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#ネタバレ
『鏡の国のアリス』ヴォーパルの剣について
「ヴォーパル」の意味「ジャバウォックの詩」に出てくるvorpalという単語についての私説を述べます。
第3連ではvorpal sword、第5連ではvorpal bladeとありますから、形容詞扱い。
子音のvやpがいかにも強そうな響きなので、怪物退治の物語に合わせて「伝説の剣」とか「鋭い刃」とか訳したくなります。
特に破裂音のpとか、クリティカルヒットが高確率で出そうな感じですよね。
既説
『鏡の国のアリス』逆さの箱と「桑の木回ろう」
『フィドルディディーの謎』の続きなので、未読の方はそちらを先に御覧下さい。
逆さの箱白の騎士は初登場時、おかしな形の樅の小箱を逆さに肩にくくりつけています。
箱の蓋は開きっ放し。
原文はa queer-shaped little deal boxです。(dealはここでは「樅」でしょう)
白の騎士はこれを「clothesとsandwichesを入れておくための箱だ」と説明します。
①deal
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』エピローグ
『不思議の国のアリス』が求愛の暗号書、『鏡の国のアリス』が求婚の暗号書だという私の仮説はほぼ説明しました。
「キャロルはアリスに恋愛感情などは抱いていなかった」と主張する方もいるのですが、多くのパズルが相互に繋がって一つの結論に収束していくように見えるのは、決して偶然ではないと思います。
『不思議の国のアリス』の表紙は豚になった赤ん坊を抱いたアリス。
『鏡の国のアリス』の表紙はアリスと話してい
『不思議の国のアリス』署名の無い手紙⑧
すみません。今頃になって追加です。
第6連別解「署名の無い手紙」第6連に別解、というかもう1つの解釈がありました。
二重ではなく三重の意味だったんです。
第3章のA Caucus-Race and a Long Tale。
この「コーカスレース」自体は
caucus race→caught us, race
「我々を捕って食べてきた種族」
というブラックな洒落だと思いますが。
この章の最後
『スナーク狩り』以降のキャロル作品について
ルイス・キャロルの後の作品についてです。
『シルヴィーとブルーノ』ベースとなっているゲームはバックギャモンと考えられます。
正編・続編に分割されていますが、もとは1つの物語ですから、2冊で1ゲームに相当するとみるのが妥当。
長い序文もヒントでしょう。
キャロルの時代のバックギャモンのルールはダブリングが無いことを除けば現在と同じ。
作品の分量や一般向けに書かれた難易度などを考えると私の能力の上
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』Tips
今回はここまでで書いてなかった小ネタ集を思い出せる範囲で。
公爵夫人の贈り物の件公爵夫人がアリスへの贈り物として語る長い教訓。
これは二重否定やseem, mightなどを絡めた冗談ではないでしょうか。
not(not A)=Aならnot(not(not(not A)))=A、ということで「その気になればいくらでも長くできる」のかも。
英語における二重否定が文法的に「誤り」とされるのは少し前の
『鏡の国のアリス』のチェス問題⑩(手順のルーツ)
「フィドルディディーの謎」の続きです。
詩のメイン部分(再掲)①Says the fly, says he,
②"Will you marry me,
③And live with me,
④Sweet bumble bee?"
⑤Says the bee, says she,
⑥"I'll live under your wing,
⑦And you'll never know
⑧That
『鏡の国のアリス』フィドルディディーの謎
第9章の女王たちの試験の場面で、赤の女王が「fiddle-de-deeをフランス語で言うと?」と問います。
fiddle-de-deeで始まるマザーグースがハエとハチが結婚する話なので「結婚」を暗示しているのだろうという程度に考えていたのですが、もっと深い仕掛けがありました。
(今回の関連記事として、「マザーグースの忘れられた謎々⑨」も参照して下さい)
詩文まず、fiddle--de-dee
マザーグースの忘れられた謎々⑨
今回は番外編。『鏡の国のアリス』第9章で言及されているfiddle-de-deeについてです。
複数の書籍やサイトを見たのですが、日本語で紹介されているのは4行1連のバージョン。
原詩AFiddle-de-dee, fiddle-de-dee,
The fly shall marry the humble bee.
They went to the church, and married wa
『不思議の国のアリス』タロットについての補足
タロットについての補足です。
『アリス』シリーズのタロットは時代的にはライダー/ウェイト版でなくマルセイユ版と考えるべきでしょう。
『不思議』では物語の中で正位置と逆位置、1枚のカードに対応するエピソードが2つあるのが普通ですが、調べていくと1枚のカードに3つ以上のエピソードが当てはまる場合も多く、無理に限定する必要はありません。
42か21か
キャロルが42という数にこだわっていたのは有名
『不思議の国のアリス』海亀のスープ
『不思議の国のアリス』第10章の終わりでMock Turtleがアリスに歌う'Turtle Soup'の歌についての仮説です。
"Beautiful Soup, so rich and green,
Waiting in a hot tureen!
Who for such dainties would not stoop?
Soup of the evening, beautiful Soup
『不思議の国のアリス』法廷の風景
法廷の場面のあれこれです。
①ハートの王の容姿や仕草について
カツラの上から王冠をかぶる(カツラ)
揉み手をする(rubber game)
片目で見る(片目のジャック)
まるでヒントのかたまりのようですね。
②アリスが立ち上がる場面
『子供部屋のアリス』ではこの場面のテニエルの挿絵についての説明があり、12匹の陪審員を数える際にマウスとラットを別々の動物として扱っています。
『地下の国の