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中国生活で感じたこと#3(部活動、キャリア観)

隔離生活5日目です。電話会議、中国語のオンラインレッスンもカメラ無しで良いので、ヒゲを伸ばしてみているのですが、全然カッコよい感じにならないですね…。”濃い”というのは才能ですね...。

というわけで、今回は教育関連についてです。

1.部活動がない

はじめ聞いたときは驚きました。中学、高校に部活動がないのです。もちろん習い事としてのスポーツはあります。「競技人口が少ないと良い選手が出てこないような。でも各スポーツで有名中国人選手もいるしな。」と不思議だったのですが、同僚に聞いてみたところ、国、自治体などから「このスポーツをやるように」と指名され、英才教育を受けさせられることがあるようです。

たまたま、バスケの強化指定に選ばれたという同僚がいたので聞いてみたところ、小学生の頃、特にバスケ経験もないのに、唐突に選ばれ、練習に参加することになったと言っていました。彼女曰く、それまでバスケは未経験とのことで、背が高かったから、選ばれただけではないか?とのことでした。結局彼女は挫折したと言っていました。彼女がスカウト?されたのは15年以上前なので、選抜方法は変わっているかも知れません。ただし、未だにそういった選抜が行われており、国がお金をかけて英才教育をすることはあるようです。ただ、超一流になれなかった場合はその後、非常に苦労することが多いとのことです...。

最近になってバスケ、サッカーも人気が出てきましたが、(卓球とか、体操などの個人技を除いて)あまりスポーツのイメージがないのも部活文化がないと考えれば、それも納得できますよね。

2.高学歴から役人、中資系大企業が保守本流

部活がないということは、それだけ評価軸が学業分野に集中することを意味します(日本のように「かけっこが早いからモテる」みたいなものがないのか、今度聞いてみようとおもいます)。社会に出たのち、政府、中華企業などの組織人として、中枢まで上っていくためには学歴は超重要です。中国には昔から科挙制度がありますし、14億人をふるいに掛けるうえで学歴は非常に有効な手段なのでしょう。

価値観は人により異なりますが、高学歴=成功と考える人は多く、良い大学に入るためには、いい中高、小学校に入ることが重要になります(基本的に公立校です)。小学校には学区域があるのですが、例えば、A小学校に入るためには、その学区域に5年以上住んでいなくてはならない、などの条件があったりします。そうなると子供が一歳のうちには、どこに住むのか決めなくてはなりません。実際に引っ越す夫婦も(出産前の親も)多くいます。

胎児教育も当たりまえですし、中学生などでも朝6時から夜10時とかまで勉強というのはザラです。圧倒されるばかりです。日本であれば部活などの”逃げ道”がありますが、勉強一本で勝負しなければならないというのは、子供としても激しいプレッシャーだと思うのですが、それが当たり前の世界だと、傍から見るよりは、プレッシャーは大きくないのかも知れません。(海外にいるとこういった”モノサシの違い”を自覚する機会が多いですね)

3.インターナショナルスクール、外資系勤務

とはいえ、価値観は多様化しており、さまざまな生き方、スタイルが生まれているのも事実です。上のようなスタイルを”保守的”とするのであれば、”リベラル”なスタイルもあります。インターナショナルスクールもたくさんあります。将来的に海外に出ること、グローバルな舞台で活動すること、を前提にしている人もいるのです。ただし、日本と同様にインターは学費が高いので、誰もが歩める道ではありません。経済的に豊かな層(これも死ぬほどいますが)のご子息の生き方、選択肢としてあるという印象です。

それは社会に出ても同様です。中国資本の会社ではなく、日系を含む外資系企業に就職する人がいます。話を聞いていると、「学歴や党員ではないから、中国資本の企業に行っても出世できない。」という理由もあれば、「日本が好き」とか「多少給与が良い」等、さまざまな理由があるのです。

傾向として、外資系の企業にいる人は、そのまま外資企業を移ろいゆくキャリアを歩む人が大多数と感じますが、外資系企業で中資系企業の弱い部分を上手く身に着けて、中資系に行く人もみます(以前にも書いたような気がしますが、法務、コンプラ人材など)。中資系も待遇が良い企業が増えてきていますしね。

日本でも外資系企業に勤める人は、外資系企業を転々とされる方が多いような印象はありますが、中国ほど綺麗にわかれていないような印象がありますし、外資系というと”ハイクラス”なニュアンスを含んでいることが多いですよね。これは日系企業の人材戦略、労働観、労働市場の在り方による部分も大きいのでしょう。

転職の話をすると、日本、米国、中国のジョブディスクリプション、労働観の話をしたくなりましたが、それはまた今度にします。

ざっくりとですが、教育と就職について、保守・リベラル的な観点から書いてみました。なんとなく中国という国の雰囲気が伝われば幸いです(私もまだまだビギナーですが)。

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ではでは。

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