May series｜WORLD

2020年6月25日 01:10

FRIENDSⅡ －どうしても君を失いたくない－

♠

平日の道が空いていたのと、捕まらない程度に飛ばしたこともあり、目標時刻の30分前に駐車場へ滑り込んだ。
ターミナルに入り、到着ロビーで目的の便が「定刻通り」となっているのを確認する。
ふと、5年ぶりに会うのに、認識してもらえるかなという不安がよぎった。
そんなに容姿は変わっていないと思うけど、なにか目印になるものがあったほうがいいだろうか。

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2020年6月24日 01:16

♥

飛行機からタラップを降り、バスに乗り込んでからが長かった。
20分くらい走ったところで、やっとターミナルに着いた。

5日前に急遽決まったドイツ出張。
できればシャルル・ド・ゴール空港経由にしたかった（そしてエルメスに寄りたかった）のだが、
あいにくエアフラには空きがなく、じゃあルフトハンザと思えば高すぎて、
中華系エアラインを避けた結果、エミレーツという選択肢しか残らなかった。

日本を0

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2020年6月10日 01:13

spin-off from May series: I embrace the world －赤い糸－

「いまやっと京都。疲れた」という妻からのメール。
「疲れた」の後に、げっそりした顔の絵文字が添えられていた。めずらしい。
あと1時間もあれば、こっちに着くだろう。
「お疲れさま。迎えにいきます」と返す。あ、絵文字でもつけてやればよかった。
新幹線の中でお弁当は食べたようだが、長時間カンヅメを食らって、お腹を空かしているかもしれない。
帰ってきたら手早くパスタでも作ってあげよう。
冷凍しているトマト

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2020年6月9日 00:37

I May miss the world －Living Dying Message－

昨日の暴風雨が嘘のように、きれいに晴れ渡った空の下を出発した。
昨晩は新幹線もダイヤが乱れ、長時間カンヅメになった乗客もいたそうだ。
今朝になったらもう正常運行に戻っていて、時間通りにやってきた列車に乗り込む。
最寄りの駅は、ひかりしか停まらない。
途中でのぞみに乗り換えれば早いが、急ぐ旅でもない。
700系車両の一番前の席を指定して電源を確保したら、リクライニングシートを倒して足を伸ばす。

む

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2020年6月7日 22:38

I May miss the earth －夢の中で逢いましょう－

みどりの窓口で新しい切符を受け取る。
せっかく貯めたポイントでグリーン車に乗ろうと思っていたのに、
振り替えた切符を見ると、車両の中程の、しかも通路側だった。
電源が取れない。ラップトップで先日のパリ出張の報告書を仕上げてしまいたかったのに。
思わず舌打ちして振り返ったが、もう1度列に並ぶ気は起きなかった。
暴風雨のせいでダイヤが大幅に乱れ、窓口には乗客が殺到している。
ツイてない、いきなり入った

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2020年6月7日 01:21

I May have LOST the earth －5月の青い空－

急に君が夢に出てきて焦った。

夢なんか滅多にみないのに。いや、みても覚えていないだけなのかもしれないけれど。
いっしょにいた5ヶ月の間に出てきたことはなかったのに、なぜ、今？

ケータイを見ると、6時前だった。せっかくの日曜日なのに。
もう眠りは訪れそうにない。時差ボケなのか、ここ数日、変な時間に目が覚める。
カーテンの隙間から明かりが届く。日に日に、きっちりと夜明けが早くなっている。
思い切っ

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2020年6月6日 01:09

I May have LOST the world －5月の青い空－

急に君が夢に出てきて焦った。

涙の流れなかった別れから、もうすぐ2年半。
あの日に出てこなかった涙は、しかし、次の夜明けに一気に吹き出した。
出会ったときの真夏のワンピースを着て、「ばいばい」と手を振るあのひとの夢をみて、
真冬の朝にだらだらと泣きながら目を覚ましたのだった。

あれから年月を経て、僕は変化のないまま、また、それを求めることもないまま、
彼女が見たらきっと呆れるだろうな、というく

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2020年5月31日 23:42

光の雨が降ったあと

しばらく、睡眠と覚醒の境目を漂っていた。
一度目を開けて時間をみよう、という意識が働く程度の浅い眠り。
そこから覚めて、もそり、と腕だけを伸ばしてケータイを引き寄せる。
16時過ぎ。世間は利潤追求のためにせっせと働いている時間。
そんな世界から離脱したわたしは、ケータイを閉じて、広いベッドで寝返りをうつ。

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