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ADHDが遅刻をしなくなる、手帳での時間管理術

 突然ですが皆さんは、どんな風にスケジュール管理をしていますか?
 私はADHDであり統合失調症でもあります。
 ですが現在のやり方に変えてから、仕事や人との約束や病院の予約時間に、遅刻しなくなりました。

 私の場合はバーチカル手帳を利用して大まかな一日の流れを把握しています。
 細かいタスクは付せんを貼って予定を立て、当日になったら付せんを貼った手帳を見ながら、スマホアプリを使ってToDoリストを作ったりしています。

 この記事での手帳術は、完全に時間管理に特化したものです。
 ご自身の手帳記入に、この記事のどこかが参考になれば幸いです。



まずバーチカル型手帳とお気に入りのフリクションボールペンを選ぶ

左が2023年用に使用している
「日の長さを感じる手帳」(紺色)
右が同じ手帳の2024年用に入手したもの(薄紫色)


実際に使用している
ミドリの「日の長さを感じる手帳」の
週間・日間の記入欄


 私は一日のスケジュールを三十分単位で書き込める、バーチカル型手帳というものを使っています。
 上の画像のように、一日を24時間で区切って、時間ごとの予定を書くことができます。
 例として私が実際に使っている、ミドリの「日の長さを感じる手帳」というもので説明します。



①「日の長さを感じる手帳」の特徴

 手帳の始まりには年間スケジュール欄、次に月間スケジュール欄が一年分続き、次に一日の予定と週間スケジュールが一体となった記入欄があります。
 また月間スケジュールにも週間スケジュールにも、縦長のメモ欄があります。そこにはタスクや目標・やってみての感想・備考などを書くことができます。

 最大の特徴は、一日のタイムテーブルが縦に並び、見開き1ページに7日分横並びなので、一週間の予定を見渡すことができます。
 また、しおり紐が二本、青と赤の二色がついています。
 私は常に、今日にあたる日の月間スケジュールページと週間スケジュールページに挟んでいます。一発で本日の分が開けるので助かっています。

 それから私は月間・週間のメモ欄は、ToDoリストとして使っています。
 実際に一日分を記入したものがこちらになります。

2023年10月30日の予定を実際に記入したもの
左側のメモ欄には、ToDoリストを記載
一番上の日付の空欄にはメインの予定を記載
一目で予定がわかる


 黒が普通の予定、赤が重要で緊急なやるべきこと、青がごほうびや休憩時間です。
 これを少しずつ、一日分ごとに書いていきます。
 私は一ヶ月先までの大まかなスケジュールを毎日分、書くようにしています。
 一ヶ月以上先の予定が入った場合は、月間スケジュールに予定と時間を書き、週間スケジュールの日付の下の空欄にも予定と時間を書いておきます。
 あとで一日のタイムテーブルを書いていくとき、一番上の日付の空欄に予定が先に書かれていたら、それはタイムテーブルに組み込むべき予定ということです。

 私は毎日手帳を記入しているわけではありません。時間がとれたときに落ち着いて机に向かって記入したり、急きょ予定が入ったときにガーッと一週間分、書き込んだりします。
 このやり方は、手帳を書く時間にムラのある人にも、おすすめの方法です。
 まとまった時間にだいたい書いて、詳細は後で書き直せばいいのです。




②フリクションボールペンを選ぶ理由とペンの選び方

 書き直し方ですが、予定が変わったら手帳を開いて、該当部分を消して、書き直すだけです。
 そして私はADHDで統合失調症でもあります。
 書き損じが非常に多く、また予定は変わることもあるため、書き直せる筆記用具が必要になります。
 そこでおすすめしたいのが、パイロットのフリクションボールペンです。
 私は手帳とセットで使っています。

 特殊なインクで書かれた文字を、ペンの頭にあるラバーで擦ると、摩擦熱で色が消えるというペンです。
 ペン先の太さは、私は手帳に使うため、細く書ける0.38mmを使用しています。そして色分けしたいため、黒と赤と青の三色がセットになったフリクションボールペンを利用しています。
 黒は普段の用事の記入に、赤は重要なことや緊急などのやらないといけない用事の記入に、青は自分へのごほうびの時間ややりたい予定や休憩時間の記入に、それぞれ使うため色分けします。

実際に使用しているフリクションボールペン
筆者の推しである、刀剣乱舞の
山姥切長義モデル


 デザインはお気に入りのものを選ぶといいでしょう。見るたびに気分が上がって、手帳記入がはかどるようになります。


具体的な書き方

①年間スケジュールと月間スケジュール

 手帳の記入は基本的に全て、フリクションボールペンで行います。
 年間スケジュールには重要なイベントを大まかに、月間スケジュールには代表的な予定と開始時間を書きます。

