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ニッチな人材をめざそうというお話(メリット編) 営業×英語×中国語はニッチなの?

今回は「ニッチ」に関するお話です。
(先日ニーチェについて少し触れたときに、ニッチという言葉が頭に浮かびました)
 
ここ数年、自分で「よしよし、だんだんニッチな人材になってきたな。」と思っていたのですが、一方で「本当にこれで良いのか?」、「どこか間違えているのではないか?」というモヤモヤがありました。最近そのモヤモヤの正体がわかってきましたので、今回は「ニッチ」について書いていきます。
 
結論としては、「特別な能力、メンタルがない人は、ニッチな人材を目指してみませんか」、「でも希少性が高い=ニッチ、ではないから気を付けよう」というお話です。
 
もっと簡単に言えば「おじさん×筋トレ×英語×中国語」は、はぐれメタルくらいレアですが、スライムくらいの市場価値しかないですよ、ということです(スライムの方が外見がかわいい分マシですね)。
 
ニッチとは?
まず「ニッチ」について簡単に説明すると、ニッチ、nicheを直訳すると「隙間」となり、「産業」、「市場」とセットで使われることが多く、「ニッチな産業」というと「大きな市場ではないものの、需要がある産業」を意味します。人に対してつかう際には、「他人にないスキルを持っている、または他人がしたことがない経験をしている人」という意味になります。
 
なぜいまニッチな人材が求められているのか?
営利企業を例にすると、社会の多様化にともない、企業の抱える課題も多様化しています。そしてこれらを解決するためには、多種、多様なスキル、経験を有する人材が求められているというわけです。分かりやすいのはグローバル化です。ビジネス環境のグローバル化にともなって、言語面や文化・慣習面のギャップによる問題が生じ、これに対応できる人材が求められています。今となっては「英語で出来る」というだけでは、もはやニッチな人材とは呼べない時代になりつつありますが、それでも高まり続ける需要に対して、供給が追い付いておらず、英語が出来る人は重宝されています。
 
会社員としてのニッチ戦略
(楠木建先生の『ストーリーとしての競争戦略』とは関係ありません)突出した営業能力がある人、研究開発のプロフェッショナルなど、一点突破できる能力、スキルを持っている人、あるいは、仮に高い評価が得られなくても、その仕事が好きだ!という人には、この戦略は不要です。
ただ、それ以外の、わたしを含む一般人にとっては、ニッチ戦略は有効だと思っています。
 
複数の能力は「足し算」ではなく「掛け算」で発揮される。
企業務めの方であれば、よくわかると思いますが、「フロント(営業)とバック(内務)の仕事、両方を持っている人材が欲しい。〇〇はフロントのことはわかっているけど、バックオフィスの仕事はわかっていない。」あるいはその逆の事態はたびたび発生します。
両方のことが分かっている「営業×内務」の人材は、それだけで価値があると言えます。仮にこの会社が海外展開を始めたばかりの会社で英語人材を求めている場合、「営業×内務×英語」となったら、どうでしょうか。それだけでかなりニッチな存在になります。
 
ハンターハンターで、クラピカもパワー勝負ではウヴォーギンには適いません。特質系を活かし、複数の能力を組み合わせることができたから勝てたのです。能力を組み合わせるというのは、それくらい強力なのです。しかもドラゴンボールのフュージョンのように2人の能力が一致している必要はありません。ポタラを付けるだけで良いのです。
 
 
日系企業はニッチ戦略が立てやすい!
会社により異なりますが、多くの日系企業には、ジョブローテーション制度、または制度がない場合も、現在の担当業務以外にチャレンジさせてくれる企業が一般的ではないかと思います。ドラクエばりにジョブチェンジがしやすい環境が用意されているのです。
(私が知るかぎりですが、少なくとも、米、中国、シンガポールなどでは、アサインされた仕事、職種、ポジション毎に、給与が設定されるのが一般的です。それゆえに、同じ社内でも職種変更のハードルが高い企業が多いように思います。

多くの大企業で行われている半強制的なジョブローテーションにはデメリットも多いですが、入社後も担当領域を変えるチャンスがあるというのは日系企業の良い点だと考えています)。
 
目指しやすい環境も整っているし、みなさん、ニッチな人材を目指してみませんか?というお話でした。
 
私の場合
私は金融業界にて、主に法人相手の仕事をしています。説明が難しいので、ここでは仮に法人営業とします。おおよそ全社員の30%くらいが同じ仕事をしています。

私は、入社してから数年間、凄まじく優秀な先輩方を見つづける中で、この道一本では勝負出来ないと思い、ニッチ戦略を取ることにしました。

まず数年かけて、英語を加え“法人営業”ד英語”というブランディングを行いました。その結果、アメリカ赴任が叶い、“法人営業”ד英語”ד米国ビジネス”とすることができました。この時点で、社内、業界内ではそこそこニッチな人材となり、この領域では、そこそこな地位を確保することができたと感じています(思い上がりです)。
 
そして、これは予期していませんでしたが、その後、マネージャーとして中国に赴任することになりました。
“法人営業”ד英語”ד米国ビジネス”×”中国語、中国ビジネス“×”ミドルマネジメント“となったわけです。当初私は「激ニッチな存在になった」、「俺すげー」と思いました。しかしその後冷静になるに連れてモヤモヤを感じるようになってきたのです。
 
冒頭に書いたように「これって本当にニッチなのか」、「この先には何があるの?」、「“筋トレ”ד英語”ד中国語”のおじさんと何が違うの?」というモヤモヤです。
 
最近わかってきたのですが、私のニッチ戦略には落とし穴があり、どうやらそれにハマっていたようなのです。。。
 
そろそろ最寄り駅につくので、落とし穴を避ける方法、ニッチ戦略の注意点は次回にしますね。

ではでは。

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