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入院中不眠で悩んだ私が実践する、誰でも試せる不眠緩和法

こんにちは、きんきんです。

この記事は、3ヶ月に渡る長期入院中、眠りに悩んでいる私が少しでも良質な睡眠を求めあらゆる不眠緩和法を試した後、大分マシになった(睡眠4-5時間 → 8時間)という経験を元に書いたものです。記事には入院患者ゆえの特殊な事情にも触れていますが、病気が終わっても使える考え方・方法が殆どですので、記事タイトルの「誰でも試せる」の通り、病気と関係ない方にも参考頂けるはずです。一方で記事内に挙げる個々の方法は決して全てが万人に合うわけではありませんので、ご自身に合いそうなものを適宜選んで頂き、少しでもお役に立てて頂けると嬉しいです。

極力コンパクトな記事にしようとしつつ、沢山の方法を載せ、各々の基本的な考え方を丁寧に書くとかなりのボリュームになってしまいました。そのためお時間無い方は下の目次からご興味のあるトピックだけを読まれることをお勧めいたします。
(不眠緩和法の中で、上の方の番号小さめのものが「本質的な解決法だが実践が難しい」、下の方の番号大きめのものが「具体的な解決法ですぐ実践できるが効果は限定的」となっています)

■この記事を書いた背景

私は現在、指定難病とされている自己免疫疾患の病気で入院中です。もともと鈍感力を持った性格ではあるのですが、睡眠については子供の時から敏感というやっかいな身体でした。それが入院中のステロイド治療の副作用(身体の活発レベルが上がり不眠気味になる)で拍車をかけ、なかなか寝付けない、寝付いても2時間で目が覚める、早朝に目覚めその後寝られない、などの状況で、4-5時間睡眠が限界という状況になりました。

入院中は仕事があるわけでもなく、短時間睡眠でも正直支障は感じてません。ただ薬剤治療以外にも栄養バランスの取れた食事、長く良質な睡眠で身体の治癒力を高めしっかり回復に努めたいところです。それゆえ4-5時間しか睡眠取れないことが気になってくるわけで、そこから不眠緩和法を模索する長い旅が始まりました。その結果、今では8時間程度の睡眠を確保することができるようになりました。

試した方法は沢山あり、「こんな気にしないといけないの?」「こんないろいろ面倒なことをやっているから眠れないんだよw」と言われてしまいそうですが、私個人の体質・性格としてご理解下さい。

■睡眠の質を上げる基本的な考え方

不眠緩和のための方法を具体的にご紹介する前に、それらの方法の前提となる私なりの基本的な考え方をご説明します。

睡眠の質を上げる基本的な考え方
1. 就寝までに頭が極力リラックスした状態を作る
2. 日中適度に身体を動かす
3. 睡眠の妨げになるものを極力排除する

1について補足すると、別の言い方をすれば「脳が活発に働いていない」ということです。よく言われるのは就寝前に入浴、読書、音楽、アロマでリラックスする等です。ただし実際は寝る前の行動だけでは十分でない場合があります。日中のストレスや出来事を睡眠まで引き摺ってしまうということもあるので、その辺のケアも行う観点で日中のストレス解消法も重要です。

■私が試した不眠緩和法

以下が私が試した不眠緩和法の一覧です。気になる項目クリックすると記事に直接飛べますが、いちいち別画面が開くので面倒な方は順番にお読み下さい。ちなみに即実行でき即効果が出るものとして8)のマウステープはオススメです!

1) 寝る前に脳の興奮につながる行動を避ける(1.就寝前リラックス)
2) 就寝前ルーティンで脳のスイッチOFF(1.就寝前リラックス)
3) 就寝時か夜中覚醒時に寝付けない場合の対処(1.就寝前リラックス)
4) マインドフルネス瞑想で日中ストレス軽減(1.就寝前リラックス)
5) 認知行動療法を使って根の深いストレス軽減(1.就寝前リラックス)
6) 毎日30分のウォーキング・ストレッチ(2.適度に身体を動かす)
7) 相部屋ゆえの音対策にホワイトノイズの活用(3.睡眠の妨げ排除)
8) 相部屋ゆえの明るさ対策にアイマスクの活用(3.睡眠の妨げ排除)
9) 喉の不快感防止のためのマウステープ活用(3.睡眠の妨げ排除)
10)睡眠剤の活用

