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福岡県民の僕がアビスパ福岡のタダ券を貰ってからの3か月半

アビスパ福岡の件がひと段落しました。

今回の記事制作過程などについて問い合わせがいくつかありましたので、2019年4月から7月までの出来事をこちらに残しておこうと思います。

4月①:アビスパ福岡試合観戦感想noteの記事公開

僕は2019年3月30日に行われたジェフ千葉戦の試合の感想を、レベスタから車で20分の場所に住む単なるパパの目線で、このnoteに記事を書きました。

「何も知らない福岡県民」として、何のフィルターもかけない率直な感想。そのnoteは瞬く間に拡散されました。閲覧回数は6万回を超え、アビスパサポーターのほか、Jリーグの関係者などを巻き込むほど。

「耳が痛い」「客観的な意見はありがたい」という理由でサポーターにも広がっていく様子を目にし、「Jリーグのサポーターはこんなに集客に当事者意識を持っているのか」と驚きました。

さらに「腹が立つ」「悲しい」「絶対に許さない」「明確な悪意」「炎上商法」といった、アビスパサポーターの感情的なコメントも目にして驚きました。

「別にあなたを否定したわけじゃない。僕に怒ったり悲しんだりしているけど、この記事を拡散したのは、あなたたちサポーター自身なのに。」

最初はそう感じました。しかし、そのようなコメントをたくさん読むうちに「人によって愛情表現の方法が違うだけだ」ということがわかってきたのです。

共通するのは「当事者意識」。このnote記事に賛否両論を示したアビスパサポーターの方々は見え方は違えど、アビスパ福岡のことを我が子、もしくは自分だと思っているのです。

「そうか、そんなにアビスパ福岡が好きなのか」

僕へのバッシングは高まり、記事外の僕のプロフィールを読んで「ライターのくせに、ろくに調べもしないでこんな記事を書くのか」「こんな人でもライターを名乗れるのか」という声も出てきていました。

「この記事はライターとして取材して書いたら意味がない。でも、こんなに愛されているアビスパ福岡を、ライターとして取材して書いたらどんな記事になるんだろう」

もしかしたら、アビスパ福岡をよく知らない僕だからこそ書ける魅力があるのではないかと考えました。それは僕にしか書けない記事なのかもしれません。

「せっかくここまでアビスパ福岡のサポーターのリアルを知れたのだから、ライターとしてできる限りのことをやってみよう」と考えました。

4月②:アビスパ福岡の取材記事企画開始

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記事のコンセプトはただ一つ。「アビスパ福岡のサポーターが初心者に胸を張って見せたくなる記事」です。あのnote記事が「初心者に見せたくない」と言われたことに起因します。

アビスパ福岡の試合観戦未経験者の人が、観戦前に見ておけばもっと楽しめるようになる内容にしたいと考えたのです。

しかし、この記事に取り組むにあたって、僕には大きな問題がありました。それは「そんな取材活動をする時間なんてない」ということです。

僕は今年の1月に開業届を出したばかりの、ペーペーの駆け出しフリーランス。今はとにかく目の前の記事で手一杯ですし、収入だって多いわけじゃない。そんなときに、アビスパ福岡の取材に注力をしていては暮らしていけません。

そこで僕はアビスパ福岡の記事企画を練り、メディアへ提案することにしました。仕事にすれば、取材活動に時間をかけられるからです。

ただ、僕はスポーツライターではないので、スポーツメディアのお仕事は持っていません。

スポーツメディア以外でアビスパ福岡がテーマの記事というのは「需要が低い」と断られる可能性が非常に高くなってきます。

そこであまりかっこよくはないですが、前回のnoteをバズ実績として紹介し「この話者が改めて取材したアビスパ福岡の記事」という面も企画のコアな部分として押しました。「誰が書いたか」というのは、企画の価値をはかるために重要だからです。

するとグルメ情報サイトにスタジアムグルメの記事、旅行情報サイトにアビスパ福岡の初心者ガイドの記事の提案が通り、仕事にすることができました。提案が通ったメールを見て「よおーし!」と声が出ました。

4月③:アビスパ福岡への交渉開始

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今回の記事制作にあたり、僕はクラブやサポーターといっしょになって作らないと意味がないと考えていました。僕自身には何も情報がないからです。

