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よりみち読書録

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2021年1月の記事一覧

私の100冊

自分のお気に入りの本を記録しておこうと思う。
まだ100冊には満たないけれど、少しずつ足したり入れ替えたりしていって、最後にはこの100冊が自分の頭の中の図書館を代表している、といえるものが残っているといいなあ。

1.堕落論 坂口安吾
2.青春論 亀井勝一郎
3.人間の土地 サン=テグジュペリ
4.原初生命体としての人間 野口三千三
5.斜陽 太宰治
6.痴人の愛 谷崎潤一郎
7.白痴 ドストエ

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延長と否定の創造力

クリエイティブ、という単語はあまり好きではないけれど、人間にはやはり創造力、と呼ばれるものがあって、新しいなにかを作りだせることは日々を彩るためにも必要なことであるようだ。

定住革命という話があったが、やはり同じ場所にいつも住み、安定した社会があるからこそ、その退屈を紛らわすためには何か刺激が欲しくなるだろう。

そうして出てくる需要に応えて、なにか新しいものを作る方法には、なんとなく二つの源泉

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「楽しむ」ときの語彙の無さについて

近年の、ネオリベラリズム的な、進歩主義的な考え方に対して、いわゆるスローライフ的な、目の前のものに対してゆっくりはたらきかけたり相互作用したりするようなことというのは流行っているし、魅力的に思える。
特に農業や、キャンプや、陶芸、裁縫、料理など、実際に手でものをつくるような、手応えの感じられることである。

しかし、こういうものを勧める人の言うことをきいていて気になるのが、その際の語彙がなんだか少

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情報「空間」の可能性について

「暇と退屈の倫理学」を読んでいて、定住革命というものから退屈の起源を説明する議論があった。これは、もともと遊動的、つまり様々な土地を移動しながら狩猟採集をして生活していたところから、気候、環境の変化などの理由から定住を強いられ、その結果新しい場所へ移動し、そこに慣れることを繰り返すという日常的な刺激が失われ、人々は退屈するようになった、ということである。農業などの生産システムの革命は定住革命の結果

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