それでは順番にご紹介して行きます。

1) 寝る前に脳の興奮につながる行動を避ける(1.就寝前リラックス)

よく言われるのは「就寝前1-2時間はブルーライト(スマホやタブレット)を避ける」「興奮する映像や音楽を避ける」「仕事のメールチェックは避ける」などで、それは確かです。

もちろんそれらを全部避けるにこしたことは無いですが、大事なのは「それをやることで脳が興奮するか?」を自分なりに見極め、自分なりに取捨選択すれば良いと思います。実際私は20時以降、刺激多めのTwitterを見ることを禁止していますが、一方でLINEでのやり取りは続けています。

例えばメールやLINEであっても、ストレスに繋がりかねない内容(仕事関係など)は控えて目に入らないようにした方が良いでしょうし、家族や友人などとメッセージやり取りすることでリラックスにつながる効果もあるので、そういうものはブルーライト浴びますが多少であれば柔軟にやっても良いのではと個人的に考えています。

2) 就寝前ルーティンで脳のスイッチOFF(1.就寝前リラックス)

自分なりの就寝前ルーティン(同じ順番でいつも同じことをする)を作ってそれを実践すると眠りに付きやすいように感じます。

例えば私の場合はこんな感じです。この記事で挙げている不眠緩和法が沢山含まれていますが、それだけルーティンらしさ(?)が強まり効果も上がっているような気がします。

1) シャワー浴びる
2) ベッド周りの電気を暗くする
3) ヤクルトを飲む
4) トイレに行く
5) マインドフルネス瞑想(15分)する
6) 睡眠薬を飲む
7) 口テープを貼る
8) ベッドに入る
9) スマホでホワイトノイズを再生しイヤホンを耳につける
10) (病状のある手のケア対策)保湿クリームを手に塗る
11) ベッドの灯りを消す
12) アイマスクをつけて寝る

もちろんこれは私の場合のルーティンであり、人それぞれ組合せや順序は何であっても良く、「決められた順序・同じ行為を儀式のようにやることで脳のスイッチをOFFにする」ということが重要です。

3) 就寝時か夜中覚醒時に寝付けない場合の対処(1.就寝前リラックス)

リラックスしたと思いつつ就寝しても、うまく寝付けずにベッドの中で悶々と考え事が頭を回っていることはありませんか?その状態では脳が活発化し続けより一層寝付き辛くなります。そんな時は以下を試してみると良いです。

●一度深呼吸した上で、自分の意識を頭ではなくお腹、手、足など身体の下の方に移動させて、意識した部分を感じながら暫くボーッとする

●考え事がどうしても止まらない場合、自分の不安ややりたいこと(自分事)ではなく、他者への感謝、社会の難しい課題など(自分とは関係ないこと)を考えてみる。自分のことだけを考えている自意識過剰の状態では特に脳が活発になるため、それを逸らす意味があります。

それでも30分程度寝付けない場合は諦めて深夜であっても一旦ベッドの外に出ましょう。そこで読書、音楽など自分なりにリラックスできることに20-30分ほど時間を使い脳を沈静化することで、寝付きやすくなります。一度ベッドの外に出るというのがポイントで、これにより「ベッドは寝る場であり、そこに行けばすぐに寝付ける」というイメージが頭に定着し、より眠りやすくなります

4) マインドフルネス瞑想で日中ストレス軽減(1.就寝前リラックス)

マインドフルネスというのは「過去や未来に囚われず、今ここに集中することで心の落ち着きを保つ」考え方・方法のことです。この考え方に基づいた瞑想をすることで、かなり心が落ち着きリラックスできます。寝る前の瞑想はもちろん効果絶大ですし、日中の瞑想も夜に向けて興奮を抑えるという意味で役立ちます。

瞑想というと少しハードル高いイメージありますが、NHKの動画付きのこちらの記事がわかりやすいです↓

上の動画で瞑想のやり方が紹介されていますが、初心者は自分だけでやろうとすると難しいかもしれません。瞑想をサポートするためのスマホアプリが沢山出ているので、それらを利用するのがお薦めです。