アビスパ福岡側には手紙をお送りしたところ「ぜひ取材に協力したい」と言っていただきました。僕は前回の記事の影響でアビスパ福岡側に迷惑をかけてしまった部分もあるのではないかと思っていたのでヒヤヒヤしていましたが、温かくご対応くださいました。

5月の後半ごろに許諾関係の準備が整い、記事の制作がスタートしました。

6月:試合・サポーター・クラブ・選手への取材開始

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記事制作が正式にOKになってからはとにかく取材、取材、取材の日々です。

まずはアビスパ福岡のサポーターの皆さんにおすすめの選手やスタグル、座席やチャントなどもお尋ねしたかったので、Twitterでアンケートをとりました。

Googleフォームでアンケートを組んで、Twitterで募集したところ、サポーターの間で拡散してくださいました。結果的に3日程度で136名もの方にアンケートにご協力していただけました。

「なぜ選びましたか?」という自由記入欄も多くあったにもかかわらず、多くの方がそこまで丁寧にご回答くださいました。

たくさんの方の熱量のあるアンケート回答により、記事の内容がグッと濃密になります。また、熱い自由記入のコメントを目にして「絶対にいい記事にしたい」というモチベーションもさらに上がりました。

アンケート結果を集計し、そこから企画を練りつつ、スタジアムの取材も行いました。

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6月は2回、スタジアムでの取材を行いました。

慣れない黄色いビブスに袖を通し、スタジアムの風景やスタグルを撮影したり、サポーターの皆様の応援スタイルの多様性に注目して、いろんな席を見て回りました。

ここではフリーランス仲間のみたとも(@tomomitatomo)さんに、写真の面でたいへんお世話になりました。

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彼女が撮影した写真はスタジアムの幸せをしっかりと切り取っており、記事をとても魅力的にしてくれました。僕には撮れない写真です。

記事のクオリティを支えた、裏の多大な貢献者です。写真はやっぱり重要!

またクラブへの取材も合計で3回行いました。

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印象的だったのは、最初にクラブ取材をしたときのこと。

「アビスパ福岡のサポーターのクラブ愛に驚いた」ということや、「アビスパ福岡のサポーターがアンケートにたくさん答えてくれた」ということをお伝えし、アンケート結果を渡したときに広報担当の方が涙を流して喜んでくださいました。

クラブ側と意思の疎通ができ、選手への取材も快諾してくださいました。

僕は2日間、雁ノ巣へ足へ運んで7名の選手のコメントを撮影することができました。

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アビスパ福岡の選手の皆さんは、練習後で疲れているにもかかわらず、快くインタビューに答えてくれました。

今回は「好きな選手」や「将来性に期待する選手」というアンケートで上位の選手にメッセージをいただきました。せっかくなので、投票上位を祝福する表彰状をつくり、裏にアンケートで答えてくださった自由回答を掲載してお渡ししたところ、とっても喜んでくれました。

とくに印象的だったのは、セランテス選手。ご自身が「サポーターから好きな選手2位に選ばれた」ということを聞き、とっても感激してくれました。

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「見て見て、鳥肌が立った!」と鳥肌を見せてくれました。笑

2位や3位の選手に「1位は誰ですか」「他の順位を教えてください」とすぐに他人の順位を尋ねられたのも印象的でした。チームの仲間ですが、ライバル意識が高いのだなということを感じました。

7月①:メシ通にスタグルの記事を公開

取材が完了し、記事の執筆に入ります。

まずは第1弾。「メシ通」というグルメメディアで、アビスパ福岡のスタジアムグルメの記事が公開されました。

アビスパ福岡の本拠地、レベルファイブスタジアムが絶好のアクセスを誇ることから、県外の方に「レベスタ飲み」をおすすめするコンセプトで記事制作を行いました。

単なるスタグルガイドではなく「レベスタならではの価値」を意識しています。こちらの記事はTwitterを中心に拡散しました。

記事のクオリティを支えたのは、サポーターの生の情報と、みたとも(@tomomitatomo)の撮影したおいしそうな写真たちです。

レベスタならではの食の魅力を発信できたかなと思います。僕のオススメは「明太からあげ」と「ステーキ丼」ですね。

7月②:TABI CHANNELに初心者ガイド公開

第2弾はアビスパ福岡の初心者ガイドの記事です。こちらは「TABI CHANNEL」という旅行情報サイトなのですが「社会的意義のある記事」と判断してくださり、記事制作にGOサインが出ました。

