紀 成道(写真家)

ドキュメンタリーを撮っています。2冊目の写真集「MOTHER」(赤々舎刊)を発売。前作…

紀 成道(写真家)

ドキュメンタリーを撮っています。2冊目の写真集「MOTHER」(赤々舎刊)を発売。前作「Touch the forest, touched by the forest.」(同社刊)同様、一冊一冊手作りの部分があります。詳細はnoteにて。https://kinoseido.jp/

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自己紹介「だから写真はやめられない」

あらためまして、写真家の紀成道(きの・せいどう)と申します。私のホームページにも記載していますが、自己紹介をここにまとめました。このnoteでは「だから写真はやめられない」と題して、これまで写真を続けてよかったと思えた出来事をご紹介していきます。よろしくお願い致します! ■プロフィール1978年、愛知県名古屋市生まれ。京都大学工学部(鉄冶金専攻)卒。 在学中に1年間休学し、カメラを担いで海外を放浪。帰国後、大学での研究生活に戻ったものの、京都の里山で農業を楽しむ人々にレンズ

    • パリで惨敗してわかったこと。「写真は言葉」

      ■嫌な思い出前回ふれた僕のトーク恐怖症からの流れですが、この時季になると悔しい思い出が脳裏をよぎります。 2年前の今ごろ、運よく写真集の国際コンペにノミネートされたのがきっかけで、一冊目の写真集「Touch the forest, touched by the forest.」を引っ提げて、ルーシー財団のイベントが開かれたアメリカ、パリフォト開催のフランス、そしてドイツを回りました。 「きっとどこかのギャラリーか書店が気に入ってくれる」。何かしらの手土産を得て帰国すると思

      • 再会した恩師とトークイベント「鉄、高度成長、幸福論」/MOTHERの作り方⑩

        発売中の拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)。製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、本作りと展示に関わっていただいた方々のご紹介とメイキングストーリーを連載しています。同タイトルの写真展は10月30日までに東京と大阪を巡回し、無事に終えることができました。お越しいただいた皆さま、本当にありがとうございました。「トーク」をテーマに写真展「MOTHER」を振り返りたいと思います。 ▼これ

        • 写真展示と必然性ある素材選びの難しさ/MOTHERの作り方⑨

          発売中の拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)と同タイトルの写真展は、製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、この本作りに携わった方々のご紹介とメイキングストーリーを連載しています。前回は展示の構成についてお伝えしましたが、その続きです。個別の制作物を作るにあたって僕が展示で毎度考えあぐねる「素材」についてお伝えします。 ▼これまでの記事一覧 第1回:構成(赤々舎・姫野希美さん) 第2回

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          プロフェッショナルとは。写真展の構成はコミュニケから/MOTHERの作り方⑧

          発売中の拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)と同タイトルの写真展は、製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、この制作に関わっていただいた方々のご紹介とメイキングストーリーを連載しています。今回は展示について。展示構成によって作家の世界観をいかに表現するかと、それを引き出してくれる方あっての作品でもあることをお伝えします。 ▼これまでの記事一覧 第1回:構成(赤々舎・姫野希美さん)

          プロフェッショナルとは。写真展の構成はコミュニケから/MOTHERの作り方⑧

          苦手だった家族写真を撮って、初めて気づいたこと/MOTHERの作り方⑦

          発売中の拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)。製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、この本作りに携わった方々のご紹介とメイキングストーリーを連載しています。前2回に引き続き被写体について、父親を撮影した話をお届けします。 ▼これまでの記事一覧 第1回:構成(赤々舎・姫野希美さん) 第2回:装丁(ユータデザインスタジオ・中島雄太さん) 第3回:製本(渋谷文泉閣さん) 第4回:印刷(ライ

          苦手だった家族写真を撮って、初めて気づいたこと/MOTHERの作り方⑦

          古写真を通して、歴史を知る旅へ出ること/MOTHERの作り方⑥

          発売中の拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)。製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、この本作りに携わった方々のご紹介とメイキングストーリーを連載しています。高度成長期に撮られた町の古写真をどうやって見つけ出したかお伝えします。 ▼これまでの記事一覧 第1回:構成(赤々舎・姫野希美さん) 第2回:装丁(ユータデザインスタジオ・中島雄太さん) 第3回:製本(渋谷文泉閣さん) 第4回:印刷

