JW351 雉と鷹と
【桃太郎編】エピソード21 雉と鷹と
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)では、温羅(うら)が暴れまわっていた。
鎮圧の命を受けたのは、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)と稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)。
芹彦は、二本同時に矢を発射し、見事、温羅の左目に命中させたのであった。
トメ「あっ! 温羅の左目から、血が流れ出した!」
犬「ま・・・まるで、川のようじゃ・・・。」
サモリ「って言うか、本物の川に流れ込みましたよ。」
オーイナ「ホントじゃ! 川が、真っ赤に染まっていきよる!」
ジョン「そして、下流の浜まで、真っ赤になっちまったぜ!」
温羅「このことから、川は、血吸川(ちすいがわ)と呼ばれるようになったニダ。」
ジュリアン「ほんじゃけど(だけど)、砂鉄(さてつ)が錆(さ)びて、川底が赤く見えたから・・・とも言われとるぞ。」
ヨーコ「さすがは、ジュリアン! 吉備は、製鉄で有名だからね!」
温羅「えっ? ウリ(私)の血じゃ無いかもしれない? そ・・・そんな・・・。」
たか「あっ! 温羅が、落ち込んでおりまする!」
ショーン「今じゃ! トドメを刺すんじゃ!」
芹彦「よし! これぞ、千載一遇(せんざいいちぐう)! 温羅! 覚悟ぉぉ!」
温羅「そう簡単には、やられないハセヨ! アニョンヒケェセェヨォォ(さようなら)!」
タケ「あっ! また逃げるか!」
温羅「変化(へんげ)の術!」
ドロン!
たっちゃん「あっ! 次は、雉(きじ)になりましたぞ!」
トメ「ええぇぇ! 雉って、僕のことなんだけど!」
タケ「そんなことを言うておる場合か?!」
芹彦「よし! それがしも! 変化の術!」
ドロン!
オーイナ「あっ! 芹彦様が、鷹(たか)になった!」
サモリ「雉と鷹の追い駆けっこ・・・ですねぇ。」
こうして、雉と鷹の空中戦が展開された。
芹彦(鷹)「待てぇい! そこの雉! 待てぇい!」
温羅(雉)「ウリは、どうして雉になってしまったニカ? どう考えても、鷹の方が良いと思うのに、よりによって、雉? どういうことハセヨ!」
芹彦(鷹)「これが伝承というモノじゃ!」
温羅(雉)「そんなこと、認めないニダ! 変化の術!」
ドロン!
二度目の変身をおこなった温羅。
次に変身した姿とは?
次回につづく
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