ映画『俺たちに明日はない』だと教えていただきました! やっぱ引用元あったか~~残念。じゃあ代わりに『天使のいない12月』(Leaf/2003)あたりを入れようかしらん。まぁ『俺つば』良いタイトルだと思うのは変わりませんが……。


第10位『パルフェ ~ショコラ second brew~』

(戯画/2005)

サブタイトル部門優勝。世界一かっこいい "自称"「二番煎じ」。
『ショコラ』の設定を引き継いだ続編・スピンオフ作品という位置付けで、二番煎じを名乗りながらもしっかり前作を越えていく姿勢も含めて格好良過ぎます。(え? 内容とのリンクは採点対象外? まぁいいじゃないですか)

これのリメイクの『パルフェ ~chocolat second brew Re-order~』は二番煎じの再注文ということで要素が二重化しておりさらにややこしくなっています。このごちゃっとした感じもいいですよね。

えー……「やったことない作品に限る」というルールでしたが、こちらだけは例外とさせて下さい! だって好きなんだもんタイトルが!!



第9位『思い出抱えてアイにコイ!!』

(HOOKSOFT/2021)

こちらも『アッチむいて恋』に似たダジャレ・掛け言葉系タイトルですが、勢いがいいですよね。元気がでる。命令口調タイトルに弱い説があります。



第8位『君が望む永遠』

(âge/2001)

「君」とか「永遠」という単語を含んだセカイ系?っぽいエモい類のタイトルでは、結局これが頂点だと思います。1つランクインさせれば十分かな、ということでこれを選びました。2000年前後の「あの頃」のエロゲにしか許されない感じはあります。



第7位『マブラヴ』

(âge/2003)

âge繫がりです。『マブラヴ』って一見シンプルだし、有名作過ぎて見慣れ/聴き慣れてしまっているので今さらわざわざこの4文字を吟味することはあんまりないですが、冷静に振り返ってみるとめっちゃ良くないですか? 「真実(マブ)の恋愛(ラヴ)」ですよ? ""純愛"" 

恋愛ゲームの代名詞みたいなタイトルで、実際にエロゲの最高傑作の一角を担ってるの超カッコいい。簡潔部門1位かな、と思ってます。

「ラブ」でなく「ラヴ」を使うのってしゃらくさくなる危険性がありますが、それをシンプルさで一蹴している。

カタカナ表記もいいですけれど、「Muv-Luv」という英語表記も超かっこよくて好きです。字面の完成度と語感の良さと意味の王道さ、どの観点でも完璧。

そして、続編にして本番の『マブラヴ オルタネイティヴ』もやはりすばらしい。"純愛" を意味する「マブラヴ」を「オルタネイティヴ」で捻じ曲げるかんじ。一気に文字数が多くなることで物語のスケールの広がりを想像させるとともに、前作とは雰囲気が一変するのではないか?という示唆まで含んでいるように思うのはさすがに知っているからでしょうか。

積んでるので早くやりたいですね~


第6位『すくみず食べ放題』

(Waffle/2012)

何度見ても、見た瞬間に「うれしっ!!!」「やったぁ!!」「いいんですか!?!?」とアドレナリンがドパドパ出てしまう名タイトル。

スク水系タイトルなら『スク水まっしぐら☆』もいいですが、『すくみず食べ放題』はやっぱり「すくみず」を平仮名にしたセンスが光っています。



第5位『家族計画』

(D.O./2001)

一般名詞でありながら、エロゲのタイトルであるという文脈に乗ったときにいっとう趣深さが増す名タイトル。実際に子作りの話を扱うのかは未プレイなのでわかりません。「疑似家族」的な話らしいのでたぶん違う。

一般名詞としての「家族計画」からちょっと掘り下げて考えてみます。
通常の用法の時点で「家族計画」という言葉は夫婦間の生殖というセクシュアルかつシリアスでセンシティブな意味合いを帯びています。自分に身近な単語ではないので実態はわかりませんが、おそらく夫婦間で使われる単語というよりも、夫婦以外の第三者/他者(両親とか友人とか同僚とか)との会話のなかで使用機会のある単語だと想像します。「夫と家族計画で食い違ってて~」みたいな。自分の夫や妻に対して「家族計画どうする?」と言う人は少ないんじゃないか。ふつう「子供どうする?」とかでしょう。つまり、夫婦間の生殖行為という極めてプライベートな問題を比較的パブリックな場において持ち出すときのオブラートであり、その公-私のあいだのギャップをうまく包み込むために必要とされて生まれた言葉なのではないでしょうか。しらんけど。

そもそも家族計画のいち段階として存在する生殖(子作り)のための性行為は、エロゲ的な快楽のための戯れではなく、新たな命の生産という神秘的かつ重大な営みです。「家族計画」とは、そんな人間の本能的な享楽を理性によって抑えつけて隠蔽して制御せんとする夫婦間の協議に付けられた名前であり、それが、本能的な享楽に特化したエロゲという場に置かれたときの、デペイズマン的(?)な化学反応のミラージュは半端なものではありません。

エロゲをいくらやってもじぶんの子供はできない(からこそ安心して「射精」したり「恋愛」したりできる媒体である)というところまで含めて、本当に味わい深い名タイトルだと思います。



第4位『らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~』

(TerraLunar/2004)

ひらなが開きのセンス! 副題のセンス! 句点(。)の位置のセンス!

