JW334 上道と海吉
【桃太郎編】エピソード4 上道と海吉
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)の道を進む、稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)と、息子の武彦(たけひこ)(以下、たっちゃん)。
五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願い、神を祀(まつ)っていると、地元の民が駆け寄ってきたのであった。
地元の民(い)「もしや? 汝(いまし)が、稚武彦様にござりまするか?」
タケ「そうじゃが、如何(いかが)した?」
地元の民(ろ)「伝承も、何も残っとらんのじゃけど、賊が暴れよるみたいなんじゃ。」
たっちゃん「何も残っておらぬのに、賊が暴れておると?」
地元の民(は)「わしらの地を平定したと書かれとるけん(書かれているから)、なんかおったんじゃろう。」
タケ「よ・・・よく分からぬが、鎮定(ちんてい)せねばなるまい。」
するとそこに、賊と思(おぼ)しき奴らが現れた。
オリジナル設定なので、名前を付けたいと思う。
トムとジェリーである。
ジェリー「紙面の都合で、出て来てやったぞ!」
トム「うう・・・(´;ω;`)ウッ…。クルーズの方が良かった・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ジェリー「何を泣いとるんじゃ?!」
トム「ほんでものう・・・(´;ω;`)ウッ…。」
タケ「とにもかくにも、懲(こ)らしめねばならんっ。覚悟ぉぉ!!」
たっちゃん「正義の剣、受けてみよぉぉ!」
ズバッ! バシュッ!
トム「で・・・出て来る必要あったんじゃろか・・・グフッ。」
ジェリー「悔しいです! グフッ。」
地元の民(い)「こうして、稚武彦様は、吉備の上道(じょうとう)や海吉(みよし)のあたりを平定なされたんじゃ。」
地元の民(ろ)「上道は、岡山市の東区(ひがしく)にある地域で、上道駅周辺から東、吉井川(よしいがわ)から西の地域になるんじゃ。」
たっちゃん「我らの時代では、上道(かみつみち)と呼んでおったのが、中世になってから、上道(じょうとう)になってしまったようじゃのう?」
地元の民(は)「そうなんですよ。言いにくかったんじゃろか・・・。」
地元の民(い)「ちなみに、海吉は、岡山市の中区(なかく)にある地域なんじゃ。」
タケ「とにかく、その辺の地域に蔓延(はびこ)っていた賊を平(たい)らげたのじゃな?」
地元の民(ろ)「その通りです。海吉に鎮座(ちんざ)する、吉備津岡辛木神社(きびつおかからきじんじゃ)の伝承で、そう書かれとるんです。」
地元の民(は)「祭神は、稚武彦様ですぞ!」
タケ「なっ! 私が祀られおるのか?」
こうして、上道と海吉に、平穏が戻ったのであった。
つづく
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