マガジンのカバー画像

神武東征の旅

20
『古事記』『日本書紀』に記される神武天皇の東征譚。史実なのか、つくり話しなのか。東征ルートをたどってみたら何か感じることができるかもしれません。いっしょに時空を超えた旅をしてみま…
運営しているクリエイター

#歴史

第17話 葛城の土蜘蛛とその後

第17話 葛城の土蜘蛛とその後

 神武東征の旅 第17話 葛城の土蜘蛛とその後

 『日本書紀』に記す葛城・高尾張という場所について考えてみたいと思います。

 まず、どういうところかご紹介します。

 各地に高天原の伝承地はありますが、他と違うのは、祀られているのは天照大神ではなく、 高天彦神社の御祭神が高皇産霊神だといういうことでしょうか。

 駐車場の向かいに土蜘蛛の碑があります。

高皇産霊神を祀る一族とは

 「高天彦

もっとみる
第16話 大和平定と妄想話し

第16話 大和平定と妄想話し

神武東征の旅第16話 大和平定

  長髄彦を倒した皇軍は、その後、帰順しない新城戸畔、居勢祝、猪祝の邑を攻めます。地図で確認しましょう。三か所の伝承地と大和の主な弥生遺跡をマークしています。地図で見ると磐余を中心として周辺の邑(遺跡)は既に帰順していて、今回登場するのは一番離れた場所の部族という感じです。

前回の記事で書きましたが、こうして見ると長髄彦との決戦地が生駒ではやはり違和感ありま

もっとみる
第15話  長髄彦の巻

第15話 長髄彦の巻

神武東征の旅 第15話 長髄彦の巻

 国中(奈良盆地)へ入ろうとする皇軍を待ち構える兄磯城軍。磯城邑にあふれんばかりです。まずは兄磯城に帰順をすすめるために、頭八咫烏、次に(帰順した)弟磯城。そして初登場?兄倉下と弟倉下(誰? 高倉下? 兄弟いたの?)を行かせますが、兄磯城は承伏しません。そこで軍師 椎根津彦は謀をたて、忍阪の道に女軍(陽動作戦で敵を引き付ける部隊)をやって、敵の精兵を深く誘い

もっとみる
第14話 宇陀②  忍坂大室の巻

第14話 宇陀② 忍坂大室の巻

神武東征第14話 宇陀その2 忍阪大室の巻

 神武天皇が、八十梟帥をどう打ち破れば良いか思い悩んでいたところ、夢に天神が現れて「天香具山の土で平瓦80枚とお神酒を入れる瓶子をつくって天神地祇を祀り、身を清めて呪詛せよ」と告げます。

さっそく椎根津彦と弟猾に天香久山の土を取りに行かせます。

天香久山

大和三山(畝傍山、天香久山、耳成山)の一つ。天から降り来た山とも言われ、香久山の土には霊力・

もっとみる