JW391 神は名を変える
【崇神改革編】エピソード18 神は名を変える
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
ついに、のちの十一代目が誕生した。
そして、それから時は流れ、紀元前63年、皇紀598年(崇神天皇35)となった。
そんなある日のこと・・・。
崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)が、政務に勤(いそ)しんでいると、ある人物がやって来た。
その人物とは、中臣探湯主(なかとみ・の・くかぬし)(以下、クッキー)である。
クッキー「大王(おおきみ)! エピソード273以来の登場にあらしゃいます!」
ミマキ「そのようなこと、どうでも良い。それより、何か奏上(そうじょう)することが有り、参内(さんだい)したのであろう?」
クッキー「そ・・・そうですぅ。実は、社(やしろ)が建ちましたので、お知らせ申し上げようと、罷り越し(まかりこし)ました次第にございますぅ。」
ミマキ「社が建った? して、何と申す社じゃ?」
クッキー「その名も、石鎚神社(いしづちじんじゃ)にあらしゃいます。」
ミマキ「して、祭神は?」
クッキー「石土毘古神(いわつちびこのかみ)にあらしゃいます。土の神ですなぁ。」
ミマキ「土の神を祀(まつ)ったのか・・・。されど、なにゆえ、石土(いわつち)ではなく、石鎚(いしづち)なのじゃ?」
クッキー「それが・・・鎮座(ちんざ)した地が、石鎚山(いしづちさん)でしたので、石鎚神社と名付けられたみたいですなぁ。」
ミマキ「そうか・・・。山の名が、社名となったのか・・・。」
クッキー「そういうことで、時が経つに従い、祭神の名も変わってしまいました。」
ミマキ「は?! 祭神の名が変わっては、おかしなことになりはせぬか?」
クッキー「そのようなこと、わてに言われましても、どないもこないも、ありゃしません。」
ミマキ「ま・・・まあ、そうじゃが・・・。し・・・して、何と言う名に変わったのじゃ?」
クッキー「石鎚毘古神(いしづちびこのかみ)にあらしゃいます。」
ミマキ「や・・・山に乗っ取られたような気分じゃのう・・・。」
クッキー「ちなみに、石鎚山は、西日本で、一番高い山にあらしゃいます。」
ミマキ「西日本? 何処(いずこ)に鎮座したのじゃ?」
クッキー「愛媛県西条市(さいじょうし)にあらしゃいます。」
こうして、石鎚神社が創建されたのであった。
そして、また時は流れ・・・。
紀元前59年、皇紀602年(崇神天皇39)となった。
そんな、ある日のこと・・・。
ミマキの元に、一人の女人が来訪していた。
ミマキの皇女(ひめみこ)、豊鍬入姫(とよすきいりひめ)(以下、きぃ)である。
きぃ「エピソード256以来の登場にございます。」
ミマキ「おお! 『きぃ』か! 如何(いかが)致した? 汝(なれ)には、天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀る務めが有るであろう? 持ち場を離れて良いとは、言うておらぬぞ?」
きぃ「実は・・・天照大神こと『アマ』様より、言伝(ことづて)がございまして・・・。」
天照大神の言伝とは?
次回につづく
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