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「やまなし」with AI はじめの一歩
だいぶご無沙汰しております。このnote含め、様々なSNSでの発信が停滞しておりました。別に心身の不調や様々な事情があったわけではございません。
単純に、僕自身が「インプットモード」に入っていたからなのです。
僕の「インプットモード」というのは、ジャンルにこだわらず興味のあることを吸収することに専念する時期なのです。
今回の「インプットモード」では、沢山の教育書を読みました。それ以上に沢
関数男物語〜さまよえるやばいフォルダ05〜
島倉の協力を得て、フォルダ作成は順調に進んだ。自治体の共通ルールに準じる形でフォルダ構成を作成する。次年度のことを視野に入れ、元となるフォルダを作成した上で、今年度の分のフォルダを仕上げたのだ。
島倉の話によると、この文書分類番号が大幅に変更されることは稀らしい。仮に変更されたとしても、3桁の数字で対応できる範囲なので元フォルダを少しいじれば良いだろう。
しかし、フォルダ作成を進めていく際、数
関数男物語〜さまよえるやばいフォルダ04〜
フォルダ構成に悩みを抱える者同士、話が早かった。数男からの相談を受けた島倉は、早速、「文書分類番号一覧表」を提示した。
「まずは、年度ごとのフォルダを作成し、その中に、この分類番号に準じる形でフォルダを作成しましょう。」
島倉の提示した案は、数男が何となく想定していたものとピッタリと一致していた。実は、職員室の壁面には多数のリングファイルが保管されている。それらには、3桁の分類番号が振られ
関数男物語〜さまよえるやばいフォルダ02〜
小学校の夏休みといえば、世間では「教員も休みなんだろう。」と思われているかもしれないが、実際は違う。子どもの登校しない間に会議を行ったり、作業や研修を行ったりする。それでも、敏腕教務主任高木の采配で、表計算小は、8月いっぱいは会議や研修などの予定はない。担当している分掌によっては、市や県からの指定の研修などがある場合もあったが、それ以外は、各々が自由に休暇を取れる環境が整えられていた。
数男
関数男物語〜つながる希望02〜
一心不乱にキーボードを叩く。その度に、数男の脳内にあったイメージが具体化していく。先週末の慰労会を終え、職員にも本格的な夏休みが訪れた月曜日。出勤している職員もまばらになってきた。数男も長期の有給を取る予定だった。
にもかかわらず、数男は出勤し、黙々とパソコン作業を行なっていた。慰労会の際、高木に聞いたデジタル伝言板の作業はまだ始まっていない。しかし、数男は、デジタル伝言板が導入されるタイミン
関 数男物語〜つながる希望01〜
「1学期、本当に助かったよ。」
高木も数男の労を労う。渡辺の事故により、高木は急遽担任代行となった。教務主任として学校全体に関わる業務を遂行しつつ、担任の業務も行えたのは、高木の経験によるところが大きいのだろう。その苦労は微塵も感じさせずに、1学期を乗り切った。
もちろん、数男の預かり知らぬところで高木は苦労をしているのだろう。実際、教頭と高木から相談を受けた「職員伝言板ツール」については、
関数男物語〜インターミッション06〜
キンキンに冷えたビールのジョッキがテーブルに並び始める。午後7時を過ぎてもなお、外はむせかえるような暑さに包まれている。人数分のジョッキが置かれたところで、それぞれが手を伸ばす。我慢の限界だった。
「乾杯!」
氷点下以下まで冷やされたビールが一気に流れ込み、暑さとともに一学期の疲労を押し流していく。今夜は、表計算小の一学期の慰労会だった。終業式の夜に行われることの多い慰労会だが、月曜日が
関数男物語〜灼熱のヒト04〜
怒涛の学期末を乗り越え、ようやくホッとひと息をつける夏休みを迎えた。夏休みといっても、教職員は休みになるわけではない。この期間にも研修や会議、職員作業などの予定がある。
幸いにも表計算小の教務主任である高木は、「夏休みは休むべきだ!」と提唱し、夏休み最初の一週間に会議などをできるだけ詰め込み、8月上旬からは年次休暇や夏季休暇を取得しやすい環境を整えてくれていた。
しかし、心置きなく夏休みを
関数男物語〜灼熱のヒト03〜
数男は職員室を飛び出すと、PCルームへと向かった。その手には、USBフラッシュメモリが握られていた。この中には、各学年の主任から預かった印刷物のデータが入っている。もちろん、通知表など個人情報が含まれるデータ以外である。このUSBメモリをPCルームのPCで使う許可も得ていた。
そう。湿気と熱気で稼働しなくなった職員室のプリンターや印刷機以外に、PCルームにもプリンターがあることを思い出したの
関数男物語〜灼熱のヒト02〜
ようやくのことで最後の一人分の所見シールを貼り終えた数男は、冷蔵庫から冷たい麦茶をコップに注いで一息ついた。しかし、周りを見渡せば未だに通知表作成に四苦八苦している職員が多い。中には、今ごろになってもテストの採点をしている者までいる。
「これは、まずい…。」
学期末という大義名分を得て、堂々と時間外労働を「仕方ない」とする表計算小の職員室の雰囲気に数男は危機感を覚えた。普段、比較的早く帰宅