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不登校(3)子どもたちが楽しく学べる環境づくり

2024.2.9【202限目】

日本の、小中学校の不登校が30万人にも達している現状は、深刻な問題です。不登校の割合としては、小学校で60人に1人、中学校では17人に1人が不登校(1クラスに2名)ということになります。

支援の重要性

不登校の理由は人それぞれ違います。

教師としては、子どもの変化を早く気づき、子どもひとり一人に合わせて対応し、子どもや保護者との話し合いを重ね、寄り添うことで、子どもの状況が理解できるようになります。そしてどうすればいいかが見えてきます。そしてそれに合ったサポートしていくことが大切です。

学校では、スクールカウンセラーがいて、保護者や子どもがカウンセリングを受けることが出来ます。

状況が深刻な場合は、学校外で専門家によるカウンセリングや治療を受けることによって、改善されることがあります。


一度も会えなかったT君

T君は5年生の時に転校してきて、運動会が終った後から登校しなくなりました。

私はT君を6年で担任することになり、T君は責任感も強く、前の学校ではリーダー的な存在で何でもできるお子さんだったと、5年の担任から引き継ぎました。

6年生になってもT君は登校してきませんでした。お父さんやお母さんとお話をさせていただきましたが、本人が学校へ行きたがらないとのことでした。

お父さんもお母さんも、学校へ行きたがらないお子さんの気持ちを理解し大切にしておられたように思いました。

週に1回お母さんが学校に来られ、T君の話をしてくれました。私はクラスの話や週に1回出す学級通信をお渡しして、1学期は交流を図りました。学校の帰りに家庭訪問もしましたがT君には会うことが出来ませんでした。

プリントやテストなどは1年間届けました。T君は良く理解していて、ほとんどが満天でした。結局、登校することなく1年が過ぎ、卒業式の日も会えませんでした。


不登校を無くすために

今になって考えて見ると、学校はコロナ禍でずい分オンライン授業が浸透し、学校に行かなくても、子どもたちが学べる環境が出来ました。

20年前にこれが出来ていたら、T君とネットワークを利用した情報や知識のやり取りや、コミュニケーションでのつながりが出来たかもしれないなあと、ふと考えました。

このようにICTを活用するとで、不登校の子どもにも適切な学びを提供することが出来、子どもが学校に行けない場合でも、学習することが出来ると思います。

教育現場では、教育の改革が進められていて、子どもが自分のペースで学習できるような教育システムを考え、子どもの興味や関心に合わせた教育を考えている学校もあります。

NHKスペシャルで、小学校3年から学校外の学びの場デモクラティックスクール(子どもたちが、自ら学びたい事や運営方針を決める学校)で育った、現役の大学生が話していました。

「5教科的な学びをやらないスクールに通ったが、その中で、自分が何をやりたいか、とことん考え探求することが出来たのは、良かった。」「学校でもそうした時間があるといいなあ。」と、話しているのが印象的でした。

これからの学校教育

自分が学びたいと思った事が学べる環境や選択肢がいろいろあると、学ぶことが楽しくなるなあと思いました。

そんな学校を実現するためには、沢山の先生や施設・環境が不可欠で、教育の為にもっとたくさんのお金をかけなければ実現しません。教師もそれに対応出来るだけの力を持たないと教えることが出来ないと思いました。

教育現場に活用されるICT教育が注目されています。学びの場でのメリットは大きいです。それを指導する先生方が、便利なものも使いこなせないと、子どもを待たせてアタフタしてしまったり、子供以上の知識を持たなかったりすると、子どもの質問に答えられない状況が出て、子どものやる気を削いでしまうこともあります。

今、日本のあちらこちらで教育改革が進められようとしています。子どもたちが楽しんで学べる場所が沢山あれば、不登校の数も少なくなると思うし、不登校という言葉も無くなるかもしれません。

そのためには、
・学校に子どもたちが楽しく学べる時間や環境を多く準備し、ひとり一人の子どもが、興味や関心をきっかけに「自ら学びに向かう」ような、自分らしく生きるための場所を学 校内に提供する事。

・学校に行けない子どもには学校のICTなどを活用することで適切な教育を行う学習を継続することが出来ます。

・学校外の専門分野の先生たちからオンライン上で、教科書にのっている以上の知識を教えてもらえるので、学校に行かなくても質の高い授業が受けられることも出来ます。

など、このような沢山の選択肢があります。

子供たちが楽しく学びたいことを好きなだけ学べる環境が提供できるのも、もうそこまで来ているのかもしれませんね。


【今週のけい先生】*担当:夫(父)

