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通知表の所見:誰でも当てはまる文章で保護者をガッカリさせない書き方

所見とは、通知表に書かれた担任の先生から保護者にむけたメッセージのことを言います。
この所見を書くのが結構大変なのです。

今回は、書いた所見のチェック方法について紹介します。
印刷する前にぜひお試し下さい。

まずは、こちらの所見をご覧下さい。
文字数などは一切考慮せずに、作成していますので、ご承知おきください。

「走り幅跳びの学習では、長い助走が原因で踏み切りが合いませんでした。グループで教え合う活動を通して、力強い踏み切りもできるようになり、記録も更新できました。この学習を通して課題を解決する力が身に付きました。」

5年生の走り幅跳びの所見です。

一見問題がなさそうな所見です。しかし、この所見文からは、残念ながら顔が見えません。幅跳びの学習をしたほとんどすべての子どもに言える内容になっています。

走り幅跳びの技術を細分化すると、

①助走②踏み切り③空中姿勢④着地と大きく4つあります。

一番難しいのは、やはり踏み切りです。はじめは誰もが、助走をすることで踏み切りが合わないと言っても過言ではありません。

そこで、グループ学習を取り入れて教え合いながら、力強く踏み切りができるように場を工夫して学習を展開させていくことが一般的です。

単元終末に、記録が更新し、課題を解決する方法が身に付くように指導するわけです。

先ほどの所見では、事実が書いてあるだけで、誰にでも当てはまります。

このような、誰にでも当てはまる所見を書いていないかをチェックするのです。
どうやってやるのか?
名前を隠して所見を読み、名前を当てるのです。

所見を読めば、一人一人と向き合い、成長を願って書いたか、期限に迫られ仕方なく顔の見えない所見を書いたか一目瞭然です。教師としての力量が問われるところでもあります。

所見の下書きが完成したら、誰かに、名前を隠して所見文だけをアットランダムに読んでもらいましょう。

そして、誰の所見なのか名前を当てるのです。

読んでくれる人がいなくても大丈夫。
一人でセルフチェックすることも可能です。
自分で名前を隠して所見文を読んで、名前を当てていけばいいのです。

「言ってることは、分かるけど、やっぱり所見を書くのは大変だからそこまで一人一人に対して時間などとれない。」
と思ってる方もいることでしょう。

安心して下さい。ちょっと一工夫すれば顔が見えてきます。

走り幅跳びの学習では、長い助走が原因で踏み切りが合いませんでした。掛け声をかけて踏み切る方法を考案し、力強く踏み切りもできるようになり、記録も更新できました。この学習を通して課題を解決する力が身に付きました。

と、一言付け加えれば、顔が見えます。

授業の観察記録や、学習カードの振り返りの記述などに書いてあることを元にすれば、その児童にしか当てはまらない活動が見えてきます。上の所見は、「Aさんに、掛け声かけてもらったら踏み切るタイミングがつかめました。」という振り返り記述をもとに作成してます。

書くことが苦手な子どもはどうするの?
と心配してる方。安心して下さい。

学習カードの振り返り欄に、グループの友達の良かったことを必ず記述させます。そうすると、良いことをした本人が書いていなくても、振り返りが得意な子が必ず書いてくれます。もしくは、そういう振り返りが得意な子をどのグループにも最低1人は入れておくように、グループ編成をします。

いかがでしょうか?
印刷前に子どもの顔が見えるかチェックしてみてください。
夏休みに個人面談がある学校なら、1学期の所見など、なくした方がいいなと思っていますが…、ある以上はしっかりと書いたほうがいいかと思います。
顔が見える所見を書けるようになると、保護者からの信頼もアップ間違いなし!
参考になる方がいたら幸いです。

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