『不思議の国のアリス』タロットについての補足
タロットについての補足です。
『アリス』シリーズのタロットは時代的にはライダー/ウェイト版でなくマルセイユ版と考えるべきでしょう。
『不思議』では物語の中で正位置と逆位置、1枚のカードに対応するエピソードが2つあるのが普通ですが、調べていくと1枚のカードに3つ以上のエピソードが当てはまる場合も多く、無理に限定する必要はありません。
42か21か
キャロルが42という数にこだわっていたのは有名ですが、タロットも関係ありそうです。
「愚者」は番号無し、もしくは0番ですが、「アリス」では番号無しと見るのが妥当。よって大アルカナの数は21+1。
正位置と逆位置を考えるなら2倍になるので
(21+1)×2=42+2。
『不思議』では正位置と逆位置で42+2
『地下』では21+1
『鏡』もおそらく21+1
だと考えています。
挿絵
『不思議』の挿絵枚数
挿絵41枚+扉1枚→42
42+表紙+裏表紙→42+2
『地下』の挿絵枚数
38枚(アリスの肖像含む)+扉4枚→42
42+表紙+裏表紙→42+2
寓意
これまでの記事で触れていなかった寓意で、印象的なものから少し。
大アルカナ
蟹の母→説教癖から「女教皇」、絵柄から「月」の寓意のどちらにも取れます。
『地下』には公爵夫人が登場しないので元々「女教皇」だったのかもしれません。
ポーカーのrubber gameは『地下』における「LOVERS」。
『不思議』では「署名の無い手紙」第6連も「LOVERS」でしたね。
小アルカナ
双子兄弟が戦いの前に身につける装備品が「剣と傘とシチュー鍋と皿ぶた」。
これが「ソード、ワンド、カップ、コイン」に対応していると考えられます。
最後に。
第11章のタイトル'Who stole the tart?'には
Who told the tarot?の意味も隠されていると私は考えています。
答は、もちろん「署名の無い手紙」第6連の話者ですね。
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