JW354 冷泉に行こう
【桃太郎編】エピソード24 冷泉に行こう
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)では、温羅(うら)が暴れまわっていた。
鎮圧の命を受けたのは、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)と稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)。
一行は、鬼ヶ嶽(おにがたけ)に陣取る温羅軍を攻撃する。
しかし、全く疲れを見せない温羅軍。
そして、その理由が、温泉にあることを突き止めるのであった。
トメ「その名も、鬼ヶ嶽温泉(おにがたけ・おんせん)です。」
たっちゃん「まあ、当然、そうなるわな・・・。」
トメ「ただ、経営難だったのか、2023年の地図に、温泉の名称は見当たりませんでした。日帰り温泉の施設も、2004年に閉館しているみたいです・・・。」
ジョン「二千年後の読者は、入りたくても、入れないってことか?」
トメ「そういうことになりますね。」
ヨーコ「とにかく、その温泉を何とかしないと!」
オーイナ「何とかするって、どうするんじゃ?」
芹彦「よし・・・。こうなったら、それがしの神通力(じんつうりき)で、温泉を冷泉(れいせん)に変えてみせようぞ!」
ジュリアン「そんなことが出来るんか?」
芹彦「それが出来るのじゃ! よく見ておけっ。」
一同「・・・・・・。」×多数
芹彦「天に生かれし神々よ・・・。それがしに力を与えたまえ・・・。天地にあまねく神々よ・・・。ここに奇跡を起こしたまえ・・・。ハッ!」
たか「そ・・・それだけですか?」
芹彦「そうじゃ!」
タケ「あとは、温羅たちに、解説を委(ゆだ)ねるほかあるまい。」
ということで、一方、温羅たちは・・・。
温羅「温泉最高ニダ! これで、一日の疲れも吹っ飛ぶハセヨ!」
兵士(い)「ホントですなぁ。『出で湯(いでゆ)』が有る限り、わしらは負けん!」
兵士(ろ)「逆に、ヤマトの奴原(やつばら)は、疲れが、色濃く出て来よる。」
兵士(は)「もう、持ちこたえられんじゃろう・・・。ん?」
温羅「どうしたニカ?」
兵士(は)「なんか・・・。温(ぬる)くなってきたような・・・。」
兵士(ろ)「何を言よるんじゃ! 出で湯が、温いわけ・・・。ん?」
兵士(い)「温いというより、冷とうなって来とらんか?」
温羅「これじゃ、冷泉ハセヨ! どうなってるニカ?」
男の声「今宵(こよい)の出で湯は、末期(まつご)の出で湯よ・・・。」
温羅「なっ! 何奴(なにやつ)?!」
分かっている読者も、いらっしゃるとは思いますが、次回につづく