実際に使用している
ミドリの「日の長さを感じる手帳」の
月間の記入欄
左にメモ欄があるのが特徴


 とっさに予定が入ったときなどは、ひとまず月間スケジュールに予定と時間を書いておけば、後で落ち着いたときに詳細が週間スケジュールに書けますね。
 私は週間スケジュールやタイムテーブルは、机に向かえたときにゆっくり書いています。

 女性の方なら生理の周期などは、月間に書いておくと分かりやすいです。
 月間のメモ欄には、その月に達成したい目標や、やってみた感想、ToDoリストなどが書けます。
 年間スケジュールを書くのはあとでもいいですが、月間スケジュールは一ヶ月の出来事を見開きで確認するページなので、予定が入ったら真っ先に記入しましょう。
 ここに書いておけば、あとでタイムテーブルを書くときにも分かりやすいです。



②タイムテーブルは長い行動から書く

 そして、皆さんが一番気になると思う、肝心かなめのタイムテーブルの書き方です。
 まず長い時間の予定から書いていきます。そう、睡眠時間ですね。

 睡眠の開始時間と終了時間に波線を入れます。
 開始時間には波線の左端の、時間の数字が印刷されてる部分に、円印を書きます。
 この手帳は朝四時から朝四時までの縦軸なので、実際に書くとこうなります。
 画像が読みにくいときは、拡大してご覧くださいね。

10月31日の起床時間と就寝時間に
波線を入れたもの
筆者は8時に起床で
23時に就寝なのでこうなる


 数時間に渡る長い行動をするときは、このように開始時間と就寝時間に波線を入れておくと、分かりやすいです。
 そして分かりやすく行動の全てに、矢印を時間の印刷の上から記入します。
 私にとっては睡眠は大切な休憩時間なので青で書き、目立たせるため斜線を引いています。このあたりはお好みでアレンジしていただければと思います。
 睡眠時間のスペースがもったいないなら、ここに一日の反省や一言日記を書き込んでもいいですね。

左側の時間軸の上に矢印を書き
青字と斜線で目立たせたもの


 このように長い行動から書いていくと、あとで隙間時間が分かりやすく、時間管理が一目でわかるようになります。
 同様に長い日中の予定も書きます。
 例として仕事時間を書きました。移動時間も入っているので長めに書きます。

実際は10時から16時までの就業時間だが
移動時間も入っているため
大雑把に書いている


 私は仕事の場合は、予定がわかっているのでわざわざ「仕事」等とは書かず、出発時間や乗る公共交通機関の時間などの詳細を書きます。
 遅刻したくないので私はそうしていますが、要は一番強調したい予定を書けばいいのです。

 時間を書く場合は逆算して、公共交通機関の出発時間だけでなく、必ず家を出発する時間を書くのが、遅刻しないコツです。
 これをやれば次々と考えが逆算できて、何時までに何をすればいいかが予想できるようになります。
 人と会う約束事も同様に、時間を逆算して書きます。

 ここを面倒くさがってはいけません。
 待ち合わせ先にいる人との信頼を勝ち取るために、他の人に迷惑をかけないために、必要なことです。
 いま考えて書いておけば、あとで困らなくて済みます。
 あとは気になるたびに読み返して、頭に叩き込みます。

 長い行動なら書くスペースにも余裕があるので、このあたりは自由に予定を書くことができます。
 必ずしも印刷してある時間軸と、書く時間を合わせる必要はありません。
 私は分かりやすくするため、一時間分のスペースに大きな字で書くことが多いです。

家の出発時間から職場に着くまでと
帰りのバスの時間と家に着く予定の時間を記入
BTはバスターミナルの略称
更に帰りの出発時間を書いてもいい


 同様に時間の長い、お風呂の時間も書きます。
 着替え・スキンケア・ヘアブロー・歯磨きの時間も入っているため、少し多めに書いています。

20時から22時までの風呂の時間
実際にはたくさんの行動をとっているため
長い時間を書いている


 タイムテーブルが、かなりできてきました。
 次は詳細を詰めていきます。


③詳細を詰めると隙間時間が見えてくる

 次に細かなやるべきことを書きます。
 代表的なのは30分から一時間程度で済む、食事や日課です。
 私の細かな予定を書いたものがこちらです。

朝食関連と出かける準備
ウォーキングと夕食関連を書いたもの
空間はいわゆる隙間時間


 一日を何となく過ごしてたらわからなかった、隙間時間が見えてきました。
 私の隙間時間は、17時から18時の一時間と、22時から23時、ということになりました。
 時間がない時間がないと嘆いていましたが、時間がありましたね。
 ここまででもやってみると、自分の隙間時間が見えてきますよ。
 このままで完成でもいいですが、分かりやすくするため、自由時間と私は書きます。具体的なやりたいことを書いてもいいです。

