〈ロンドンと食〉英国ロイヤル・オペラ・ハウスとバレエ『くるみ割り人形』
〈ロンドンと食〉では、訪れた場所についての内容とあわせて、ふだんグルテンフリーかつマクロビオティック(プラントベース)という、自分のカラダに一番合うと感じている食生活を中心に過ごす私の目線で、外出先での食事情についても触れているおでかけシリーズです。
ひそかな憧れの場所ロイヤル・オペラ・ハウスへ
ロンドンのコヴェント・ガーデンにある Royal Opera House(ロイヤル・オペラ・ハウス)は、わたしにとってロンドンで訪れておきたい場所のひとつ。
舞台鑑賞好きな母の影響で子ども時代はバレエやミュージカルを観る機会が多く、いまでも劇場を訪れることが好きなので「いつか劇場文化が盛んなロンドンでロイヤル・バレエを観る」というのが、長年のひそかな憧れでした。
うれしいことに念願が叶い、冬の風物詩『くるみ割り人形』のチケットを入手!ロイヤル・オペラ・ハウスの建物とともにバレエ鑑賞を堪能してきました。
ロイヤル・オペラ・ハウスの魅力
バレエ鑑賞の前に、まずは劇場の建物自体を楽しみたい。じつはチケットを持っていない人でも上演がない日でも、気軽に訪れられるのがロイヤル・オペラ・ハウスのお気に入りポイント。
たくさんの劇場が建ち並ぶロンドンの劇場街、これまで訪れた劇場では建物の入り口でチケットを提示し入場となるので、内部を探検できるのは鑑賞当日の公演前または幕間のみ、というのが一般的ではないでしょうか。
ロイヤル・オペラ・ハウスの場合は、一部のスペースが一般開放されており、ショップ・飲食店などを利用できるのです。入り口で手荷物チェックを受け中へ。
地上階は明るく開放感あるカフェスペース。
既製品ではなくキッチンで作った軽食やスイーツもいただけます。グルテンフリーやプラントベースのオプションもあったので、いつか試してみたい。
上演中の幕間を、ドリンクやスナックと共にここで過ごすこともできます。
上の階にはバーもあります。開演2時間前より利用可能で、幕間を過ごすのも◎
バーから眺める Paul Hamlyn Hall(ポール・ハムリン・ホール)がとても素敵。
ここは「フローラル・ホール」として知られており、昔は隣接するコヴェント・ガーデンの花市場だったのだそう。
※ポール・ハムリン・ホールはチケットを持っている人専用のレストラン(要予約)
地上階も含めインテリアの一部に、過去の上演で使用した衣装・アクセサリーなどが展示してあることにも心躍ります。
特別な公演で使用したティアラの展示コーナー。細部までじっくり観察できちゃいます✴︎
PIAZZA RESTAURANTの入り口にはデザインを施したトゥシューズの展示。
これらは履けなくなったシューズをリサイクルした例のよう。プロの運動量はもの凄いので、ダンサーそれぞれの足に合わせたシューズを使用しても1日もたないことも珍しくないのだとか。ロイヤル・バレエ団の場合は、年間6,000〜7,000足を履き替えているそうです。
ガラスで仕切られたエリアへ入ると、PIAZZA TERRACEとPIAZZA TERRACE BARがあります。ここのバーはコヴェント・ガーデンを一望できるのが魅力。公演前は混むので、ゆっくり過ごしたい時には公演スケジュールをチェックしてから訪れるのが◎
一番奥のスペースまで進むと、公演用の衣装ルームが隣接されていて、タイミングが良ければガラス越しに裁縫している様子など製作風景を見られます。※撮影NGのため画像はありません
地上階のギフトショップをチェックするのも楽しい時間。この時はホリデーシーズンだったので、オーナメントなどの季節モノが充実していました。
人気のヴィーガンレストラン「Mildreds」で公演前のお腹を満たす
さてさて、公演前にはお腹を満たしておきたい。この日はロンドンで人気のヴィーガン専門レストランMildredsへ向かいました。
ロンドン劇場街の中心地コヴェント・ガーデンのエリアには、観客が開演前に立ち寄ることのできる飲食店がたくさん。開演前の食事時間には限りがあるので、あらかじめ目星をつけ予約しておくのが確実です。
