『スナーク狩り』以降のキャロル作品について
ルイス・キャロルの後の作品についてです。
『シルヴィーとブルーノ』
ベースとなっているゲームはバックギャモンと考えられます。
正編・続編に分割されていますが、もとは1つの物語ですから、2冊で1ゲームに相当するとみるのが妥当。
長い序文もヒントでしょう。
キャロルの時代のバックギャモンのルールはダブリングが無いことを除けば現在と同じ。
作品の分量や一般向けに書かれた難易度などを考えると私の能力の上限を超えています。
『A Game of Fives』
1年ずつ年齢が異なる5人の女性の幼い頃からの成長を少しずつ追っていくという詩。
5人の女性が婚期を逃してしまう話なのですが、「1年ずつ年齢が異なる5人の女性」が「1人の女性が1年ずつ成長する姿」だということにはすぐ気付くので、そうなると結婚に失敗したのはむしろ男性の方。
誰と誰の話かは言うまでもありませんね。
私が問題にしたいのは「5つのゲーム」とも取れるタイトルの方で、これは
①ポーカー
②ブラックジャック
③チェス
④ビリヤード
⑤バックギャモン
を指していて、
①②『地下の国のアリス』と『不思議の国のアリス』
③『鏡の国のアリス』
④『スナーク狩り』
⑤『シルヴィーとブルーノ』正編・続編
がゲームものの連作だったのではないかということです。
5つのゲームが基になった「ゲーム5部作」、という感じ。
『地下の国のアリス』複製版
『不思議の国のアリス』のパズルを解くためのヒントが詰まった本作は、アリスの結婚後本人の許諾を得た上で出版されています。
「ゲーム5部作」の作品はアリスの結婚前に構想されたもののように思われます。
『子供部屋のアリス』
「0歳から5歳の子どものための本」ですが、読み聞かせを行う母親世代のための『不思議の国のアリス』追加ヒント集でもあります。
『The Lost Plum Cake』
キャロルの遺稿(未完)のタイトルですが、
何を書こうとしていたんでしょう・・・
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