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平野啓一郎「空白を満たしなさい」
平野啓一郎「空白を満たしなさい」を読んだ。この小説は、死んだ人が生き返ったらどうするか、という荒唐無稽な思考実験という趣があって、その時に生ずる問題や社会現象としてどのように推移していくか、また実際に生き返った人間がどのように振る舞うのかというのが想像されていて、そこがとても小説的だ。生き返った主人公の死因は自殺で、本人はそれを否認している。当然なのだけれど人間は死の直前までしか経験できない。それ
もっとみるErnest Berk exhibition
シンガポールの帰り道、偶然出会ったさやかさんという女性がGroup Aというユニットをしており、彼女が演奏するというダンスのショウを見てきた。Ernest Berkという人の作品であるらしい。ドイツ人と英国人との間に生まれたBerkは1933年にドイツでユダヤ人の妻Lotteとともにダンスの学校を開設したが、共産主義者としてナチスに激しく迫害され、妻の表現を禁止された翌年、英国に亡命した。Berk
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