子どものための性教育 その2 (思春期を前にして)
2024.7.11【224限目】
前回【223限目】で、「子どものための性教育」(幼児から小学生低学年)について書きました。今回は思春期を迎えるころの性教育の話です。この夏休みに、家族で性についての話をするチャンスがあれば参考にして下さい。
二次性徴期を迎える
一次性徴は、産まれた時に、男の子か女の子かの区別をつけるのは、性差の特長の違いで分かりますが、後ろから見たら、男の子か女の子か分かりません。
二次性徴は10歳から13歳ごろに、心身共に「男らしさ」「女らしさ」として、思春期に集中して現れる性差です。一生のうちで一番大きな変化が、この時期に起こります。
子どもからおとなへ変化する時期です。この変化は、みんな同じ時に起こるのではなく、成長の早い遅いで違っているので、人それぞれ違った速度で成長していきます。
男の子の場合
声変わり、ひげ・性毛があらわれ、筋肉・骨格が発達し、ペニスは太く長くなり、睾丸(精巣)も成熟し精子が作られ始めます。
女の子の場合
声変わり、性毛があらわれ、乳房が発育をはじめ、腰が少し広がり、月経(生理)が始まります。
二次性徴は、思春期を迎えた男女が急におとなへの成熟を始め、変化していくのは、男性には主として、男性ホルモン(テストステロン)が、女性には主として女性ホルモン(エストロゲン)が、このような変化を促す原動力として、刺激的に身体に働きかけているからです。
子供に分かりやすく伝えるために
☆ボッキって なに?
男の子に起こる現象で、ペニス(おちんちん)が固くなりいつもより大きくなるそれがボッキ(勃起)と言います。
ペニスの下には精巣の入っている小さなふくろが二つ(金玉ともいう)あって、その中で精子をつくり出して、男性ホルモン(テストステロン)を作っています。
精子がたくさん作られると、外へ出したいという気持ちになって、ボッキが起こり、精液(精子を含んだ液体)がペニスの先のおしっこの出る所から、身体の外へ出ていきます。(射精と言います。)
おしっこも溜まってくると、トイレに行って出したら、ほっとして落ち着くように、精液も溜まって外に出すと、いい気持ちになって、落ち着きます。
精子が生産過剰になって、寝ている時に射精する時があります。これを夢精と言いますが、初めて経験した時は、寝ている間におしっこを漏らしたと思い、ビックリする子もいますが、それは自然現象で心配することはありません。
☆月経(生理)って なに?
赤ちゃんは、女性のお腹の子宮というところで10か月間成長して産まれてきます。
子宮は個人差がありますが、ほぼ1ヶ月に1回卵巣から卵子が運ばれてきて、子宮の内側にある血液のベッドの役割をする粘膜の上で、精子と受精する準備をして待っています。
1カ月が過ぎると、古くなった子宮の内側の血液で出来た粘膜と受精しなかった卵子は、次の新しい粘膜と卵子に、場所を空けるために膣(ちつ=出産時に赤ちゃんが生まれ出てくる道)を通って体の外に血液や粘液が出ていくのが月経です。4日から1週間ほどの間に出ます。
このころになると、身体は成長し大人に近くなって、もう肉体的には、子どもを持つことが出来る身体になっています。
しかし、精神的にも社会的にも、まだまだ準備が出来ていない時期です。
思春期は大人になるために大切な時期
思春期は人間としても大切な成長で、そのスピードは、あまりにも加速的で、しかも短い期間で成長するため、子どもたちは心身のアンバランスを感じ、不安になることも多いと思います。
発育過程において、思春期はあらゆる意味でも、最も不安定な時期であり、子どもからおとなになるために、大切な時期です。
子どもに性の話をすることは難しいこと、恥ずかしいことだと思っておられる保護者の方も多いと思いますが、出来るだけ思春期を迎える前に、分かりやすく、正しい性教育を子どもに伝えていくことも、思春期を乗り超えるためにも、大切なことだとおもっています。
思春期の不安を取り除くためにも、夏休みなど一緒に過ごす時間にチャンスがあれば、性について話してみてはいかがでしょう。
我が家の性教育の後で
子どもに性についての話をしたときに、質問がありました。
それは、性交渉(私は合体という言葉を使いました)が、合体する時、なぜそんなことが出来るのかその仕組み(メカニズム)が分からないということでした。
それで、ボッキの話をもう一度して、好きな女の子を前にしてドキドキした時(性的興奮が起こったとき)、ペニスに一時的に血液が流れ込んで元に戻らなくなる仕組みになっていて、血液の量が増えて、その結果大きく硬くなるという話をしました。
そして私は、風船とトイレットペーパーの芯を持ってきて、血液の代わりに風船を膨らませました。するとだらんとしていた風船がピーンと立って、それを膣に見立てたトイレットペーパーの芯の中に入れて見せました。そして射精をしたら元の大きさに戻ることも話しました。
それを見た息子は、その仕組みが分かったようで、安心したようでした。
「命の教育」
ニュースなどで、快楽のみを追求した結果授かった子供を、困るからと言って、捨てたり,殺したりする行為を耳にします。
どう考えても人間としての自覚も誇りもないのかと、人としての心は、どこに行ったのかと思うぐらい残念で恐ろしい行為です。
こんなことが起こらないように、子どもたちには正しい性教育をすることが大切です。
性教育は、今、性の知識を伝えるだけでなく、自分を大事にし、相手も大事にする「命の教育」として進められています。
子どもを性犯罪の被害者や加害者にさせないためにも必要だと思います。
【今週のけい先生】*担当:夫(父)
けい先生が小学校の現役時代に3年間校長をされた先生の古希のお祝いに、当時同勤していた同僚の先生から誘いを受けて出席しました。
美味しい食事と懐かしい話題とそれぞれ前向きな活動をしていること等々伝えあい、楽しい時間を過ごせたと喜んで帰ってきました。
【編集担当より】
夏休みというのは、子供にとって最高の時間で、いろいろな思い出がありますね。小説やアニメ、ゲームなど、夏休みを題材にしたものは、たくさんあります。
また思春期においては、夏休みが明けて二学期になると、キャラクターがかなり変わっている友達もいたりします。『ひと夏の経験』といったフレーズもよく耳にするでしょうか。
今まで体験したことのないことや初めての経験などを通じて、精神的に成長するよい機会になることもあれば、事故や危険に巻き込まれることもあるかもしれません。事前に注意喚起しておくことが必要かもしれません。
昨日、芸能事務所アミューズが、子どもや学生に向けた注意喚起をされていました。
「芸能事務所の芸能事務所・アミューズ法務部の公式Xが2024年7月11日、学生・生徒に向け、同社社員や関係者を名乗る「にせものスカウト」「なりすましスカウト」への注意喚起を行った。」
今年は、例年よりもかなり暑い夏になりそうです。心身ともに健康で、楽しい夏休みにしましょう。