センスが要求される採点項目を多く配置した難しい構成ながら、その全てに高得点を叩きだしている傑作タイトルでしょう。

「楽園(らくえん)」はまぁわかるとして、「あいかわらず」という副詞をエロゲの題名にもってくる発想がすごい。エロゲー批評空間で調べたらこれ以外にはヒットしませんでした。

「僕(ぼく)」をタイトルに入れるのは凡庸だけれど、すぐ後ろに句点を配置したうえで「ぼく。の場合」と文を続けてしまうのも異常なセンス。この手法はミスると一気にクサくなってしまいますが、あくまで副題であることと、「らくえん」「あいかわらず」という前言との響き合いで見事に綱を渡り切っていると思います。

総合部門1位といってよいのではないでしょうか。



第3位『夏菓子 ~なつかし~』

(mini/2005)

わたしは "夏の田舎" 系エロゲが大好きなので、そういう作品はいろいろと調べて知っています(名前だけ)。

そんな「夏」を含むエロゲタイトルの ""正解"" を出してしまったと断言できるのがこちら。何度見てもため息がこぼれます。

そもそもエロゲって基本的にノスタルジーの対象である、という認識を持っているのですが、そんな「懐かしさ」と「夏」をサラッと掛けたうえで「菓子」を乗せ、『夏菓子』だけだと「なつがし」みたく濁って読まれてしまう可能性もあるので丁寧に「~なつかし~」というルビを添えることで結果的に完成度に拍車をかけていると思います。

パッケージビジュアルやロゴも含めてめっちゃ好きなので、ぜひ検索してみてほしいです。


今年の夏はなにやろっかな~~



第2位『おまえのなつやすみ』

(FlyingShine黒/2004)

図らずも「なつ」系が連続してしまいましたが、こちらは「夏系エロゲ」のくくりに収まらないハイセンスさだと思っています。

「おまえの」という天才の二人称。
「エロゲの名タイトルを教えてください」という大喜利で「おまえのなつやすみ」と書かれたフリップで回答されたときを想像してほしいです。
センスで辿り着ける最高例だと思います。

それにしても、わたしは全部ひらがな系のタイトルに弱いことが判明しましたね……。

『おまなつ』と略されるようですが、この続編『おまな2 おまえんち萌えてるぞ』も前作の栄光をまったく汚さないすばらしいタイトルです。




さて、それではいよいよ第1位の発表です。

星の数ほどもあるエロゲのなかでも、わたしがもっとも良いと思うタイトルは・・・・・・・・・・・・・




第1位『~パンツを見せること、それが……~大宇宙の誇り』

(WHEEL/2009)

レジェンド

エロゲ界の無形文化遺産。


これはもうハイセンスとかそういう次元ではない

何回読んでもまったく意味がわからないし、どうやったら人類がこんな文字列を生み出せるのか理解できません

~パンツを見せること、それが……~大宇宙の誇り

「……」と「~」がスペース抜きで並んでいる字面に、パッと見で脳がバグる。そのあと、メインタイトルとサブタイトルの二部構成になっているのだと遅れて気付く。──そう、どういう文構造になっているのかさえ容易に分からないのです。

見るだけで元気の出る最高のタイトルロゴ
"Showing panty. It is a glory of the macrocosm" という深淵には触れないでおきます

タイトルロゴを見る限り、「大宇宙の誇り」がメイン部分で、「パンツを見せること、それが……」は「大宇宙の誇り」を導くいわば枕詞というわけですね。雅(みやび)だ……

『パンツを見せること、それが…… 大宇宙の誇り』だったら、まぁアホらしい良タイトルではありますが、ここまでの破壊力はなかったでしょう。
そうせずに、活字では枕詞ぶぶんを「~」で囲もう(そしてメイン部分とスペース1個も空けずにくっつけよう)という謎の方針が採られた結果、

~パンツを見せること、それが……~大宇宙の誇り

という、なんともムズムズする、座りの悪いがゆえに強烈なインパクトをもつ無形文化遺産になってしまった……というわけなんでしょうか?

公式サイトを覗いてみたんですが、ちょっと眺めるだけで脳がバグりそうになります。っていうか

『~パンツを見せること、
     それが……
      ~大宇宙の誇り』
     修正パッチver  1. 02

ってぜったい改行するとこおかしいだろ!! スペース空けも変だし・・・
これが "大宇宙の誇り" ということか…………




以上、「タイトルがいいエロゲ」BEST20 でした!

わたしのセンスで選んだラインナップはこんな感じですが、あなたはどうでしょうか??

わたしはまだプレイ本数が少ないので「やったことのない作品に限る」というレギュレーションが有効でしたが、歴戦のエロゲーマーの方々がこれに則ると、かなり選択肢が限られてしまうのが難点ですね。既プレイ作品を含んでもいいので、ぜひあなたのセンスを見せてください!!!

それではまた。



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