取材の集大成をこの記事に込めました。

「長すぎるのでよくないかも」とも思いましたが、無駄な内容を完全に削り落としても、文字数は2万字。これ以上消せる個所はありません。

こちらの記事もTwitterを中心に拡散がされております。

この記事の公開をもって、僕がアビスパと向き合った3か月は一区切りとなりました。

僕の気持ちはこの記事の「あとがき」に全て込めておりますので、このnoteを読んでくださっている方はぜひ読んでください。

僕が思う「初心者が楽しむために必要なもの」の仮説

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これまでの取材活動を通し、Jリーグを初心者が楽しむためには何が必要なのか?という難しい課題に対し、僕の中で仮説があります。

それは「サッカー観戦の楽しさを伝えることから逃げない」というものです。

「サッカーが好きな人しか、サッカー観戦は楽しめない」これは確かにそうだと思います。でも、僕は取材活動をしたことで、サッカーの楽しみ方を知ったことで、サッカーに詳しくはありませんが、またアビスパ福岡の試合を観に行きたいと思っています。

サッカーの試合に初心者を呼ぶために、サッカーと関係のないイベントを開くのももちろん一手です。しかし、そもそものサッカー観戦の楽しさを初心者に伝える準備ができていなければ、問題の本質は解決しないと思います。

楽しみ方の切り口としては、以下のようなものがあります。

・サポーターに人気のある選手・期待されている選手を知る

・チャントの歌詞やチャントの意味を知る

・おいしいスタジアムグルメを知る

…まだまだあるかもしれません。サポーターがいつも楽しんでいることを初心者にも伝わるように噛み砕いて伝えることが必要なのです。「伝わらない」とあきらめず、どうすれば伝わるのかを考えることが重要だと思います。

今はそんなサッカー観戦の魅力が自然に伝わるような人たちだけが集まっていると考えることもできるでしょう。きちんと伝えれば「サッカーってこんなに楽しいのか!」と、感じてくれるポテンシャルのある人はまだまだ大勢いるはずです。(僕もその一人です)

たとえば、個人的には「チャントって、面白いなあ」と思っています。サポーターがなぜあんなに熱いのかというところも、チャントの意味を知れば少しずつわかってくるからです。

また、チャントの意味を知ると、試合がどんな局面なのかもだんだんつかめるようになってきます。サポーターが愛着を持っているチャントを知っていると、試合に感情移入しやすくなるのです。単なるスタジアムのBGMではなくなります。

音楽のアルバムでも「ライナーノーツ」ってありますよね。あれと同じ役割のものがあれば、もっとチャントに胸を熱くする人は増えるのではないでしょうか。生のチャントは、スタジアムの魅力の大きな要因の一つだと思っています。

少しでもアビスパ福岡やJリーグに貢献したい

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何件か僕に今回のことについて、ご相談がありました。どんなことでも大歓迎ですので、もしお力になれることがありましたらTwitterからでも構いませんので、お問い合わせください。

これからもアビスパ福岡を応援していきたいと思っています。たった3ヶ月でまさかこんなに心境が変わるとは思いませんでした。

サッカーって、こんなに熱くて、感情が揺さぶられるものなんですね。

人生で大切にしたい思い出なので、まとめさせていただきました。読んでくださいまして、ありがとうございました。

【今回のアビスパ三部作】

4月16日のnote

7月10日のメシ通

7月19日のTABI CHANNEL(あとがきを読んでください)

※9/1  追記 アビスパ福岡が勝ちました。

※11/24追記 総決算の記事を発表しました


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大塚たくま

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読んでくださってありがとうございます。
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フリーランスのライター。おもしろくて、たのしい記事を書けるように頑張っています。オモコロ杯2020銀賞、2021銅賞。キナリ杯特別リスペクト賞「好きのおすそ分け賞」受賞。