毎年節分のお参りには夫婦であびこ観音寺にお参りしています。今年は2月2日にお参りして家内安全、無病息災、商売繁盛などを家族全員の名前で祈願してきました。

今年は連日天気が良く、沿道には多くの出店があり大勢のお参りがありました。

帰りに一番人気店の黒糖の厄除け饅頭を、隣人と友人の分も併せて購入し、家に帰って美味しく頂きました。

8日にけい先生は、所属ゴルフクラブのレディス杯に参加してきましたが、天気も良かったのに練習不足とバンカーに苦しめられて100オーバーして悔しかったので、次は好成績がでるように練習するーーーと本人が言っていました。―――こうご期待です!!!


【編集担当より】
2024年になり、毎日のようにICTやAIに関する話題を目にするようになりました。特に、AIが本格的に様々なサービスに導入されていくのを感じます。

今朝もニュースアプリを開くと、GoogleのAIについての発表を目にしました。

"米グーグル(Google)は、同社の最新AIモデル「Gemini(ジェミニ)」を利用できるAndroid向けアプリを発表した。iPhone(iOS)では専用アプリはないが「Google」アプリから利用できる。
アプリでの利用は、8日から英語版が登場する。そして、日本語版と韓国語版が、来週から順次利用できるようになる。"


AIが様々なサービスに組み込まれることで、仕事においては、一人が処理できる仕事量が飛躍的に上がります。分野によっては、10人でやっていたことが1人でできるとか、5日かけていたことが、10分でできる&パフォーマンスが10倍になるとか。

例えば、デジタルマーケティングなどの領域やマッチングビジネスなどは、データ分析による効率的なパフォーマンス向上が求められるため、特にAIとの親和性が高く、ほとんどの業務が自動化されるでしょう。(例えば、大手人材紹介会社は、求人の紹介をすでに一部AIで行っています。)

転職支援サービスでは、リクルート社は、ワンクリックで転職ができる社会を作ろうとしています。


この数年で、働き方や社会の在り方は、大きく変化するでしょう。パラダイムシフトと言っていいくらいの変化が起こると思われます。AIを活用するのが当たり前の社会になるでしょう。

様々な業界で、これまでの常識が覆り、それまでの構造が破壊されるレベルかもしれません。

専門家ではないですが、おそらく知識を習得していることにほとんど価値がなくなる世の中になるでしょう。AIを駆使して、高いパフォーマンスを発揮することが当たり前に求められるようになると思います。それこそ、ブラインドタッチできないんですかのレベルで。

Appleが複合現実(MR)対応のゴーグル型端末「Vision Pro(ビジョン・プロ)」を発売開始しました。例えば、ゴーグルを常につけて仕事をするようになれば、商談や接客中に営業支援アプリを起動しながら話をするといったことも普通になるでしょう。


そういった世の中で、学生時代に学ぶべきことは、どういったことになるでしょうか。ベースの知識を習得することは、もちろん大切です。学習方法も飛躍的に生産性が高くなるでしょう。

これからは、AIができないことをできる、AIを使って高いパフォーマンスを上げられる、新しいことを産み出せる人材となることが求められます。

そのためには、意外と感性や人間性、対人関係能力が最も求められるスキルになるかもしれません。あるいは、新たな世界観を創り出すことや、ストーリーテリングといったこと、プロダクトを想像できる能力でしょうか。

学生時代の多感な時期に、できるだけたくさんの刺激に出会うことが、どちらにせよ大事なことかと思います。そこは、時代や手法、技術が変わったとしても、変わらないかと思います。

『書を読み、人と会い、旅をする。』
新しい自分を見つけるには、自分と違う価値観と触れ、自己発見をすることがスタートかと思います。そういったことで、自分が望むものや目指すことが明確になり、自己実現への欲求が高まるのかもしれません。学生時代に、少しでも自分がなりたいイメージを持てると、その後の人生は、より素晴らしいものになることでしょう。

「学校」の在り方は、もしかすると変わっていくのかもしれません。知識を習得する場所としての重要性が減り、自己発見の場所としていろいろなものやコト、人との出会いの場所と再定義していくのもよいのかもしれません。専門外のことなので、なんとなくの考えですが。

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