JW370 演説から始まった
【桃太郎編】エピソード40 演説から始まった
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
讃岐(さぬき:現在の香川県)で暴れる賊を平定した一行。
そして、香川県高松市(たかまつし)の鬼無町(きなしちょう)の起源について、語られるのであった。
芹彦「鬼無町?! 鬼がいなくなったからか?!」
モモ「それについては、ある人物を紹介しなきゃいけないわね・・・。」
タケ「ある人物とは?」
アマンダ「大隈重信(おおくま・しげのぶ)じゃ。」
ジョン「誰だ? そいつは?」
サントス「内閣総理大臣にもなった人物じゃ。」
ロナウド「その大隈さんが、鬼無駅前で演説をしたことが有ったんじゃ。」
ナビル「西暦1914年、皇紀2574年(大正3)のことじゃ。当時、総理大臣兼外務大臣だった、大隈さんは、演説で、こんなことを言うたんじゃ。」
サントス「ええ・・・この駅は『おになし』かと思えば『きなし』と呼ぶそうだ。なかなか面白い地名だと思う。とにかく、村人諸氏は、地名のそれのように、何卒(なにとぞ)、心の中に鬼が無いように、個人も団体も、皆、ますます向上発展に努力されたい・・・。」
モモ「その演説を聞いていた、当時24歳の橋本仙太郎(はしもと・せんたろう)くんは、地名に関心を持っちゃったのよね。」
ジュリアン「仙太郎くん?」
モモ「では、時空を越えて、来てもらうわよ! 橋本仙太郎くんです!」
仙太郎「ど・・・どうも、仙太郎です。」
ショーン「それで・・・仙太郎くんは、地名に関心を持って、どうしたんじゃ?」
仙太郎「郷土研究を始めました。古文書などを読み漁(あさ)ったんですよね。」
たっちゃん「それで・・・仙太郎は、何か見出(みいだ)したのか?」
仙太郎「はい。鬼無という地名から、桃太郎は、実話だったという結論に至ったんです。」
芹彦「何を言うておるのじゃ! 桃太郎は、吉備(きび)ぞ! 吉備こそが、正統ぞ!」
タケ「どちらでも良いではないか・・・。」
芹彦「分かっておる! されど・・・されど・・・。」
仙太郎「芹彦様の気持ちも分かりますが、僕は、鬼無について調べただけですので・・・。」
ジョン「それで・・・何を根拠に、そういう結論に至ったんだ?」
仙太郎「いろいろと、伝説に関わる地名を発見したんですよね。」
猿王「その通りですぞ。桃太郎を育てた、お爺さんとお婆さんが暮らしていた家が、安徳(あんとく)の大古家(おおふるや)ですぞ! 鬼無町鬼無(きなしちょう・きなし)に有りますぞ!」
仙太郎「そして、お爺さんが山へ柴刈り(しばかり)に行くんですが、その山が、柴山(しばやま)です。高松市の香西北町(こうざいきたまち)の芝山(しばやま)とも言われてます。」
ジュリアン「川へ洗濯(せんたく)に行った、お婆さんは、何処(どこ)で洗濯したんじゃ?」
桃太郎伝説の地名解説はつづく。