嘘の素肌「第22話」
和弥の通夜は、葬儀屋の手厚いサポートもあり予想より早く行うことができた。検視を終えた遺体は依頼先の葬儀会社に回されエンバーミングの処置を受けた。息子の自死ということで母親や瑠菜はさすがに取り乱していたが、父親の冷静な応対によって近親者のみでなら葬儀も可能であると判断が降りた。自殺という懸念点を含め、数を絞った参列者の中で僕は受付を担当させて貰うことになった。葬儀場へ親族に次いで逸早く入場し、筆記用具や芳名帳、香典受け等を葬儀屋と準備し、手順を簡単に確認した。「お忙しい中お越