Mildredsへ入店したのは17時前でしたが既にほぼ満席(平日です…笑)空いている席も予約で埋まっているようでした。ひとり観劇だったので、予約なしで行ってみると「45分ならいいよ!」との条件付き。全然ゆっくり食べられそうにない……やはり予約はしておくべきでした。笑
ここのメニューは全てヴィーガン。さらにグルテンフリーのオプションもあるので、メニュー表にあるQRコードからオンラインメニューを開き、料理ごとの詳細を確認してから注文できます。ただ、わかりやすい表記ではないので、店員さんに尋ね相談するのが確実かと♪
お米に惹かれて bokkeumbap というキムチチャーハンを選択。様々な種類の野菜が具材としてたっぷり使われていて、豆腐はしっかりと下ごしらえしてから調理しタンパク質として添えられる。手間をかけ丁寧に作られた満足感あるヴィーガン料理をいただけるのが、このレストランの魅力です。
多国籍な料理のエッセンスを取り入れたメニュー内容も興味深くて、別のお料理も試してみたくなる。好奇心から注文したパイナップル・りんご・しょうが・ターメリックのジュースは想像を超えておいしかった!
サスティナビリティを意識し「root to tip」を掲げ、食材を可能な限り丸ごと無駄なく食事・飲み物づくりへ活用。また、できるだけオーガニッや旬の地元食材を使用することを意識するなど、Mildredsには共感できるポイントが多々。また訪れたくなるお店のひとつです。
店舗情報
Mildreds Covent Garden
コヴェント・ガーデン店公式サイト:https://www.mildreds.com/covent-garden/
所在地:79 St Martin's Ln, London WC2N 4AA
※コヴェント・ガーデン店の他、店舗はロンドンに複数あります
ロイヤル・バレエ団『くるみ割り人形』
いよいよ開演時間が迫ってきました。わくわくしながら再びエントランスをくぐり、クロークにコートを預けてから劇場へ!
席を探して進むと、趣ある4階建ての円形観客席が目の前に現れる。「うわぁ〜本物だ!!」と心の中で大はしゃぎ。ひとりで来たことを若干後悔した瞬間でした。この高揚感は誰かとシェアしたかった〜。
くるみ割り人形は大人気の演目のひとつ。特にクリスマス前の日程は早め早めに動くが吉です。
ところが、チケット発売日を前もって確認していたにも関わらず、バタバタしていたらチケット争奪戦に乗り遅れたマヌケなわたし…。アレコレ駆使しなんとか入手できたのは、立ち見席1枚でした!
ということで、初・立ち見席を体験。腕を置いたり寄りかかることはできますが、計100分の公演中ずっと立っているので足は疲れました。幕間30分はしっかり座って休憩が必要。それでも、ほぼ選択肢がない中確保できたこの1席はとても貴重で、この空間に居られることがとにかく幸せでした。
この日のキャストには金子扶生さんのお名前がなく残念だったのですが、クララ役に前田紗江さん、五十嵐大地さん、桂千理さん、佐々木須弥奈さん4人の日本人ダンサーが、この歴史と伝統ある舞台で輝く姿を観ることができとても光栄でした。
少女クララがクリスマスに贈られたくるみ割り人形と共に夢の世界を旅する物語。美しい舞台・衣装・音楽、そしてダンサーの皆さんによる重力を感じさせない動きのひとつひとつによって、本当に夢の世界へ誘われているかのようです。ずーっと、うっとり。
公演が終了した後もしばらくは、あの美しい世界の余韻がつづき夢心地。ふわふわと幸せな気持ちで帰宅しました。また機会があれば、ロイヤル・オペラ・ハウスで、ロイヤル・バレエ鑑賞をしたい!そう強く感じています。
劇場情報
ロイヤル・オペラ・ハウス
公式サイト:https://www.roh.org.uk/
所在地:Bow St, London WC2E 9DD
それでは、また!
※この記事は2023年12月14日訪れた当時の情報です。
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