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ケンヨウの階層

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自分自身に関わる文章を書きとめていきます。仕事のこと、生活のこと、いま夢中なことなど僕自身についてです。
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#記憶

[ちょっとしたエッセイ] 渡り廊下とルサンチマン

[ちょっとしたエッセイ] 渡り廊下とルサンチマン

 記憶に残るものは、どんなことがあっても何かの拍子に思い出すことが必ずある。それがどんなに忘れたいことであっても、生きている限りは仕方ないのかなと思ったりもする。
 長かった、夏とも秋とも言えない季節が終わり、ようやく冬の兆しが見えてきた12月のある平日の夕方、家の近所にある学校の脇を歩いていると、学校の裏門と見受けられる場所で、3人の学生が1人の学生にカバンを振り回して当てている光景に出会した。

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[ちょっとしたエッセイ]30数年、歳月人を待たず

[ちょっとしたエッセイ]30数年、歳月人を待たず

 ふと、思い立って、歩道橋から僕はシャボン玉を吹いていた。
 時は夕方、これだけのために100均でキットを買って、ここまでやってきた。
 トントンと、吹き口を液体につけ、咥えてやさしく吹く。徐々に息を強めに出す。上手く吹けると、信じられないくらいにシャボン玉が連続して空へ舞い上がる。
 側道を歩く若い女性たちが、空に指を差しながらうれしそうな声をあげているが、こちらを見ると、目線を外してそのまま過

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[ちょっとしたエッセイ] 忘れられない空

[ちょっとしたエッセイ] 忘れられない空

 気がつけば、当然のように12月も半ばが過ぎた。終わりのないように思えた仕事も、途中であっても時が待たず、終わらせるしか選択肢がなくなり、そんな中でも気持ちだけは年末モードになる。そして、あらゆることが年末という言葉に浄化あるいは免罪化されているように見える。すると、それを目的とする勢力も笑顔で現れ、会社の中がカオスと化す。
 まあ、そんないつもの年の瀬の風物詩に呆れ果てながら、会社の屋上へ出て、

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[ちょっとしたエッセイ] もう縛られなくてもいいんじゃない?

[ちょっとしたエッセイ] もう縛られなくてもいいんじゃない?

 なんとなしに毎週火曜日をnoteの更新日と設定して早2年くらいが経過した。
 そもそもなぜ火曜日かなんていう理由は特になかったのだが、一旦決めてみると律儀な性格が顔を覗かせ、なんとなく「締切」感が出て、毎週更新が守れてしまっている。そうやっていく方が細々と続いていくんだろうなと、なんとなしに自分の性格のやわらかいところをモミモミしながら思っている。
 そんななんとなしのスケジュールだと特に記念日

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