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エッセイを書きたかったけど、書けずに、行き着いた場所。

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フィクションです。
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#書く習慣

「ゴミ」の基準。

「ゴミ」の基準。

 ゴミは捨てる。当たり前の行為だ。そして、ゴミじゃないものは捨てない。これも当たり前の行為だ。つまり、捨てたいときは「ゴミ認定」してあげる必要があるし、捨てたくないときは、その反対をしてあげればいい。

 この「ゴミ認定」がむずかしい。ゴミって、いつからゴミなんだろう。少なくとも、ゴミ箱に入る前には「ゴミ認定」されている。ゴミじゃなかったら、捨てないからね。

 じゃあ、いつ「ゴミ認定」してるんだ

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【エッセイ】 文章の香り。

【エッセイ】 文章の香り。

パソコンの前でウンヌン唸って、もう何分が過ぎたのだろうか。せっかく早起きをしているというのに、時間だけが過ぎていく。目の前の四角い窓からは、鳥たちが上から下へ、下から上へと飛び回っている。歌っているかのようにピイピイ騒いでいた。

この部屋は南西向きなんだろうか。陽光は四角の左奥から街を照らしているため、朝だというのに部屋が暗い。こういう部屋で過ごすと、朝の目覚めが悪くてダメだ。太陽を浴びていない

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【エッセイ】 縦書きか、横書きか。

【エッセイ】 縦書きか、横書きか。

間違えて本の最後のページを開いてしまった。「ああ、もう」と口の中で呟く。プログラミングされたロボットのように、手が勝手に動いていたのだ。

本が嫌いになったのは、そんな些細な理由がキッカケだったかもしれない。国語の教科書と、他の教科書では読み方が全然違う。「縦書き」と「横書き」になっている。なんでなのか凄く不思議で、気持ち悪かった。でも、誰も納得いく答えを言ってくれなかった。今だに納得はいっていな

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【エッセイ】 書くようになっておもったこと。

【エッセイ】 書くようになっておもったこと。

ここ、二、三年で、文章を書くようになった。

厳密には、書いているわけではなく、キーボードを叩いて、文字を打ち込んでいるだけなんだけど。

それでも、それまでの生活とは一変したという実感がある。

「楽しい世界、見つけちゃった!」って感じ。

キャリアで言ったら、まだ二、三年の、素人の趣味!

そんな人間の文章なんて、物好きの、たぶん、社会的な少数派と呼ばれるであろう人たちの中から、さらに厳選され

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【エッセイ】 朝の時間。

久しぶりに朝早く起きた。朝なのか夜なのか分からない。午前4時。世界は静かで、雪も降っていないのに、しんしんとした空気が流れていた。動物たちも寝ている時間。外から歌声も聞こえてこない。聞こえているのは、安い壁掛け時計の秒針の音。歌詞みたいに、チクタクチクタクと鳴らしている。

みんなが寝ている時間に自分一人動き出すと、なんだかワクワクする。自分が今日という一日を動かしているような気分だ。大人ブリたか

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【エッセイ】 やった感。

【エッセイ】 やった感。

最近、本が読めていません。読もうと思って時間を作っているのに、集中力が続かないというか、色々なところに興味が移ってしまって。読み終わる前に次なる本に手を伸ばしてしまうんです。こういうことって、よくあることなのかしら。

これが恋愛だったら最悪だよね。乗り換え乗り換え乗り換えだもの。イヤ、二股、三股、四股、五股ってやつか。ハタから見ると破滅的だけど、相手が本だと話は変わる。本だと許されてしまう。いや

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【エッセイ】 毎日が分岐点。

【エッセイ】 毎日が分岐点。

定期的にタイムスリップしたくなる。静かな夜道を歩いている時なんて特に思ってしまう。「このまま夜の世界に飲み込まれて、気づいたら学生時代で・・・」なんてね。

夢みたいなことを考えながら歩いているからガードレールに膝をぶつけることもしばしば。あの時の痛さったらない。歯にくるんだよね、衝撃が。たぶん、現実的な痛みを使って神様が教えてくれてるんだよ。過去に行ったら今のお前はいなくなっちゃうぞーって。

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【エッセイ】 とおまわり。

【エッセイ】 とおまわり。

人間、同時にできることって少ないのかもしれない。ここ数年、ウチは色々なことに挑戦してきたが、そのどれもが続かなかった。文章、イラスト、ダンス、語学、ラジオ。自分の「関心」に従い、色々と行動を起こしたつもりだったけど、長持ちしない。けっきょくのところ、いつもの自分に戻ってきてしまう。

でも、そのどれもが微かなカケラとして今の自分に残っているのも確かで、時間の使い方が変わったりする。わざわざ時間をか

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