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嘘の素肌「第23.5話」


現代アート、その次世代を担う若手アーティスト4選——3.桧山茉莉(31)


 桧山茉莉/mari hiyamaは199×年神奈川県生まれの画家で、道星大学経営学部卒業後は株式会社マウズへ就職しSEOライティングやメディアディレクション業に従事、四年前に画家へと転身。現在は東京を拠点に活動しています。

 油彩画を主戦場とする彼の作品は、メメント・モリをアラ・プリマ技法で描くことに大きな特徴があります。メメント・モリを意識の中心に据え象られたテーマを、あえて即興性の高いアラ・プリマで描くことで、我々に必ずいつかは訪れるであろう死を表象し、それらに付随する焦燥感を煽るようなスタイルを貫いています。彼の作品は発表直後からアートへの造詣の有無を問わず、幅広い人々から支持を得ています。また、彼の作品には赤を主調色にしたものが多くあり、見る者に強烈な印象を与えます。セックスと愛着障害、死生観と希死念慮。センセーショナルなモチーフを巧みに扱いながら、両極な価値観の狭間で生まれる両義性を描く様は、まさしく彼の四半世紀を語る「赤の時代」とも言えます。

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 彼の代表作としては、『ディスコミュニケーション』シリーズ(20××年~)があり、これらシリーズでは人物モチーフの一パーツを描き崩すことによって、他者理解への限界と、自己嫌悪の究極系などが表現されています。四月には青山のマルコスギャラリーブティックにて、写真家・松平颯馬とのコラボ展示会『アン・オン・アンフォール』が開催されます。画家としての歴は浅く、ほとんどが独学でありながら、己の感情を時に冷静に、暴力的に反映させる作品たちは、多くの人々から共感を呼んでいます。

 Instagram:https://www.Instagram.com/hiyamarima0221/

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