私が使っているのは上の記事でも紹介されている"Calm"というアプリで、この分野では世界で一番シェアが高いです。メニューが豊富で日本語化もされているのでストレス無く使えます。豊富なメニューを使うには有料課金が必要になるのですが、最初は無料メニューだけでマインドフルネス瞑想がどのようなものか?を体感できますので、ぜひお試し下さい。

5) 認知行動療法を使って根の深いストレス軽減(1.就寝前リラックス)

マインドフルネスで心を落ち着かせる、だけでは解決しない深い悩みをお持ちの方もいるかと思います。例えば職場、家族、友人などの人間関係の悩み、将来の不安(病気、仕事、収入)など。そのような深い悩みを抱えているどんなに小手先の方法でリラックスしようとしても限りがあり、眠れない時に気になって考え込んだり、考え込まなくても無意識のうちにストレスで頭の興奮状態を作ってしまったりします。

もちろん悩みの元になる原因は自分がコントロールしようも無いのですが、悩みの原因に対する「自分の考え方・反応の仕方」(認知)を見直すことで、ストレスや不安を減らすことは可能です。その考え方を元に、心療内科や精神科のカウンセリングで使われているのが「認知行動療法」と言われるものです。

私は入院中、病気に関する不安をはじめ、それ以外にもSNSでのやり取りでストレス感じてしまうなどあり、それを認知行動療法の考え方を使って心を落ち着かせています。

認知行動療法は考え方もわかりやすく、本で考え方を勉強しながら一人で実践することも可能なのですが、初心者が一人でやろうとすると難しいかもしれません。最初はできれば心療内科やオンラインサービスで臨床心理士さんのカウンセリングを受けながら理解と実践を深め、そこで慣れたら自分自身で実践するということをお勧めします。

認知行動療法について基本を知りたい方はこちらの本がお薦めです。Kindle Unlimited使える人は無料で読めます。

Kindle使っていない方はAmazonで検索されると入門のための本が沢山出てくるので適当に探してみて下さい。

一歩踏み込んで実際のカウンセリングに興味があるという方は、以前私が実際にカウンセリングを受けた経験について書いたこちらの記事をご参照下さい。

うつ病など具体的な病にかかっている人以外だと心療内科に行くのはハードル高いかもしれませんが、その場合は記事中にあるマイコーピングというオンラインサービスが手軽でお薦めです。

6) 毎日30分のウォーキング・ストレッチ(2.適度に身体を動かす)

仕事や家事など日常生活であれば何かしら身体を動かし夜には身体が疲れていますが、特に入院中だと意識しないと身体を動かす機会が無く、それが不眠の原因になることもあります。

もちろん病状により歩くことすらできず実践できない方もいらっしゃるかと思います。その場合はやむを得ないと思いますが、そうでない方は病棟内を散歩するなどで身体を動かすことで、適度な疲労感を得られ睡眠の質向上につながります。

私の場合は毎日夕方に以下の運動をしています。
・自分の病室があるフロアの廊下をウォーキング(30分程度)
・ベッドの上や外で簡単なストレッチ(10分程度)

時間はご自身のやりやすい時間いつでも良いとは思いますが、私の場合は必ず夕方にしています。理由として、夜に近づくほど「脳の興奮につながり繋がりあまり考えずに済むもの」(緩めのドラマを観る、読書するなど)を行うようにしているため、運動も夕方に行うにしています。

以上がリラックスや運動など「日中から寝る前まで」の話でした。これ以降が、夜寝る時の不眠対策でグッズ活用的な話です。

7) 相部屋ゆえの音対策にホワイトノイズの活用(3.睡眠の妨げ排除)

人によっても感覚が違うと思うのですが、私は寝る時の物音にすごく敏感です。特に病院だと、相部屋の同室患者のいびきや物音、ナースルームから聞こえるチャイム音など、自宅以上に音が多くそれが原因で寝付けなかったり、目が覚めてしまうことが睡眠の妨げになります。

そのため、寝る時はずっとイヤホンを付け、スマホから海の波の音をずっと流しっぱなしにしています。それにより上記のような病院内の避けられない物音はほとんどシャットアウトすることができます。

この波の音はいわゆる「ホワイトノイズ」と言われるもので、海の波以外にも風、砂嵐などがあります(育児している人であれば赤ちゃんの睡眠対策でご存知の方が多いかもしれません)