          古写真を通して、歴史を知る旅へ出ること/MOTHERの作り方⑥

          写真撮影で職人の世界を理解しようとしてわかったこと/MOTHERの作り方⑤

          発売中の拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)。製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、この本作りに携わった方々のご紹介とメイキングストーリーを連載しています。今回は撮影させていただいた鉄鋼メーカー「JFEスチールさんの西日本製鉄所福山地区」です。 ▼これまでの記事一覧 第1回:構成(赤々舎・姫野希美さん) 第2回:装丁(ユータデザインスタジオ・中島雄太さん) 第3回:製本(渋谷文泉閣さ

          写真撮影で職人の世界を理解しようとしてわかったこと/MOTHERの作り方⑤

          MOTHERの作り方④「だから写真はやめられない」

          発売中の拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)。製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、この本作りに携わった方々のご紹介とメイキングストーリーを連載しています。第4回は本作りに欠かせない印刷です。担当していただいたライブアートブックスさんについてお伝えします。 ▼これまでの記事一覧 第1回:構成(赤々舎・姫野希美さん) 第2回:装丁(ユータデザインスタジオ・中島雄太さん) 第3回:製本(

          MOTHERの作り方④「だから写真はやめられない」

          MOTHERの作り方③「だから写真はやめられない」

          発売中の拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)。製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、この本作りに携わった方々のご紹介とメイキングストーリーを連載しています。第3回は特徴のひとつである写真の貼りこみについて。製本していただいたのは長野にある渋谷文泉閣さんです。 ▼これまでの記事一覧 第1回:構成(赤々舎・姫野希美さん) 第2回:装丁(ユータデザインスタジオ・中島雄太さん) 製本の工程

          MOTHERの作り方③「だから写真はやめられない」

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          先日発売となった拙作写真集「MOTHER」(赤々舎刊)。製造業の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメントです。このnoteでは「MOTHERの作り方」と題して、この本作りに関わっていただいた方々を順にご紹介すると同時に、メイキングストーリーを連載しています。第2回は装丁について。デザインしていただいたのはユータデザインスタジオの中島雄太さんです。 ▼これまでの記事一覧 第1回:構成(赤々舎・姫野希美さん) 写真集「Touch the fores

          MOTHERの作り方②「だから写真はやめられない」

          MOTHERの作り方①「だから写真はやめられない」

          拙作写真集「MOTHER」が赤々舎さんより、ついに一般発売です! 製造業(製鉄所と町工場)の技能継承から高度経済成長期と現代のギャップをみつめるドキュメント。8月9日にキヤノンギャラリー銀座での写真展を終え、10月24日〜30日にはキヤノンギャラリー大阪に巡回します。 展示も出版も、ご想像の通り多くの方々の力添えによって形になるものです。それをわかっていながらも私は、写真はひとりで完結するのがベストな表現手段と考えていました。写真集を作るようになってその思いが変わってきた

          MOTHERの作り方①「だから写真はやめられない」

          働くって何なんだ?!「だから写真はやめられない」

          ■働くって何なんだ?!友人である写真家・青山裕企さんの写真集、スーツ姿のサラリーマンたちが宙に浮いている姿を捉えた「ソラリーマン」の副題を引用しました。 働く人のコミカルにも見えるジャンプ写真に加え、それぞれの「働く」についての考えが記されている文集でもあります。 さて今回、私にとって「働く」とは何かではなく、この仕事に就く前に「働く」をどう思っていたかを、恥ずかしながら振り返りたいと思います。 写真を生業にした経緯は前回のnoteに詳しくありますが、学生時代には別の仕事

          働くって何なんだ?!「だから写真はやめられない」

          予想外の出合い「だから写真はやめられない」

          前回は、写真展が出会いの場であるとお伝えしましたが、引き続き「出合い」の話を続けたいと思います。 写真集「Touch the forest, touched by the forest.」より ■大学で学んだことが、仕事で役に立たない前作の「Touch the forest, touched by the forest.」では、北海道にある精神科病院で行われていた森林療法を取材しました。 自然の中に身を投じるだけで気持ちが晴れやかになる経験は、誰しもあると思います。

          予想外の出合い「だから写真はやめられない」

          写真展は出会い「だから写真はやめられない」

          はじめまして、写真家の紀成道(きの・せいどう)といいます。 「だから写真はやめられない」と題して、写真にまつわる身の回りのことを書き綴っていきたいと思います。 写真集「Touch the forest, touched by the forest.」より ■写真に関わったことで見えた○○日本に横たわる社会問題から前を見つめるドキュメンタリーを主に撮っています。 前作「Touch the forest, touched by the forest.」では、自然の場を活用し

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