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『三田文學』2023年秋季号(155号)のご紹介

こんにちは!
10月13日に『三田文學』2023年秋季号(155号)が発売されました。


①  今号のラインナップ紹介

今号のラインナップをご紹介いたします。

◆巻頭詩
汗玉 新井高子 
◆小説
龍王閣りゅうおうかく 村松友視
外道丸 藤沢周
カヤックの男 C・W ニコル [訳]鈴木扶佐子・宮島正洋
日本人C・W ニコルが遺した未発表小説 [解説]宮島正洋
◆評論
安岡章太郎論――「第三の新人」の原型としての初期作品 田中和生
◆詩
微睡む庭 望月遊馬

■特集 久保田万太郎と現代
◆論考
物質と記憶――折口信夫から見た久保田万太郎 安藤礼二
久保田万太郎「町の音」――戦下に酒を飲む女たち 小平麻衣子
十七音のアーティスト 髙柳克弘
浅草っ子万太郎 岡進平
「櫻隊」と「櫻の園」 中川右介
■特集 ヘテロトピア群島・沖縄
◆詩
胞衣に包まれた詩 川満信一
◆論考
震える白旗のユートピア──川満信一「絶対不戦の思想」を読む 今福龍太
海と島と境界をめぐる身体地図 仲里効
群島のヘテロトピア、その共感の回路と眩暈 上野俊哉

■ウクライナからの声・最終回
2022年 2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以降に書かれた詩 
[訳]原田義也
3月 31日・4月 3日 ユリヤ・ムサコフスカ
4月 16日 オレーナ・ヘラシムユーク
5月 12日 マリヤナ・サフカ

■新連載 対比列伝 作家の仕事場
自由と拘束 安部公房vs三島由紀夫 前田速夫

■連載
◆詩/リレーエッセー 詩から明日へ[第二回]
わたしよ、起これ 中尾太一
◆演劇随想/舞台の輝き[第二回]
俳優は、声である 坂手洋二
琉球弧歌巡礼りゅうきゅうこうたじゅんれい[第九回]
『でいごの花』 宮沢和史
浅草の笑い[第十回・最終回]
浅草芸人盛衰記 エノケン・永田キング・森川信、そして現代の浅草へ 岡進平
大上こうじの浅草21世紀と浅草
浅草でラスト一ピースを入手せよ 大上こうじ
文芸時評 文学の境界線ボーダーライン[第十回・最終回]
〈枯れ葉〉の立てる音、〈精霊〉を呼ぶ声 仲俣暁生
◆短歌/随筆 歌評たけくらべ[第八回]
釈迢空『海やまのあひだ』 水原紫苑×川野里子
◆俳句/随筆 融和と慰謝の俳句[第七回]
対決 髙柳克弘
◆映画評 電影的温故知新[第二十一回]
『3つの鍵』、あるいは誕生について 佐藤元状
◆東京日記[第七回]
奇跡のウノハナガキ クリストフ・ペータース [訳]粂川麻里生
■書評
ローラン・ビネ『文明交錯』(橘明美 訳) 小倉孝誠
須藤古都離『ゴリラ裁判の日』 巽孝之
パット・バーカー『女たちの沈黙』(北村みちよ 訳) 河内恵子
鵜飼哲『いくつもの砂漠、いくつもの夜 災厄の時代の喪と批評』
宗近真一郎

■新同人雑誌評 佐々木義登/加藤有佳織
■会員投稿欄・ろばの耳
関根徳男/村上順三/毛利英雄
■第三十回三田文學新人賞募集要項
■『三田文學』創刊100巻820号記念賛助金寄附者御芳名

②  見どころポイント

今号では二つの特集を組んでいます。題して「久保田万太郎と現代」、「ヘテロトピア群島・沖縄」。
前者では、安藤礼二氏が、折口信夫の視点から万太郎の文業を考察することで、万太郎の表現者としての神髄に迫り、小平麻衣子氏が、戯曲「町の音」を窓口にして、万太郎の戦時の立ち位置を追究するなど、五篇の論考を通じて、没後六十年を迎えた万太郎をビビッドにとらえ返しています。
後者は、川満信一氏の詩を皮切りに、今福龍太・仲里効・上野俊哉各氏の熱い論考が並び、先日和光大学で開催されたシンポジウム「〈ヘテロトピア群島・沖縄〉の精神史──川満信一から仲里効へ」で提示された各氏の観点が、白熱した議論を経て、さらなる深化を示していることを、ひしひしと感じ取ることができます。

また、もちろん小説も読み応え抜群です。村松友視氏の「龍王閣」では、かつて社会変革の情緒的シンパであった雑誌編集者に起こるハプニングが描かれ、コミカルな語りに熟年を迎えた知識人の深い焦慮が浮かび上がります。藤沢周氏の「外道丸」は、亡母への思いと老境に近づきつつある主人公の感慨が交差し、磨き抜かれて澱みのない叙述が読者を魅了します。ニコル氏の「カヤックの男」は、彼の親友でもあった宮島正洋氏の協力を得て掲載可能となった、貴重な未発表遺稿です。

どうぞお近くの書店、あるいは下記リンクより、お手に取ってみてください!

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