見えた隙間時間に予定を書き込む
読書や勉強などの
具体的な予定をいれてもいい


 お疲れさまです。一日の予定の完成です!
 毎日のルーティンや一週間のルーティンがだいたい同じなら、これを見ながら繰り返し書けばいいわけです。
 一旦書いておきたい、という方は、まとめて書いておくとあとが楽です。
 予定が変わってもフリクションボールペンなら消せるので、思う存分書きましょう。
 

一日のタスク管理は付せんとアプリを利用する

 ここからは応用編です。
「もっと詳細に予定を書きたい時は、どうすればいい? 毎日じゃなくて特定の日だけ」
 というときのためのものです。一日のタスク管理を追加します。
 私はこれを利用しています。

 無印良品のチェックリスト付箋紙


 横幅が狭いので使いやすいです。
 少し1日分のタイムテーブルの横幅には余るので、ハサミで左端か右端を少しカットすると、更に使いやすくなります。
 実際に貼るとこんな感じになります。

 時間がわかりきってる
睡眠時間の上あたりに貼ると
いい感じになります


 隙間時間にやりたいことや、余った時間にやりたいことを書けます。
 チェックリストになってるので、やり終わったらレ点を入れてチェックできますが、事前に書いて記録しておくのにいいです。
 下の予定をみたい時は、付せんなので少しめくればいいだけです。

 そんなに手帳は見返す時間がないよーという人は、これをスマホアプリのToDoリストに写すのがおすすめです。
 私が使ってるアプリはこれです。シンプルで余計な機能がないため、とても分かりやすいです。

 ちなみにウィジェットとしてスマホの待ち受けに出しておくこともできます。こんな感じです。

待ち受けはKAGAYAさん


 他にも違うアプリの、ウィジェットの付せんなんかも貼ってます。
 (書いてある言葉はしょっちゅう変わる。今一番自分に大切なことを書いている)
 閑話休題。

 このようにチェックリストを手帳の付せんを見ながら写して、スマホで活用することもできます。
 余裕があれば手帳を見返せばいいですが、いかんせんそんなに見返す余裕がないときもあり、そういうときはスマホが便利です。
 手帳を見返したとき、気がついたときにやると、一日が充実します。


手帳通りに予定を遂行するおすすめアイテム

 以上が予定の立て方になります。
 しかし世の中には、そんなに時間通りいかないこともあります。
 夢中で何かをやってたら、時間をオーバーしてたってこと、ADHDの皆さんなら、あるある話ですよね。
 そんなときはこれを使います。

 タイマーで、TANITAのTD-370Nです。私はこれを使っています。
 下に画像を貼りましたが、リール付きキーホルダーは付属していません。私があとから別に買って付けたものです。

TANITAのTD-370N
最長で23時間59分59秒まで測れる
音かバイブか選べる
リール付きキーホルダーは付属しない


 これで行動終了予定時間を通知されれば「あ、もう時間なんだ」と分かります。
 はまるとタイマーが手放せなくなりますよ。
 手始めに、台所にあるキッチンタイマーを使って、やってみて下さい。


参考文献

 私が大いに影響を受けた本を紹介します。
 それまで時間にルーズだった私が、ここまで時間にこだわるようになったのは、この本のトレーニングのおかげです。
 『ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック』です。

 私のこの記事に書いたやり方は、このワークブックのトレーニングを元に、やる気を出して七ヶ月続けたものです。
 やっていると、時間管理のやる気が出ますよ。
 バーチカル手帳にしたのも、この本ですすめられたからです。
 興味ある方、変わりたいと思う方、是非ともやってみて下さい。

 その他、七ヶ月前に参考にした記事があります。

 メインのイベントを、一番上の日付の空欄に書く。
 それから長い行動前には開始時間に線を引き、時間に円を書いて、終了まで矢印を引くというやり方。

『お仕事に使えるバーチカル手帳の定番の書き方』より
やり方を参考にした

 この二つのやり方は、この記事を参考にしました。
 とてもためになる記事なので、是非読んでみて下さい。

 これらの参考文献を元に、自己流に改造したやり方で、現在も時間管理を続けています。
 本当にありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。
 これからもがんばって、より良い生活を整えたいです。

 とても長い記事になりました。
 いつもは長くてもこの半分程度です。
 これは長くなると思ったので書くのを迷いましたが、ひとつの記事に納めた方がいいと判断したので、こうなりました。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
 

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