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2023年3月の記事一覧
エロティシズムをセクシュアリズムから切り分けた男。澁澤龍彦。
「エロティシズム」 澁澤龍彦 (中公文庫)弱さの打破
エロティシズム3部作を代表する一冊。
「エロ」と「エロティシズム」はまったく異なるんだと、解説の巖谷國士さんが強調されています。性産業としてのエロは、エロティシズムではなくてセクシュアリティの商品化でしかないというわけです。
仏文学者・澁澤龍彦の功績は、エロティシズムをセクシュアリズムから切り分け、精神性のものとして表の世界に堂々
「恋」を正面切って哲学する。その匂い立つような言葉のほとばしり。学術書なのにとんでもなくスリリングでドキドキ。そのワケは。
『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』宮野真生子(ナカニシヤ出版)
著者の切実な思いが現れた学術書
最初、なんともベタなタイトルの本だと思いました。これではちょっと部数が出ないんじゃないかと。でも、戦前からの著名本、九鬼周造の『いきの構造』を採り上げながら、とあるから読んでみたら、なぜ出版社がこのタイトルにしたのかがわかった気がしました。
副題に『「出会い」と「恋愛」の近代日本精神史』と