寝てる時にずっとイヤホンつけて音が流れている状態の方が不快だし睡眠の質が下がりそう、何より耳が悪くなりそう、と感じる人もいるかもしれず、そういう人にはお勧めしません。私の場合は突如不定期に聞こえてくる病院内の物音が何より目が覚める要因になり、それを防げるなら同じ音量・性質の音がずっと流れている方を選ぶ、ということになります。

ちなみに更に物音シャットアウト効果を狙いたい人は、普通のイヤホンでなく、ノイズキャンセリングイヤホンがお薦めです。効果が高いのはBoseとSONYの製品で値が張ってしまうのですが、懐に余裕のある方はぜひご検討下さい。

8) 相部屋ゆえの明るさ対策にアイマスクの活用(3.睡眠の妨げ排除)

病院でも22時には消灯ですが、やはり廊下の灯り等どうしても自宅にいる時よりは明るい環境での睡眠となります。私も睡眠時の明るさについてはさほど気にならないのですが、少しでも睡眠の質を求めてアイマスクをして寝ています。

アイマスクはいろんな製品が出回っていますが、手に入りやすく安いもので十分です。耳の紐などつけ心地にこだわる方はいろいろ探してみて下さい。

9) 喉の不快感防止のためのマウステープ活用(3.睡眠の妨げ排除)

これはあまり一般的な方法では無いですが、私個人的に睡眠の質向上にとても役立っているものです。口にテープを貼ることで自然に口呼吸から鼻呼吸になり、喉の乾燥が防げることで、風邪予防と快適な睡眠を実現できます。

マウステープは専用の商品も売られていますが、医療用のサージカルテープや絆創膏でも代用可能で、気軽に実践できます。マウステープの効能や使い方について詳しくは以下をご参照下さい。

入院当初はマウステープを使っておらず、口全開で寝る癖のある私は、病院内の乾燥した空気で朝起きると喉が痛くなっていました。加湿器使えず、ベッド周りに濡れたタオルを吊るすことで対応していましたが限界があります。そこで偶々マウステープのことを知り実践したところ、喉の痛みは即解決!驚きました。いびきや寝言も解消され、退院後家族にも迷惑かけずに済むという大きな効果もありそうです。

注意:マウステープで口を閉じっぱなしにすると息が突然出来なくなるなど危険ではないか?と感じられる方もいらっしゃると思います。ネット上の医師の説明を見る限りではテープで閉じても口からは僅かに呼吸ができ、苦しい場合は目が覚めてテープを取ることになるので危険性は少ないと言われています。但し、鼻の病気をお持ちの方など本当に危険という場合もあるかもしれず、その場合はご自身で様子を見られるか、医師に相談されることをお勧め致します。

10) 睡眠剤の活用

睡眠薬は飛び道具的な話で、人によっては上に書いたような面倒な不眠緩和法はそもそも不要になるかもしれません。私の場合は薬剤の量が多かった治療初期に主治医の勧めで弱めの睡眠剤を使い始めたのですが、それでも不眠は解決できず、その後前述の数々の方法を試行錯誤して改善に至っています。

もう少し強力な睡眠剤であれば効果ありなのかもしれませんが、副作用で朝起きた後に眠気も残りやすくなりますし、依存性も高くなります。そのため、医師からも勧められていないですし、私自身も利用したくはありません。

今は上記の自分なりの不眠緩和法を実践しつつ、それでも改善出来ない部分を弱めの睡眠剤をうまく工夫して使うことで、ベストの8時間睡眠を実現できています。あくまで補助的なツールとして睡眠剤を活用するのが良いと考えています。

なお、睡眠剤の使用は個々人の状況に応じ医師と相談しながら利用するものであるため、薬の名前や使い方について本記事で説明することは控えることをご了承下さい。

■最後に

拙い文章ではありますが、ここまで記事をお読み頂きありがとうございます。

繰り返しになりますが、ここでご紹介した各種の方法はあくまで筆者の私にとって合っている方法であり、万人に向く方法とは限りません。そのためご覧になってご自身に合いそうだ、という方法があればそれを抜き出し試してみる、という形でこの記事をお役立て頂ければ幸いです。

少しでも興味を持っている方、同じ悩みを持っている方に記事を届けたいためため、Twitterなどで共有いただけると大変嬉しいです。