見出し画像

【旅の話①】 ツバル 《人口1万人の極小国で出会いと学びの量産》

ノープランで偶然性に乗っかって人との出会いを楽しんでいく旅が大好きです。

世界が落ち着いたら、持続可能な暮らしの術とパーマカルチャー、アニマル•サンクチュアリの作り方を学ぶ1年〜2年の旅に出る予定で準備を進めています。

が、遠い旅には当分出られそうにない状況にふとうずうずする瞬間も。(ありませんか?)

こんな時だからこそ、今までの旅の記録をオープンリソースで発信しようと思い立ちました。

世界と自分を感じたときのことを皆さんと共有していけたらうれしいです。

早速常識を覆されまくる

小学校の教科書で見たツバル、20年越しに到達!
言わずと知れた世界で最も早く気候変動で沈む国のひとつ。
実際に足を踏み入れてみて、驚異的に素敵な国でした。

フィジーに移住していた当時、仕事しながら週末+1日で行った「週末海外」。

日本では週末に台湾や韓国など様々な国に往復できるけれど、フィジーの周りにもたくさんの島国があります。

天国に一番近いと称されるニューカレドニア、トンガ、サモア、アメリカ領サモア、沈みそうで有名なツバルとキリバス、火山やエロマンガ島(中学で流行る)が有名なバヌアツ、日本が国家承認したばかりのニウエ、ナウル、フランス語圏のウォリス&フツナ、クック諸島やマーシャル諸島...。

ツバルへはフィジーからしか飛行機は出ていないので、日本から(というか基本は世界中どこからでも)行こうとするとフィジーを経由する必要があります。

しかもフィジーエアウェイズしか取り扱っていない(!)ため、もしフィジーエアウェイズが手を引いたら貨物船とか漁船しか入国手段がなくなるかもしれません。

画像1

(↑機内ですごい絡んでくれる酔っぱらいおじさん)

画像2

(↑ランディング時。海スレスレの着陸)

飛行機が着いてちょっと大きな小屋ぐらいの空港の建物に入っていく。

画像3

ほぼノーチェックでスタンプを押され「入国管理官のところへ行って」と言われて進んだら、なんと外へ出れてしまった。
誰が入国管理官かわからない(笑)。

探して見つけた管理官は赤いTシャツ短パン裸足で子どもを抱いたおじさんでした(わかるかっ)。

画像4
画像5

(↑ツバルは、ツバル語で9つの島が立ち上がるという意味)

第一村人と第二村人

人口が日本のおよそ100分の1のフィジーの、さらに100分の1のその人口は1万人。「人間みな家族」感がフィジーどころじゃない。

誰も知らずにツバルに着いて、最初に話しかけた第一村人と、第二村人がもう超受け入れてくれる。

結局その2家庭のところに入りびたりました。

画像6

(↑第一村人のおばちゃん)

画像7

(↑息子18歳)

家族揃って本当に旧知の知り合いのように良くしてくれて、砂浜の屋台のようなところで寝泊まりする彼らのところに居させてもらいました。

画像8
画像9

第二村人は、フィジーからの移住者でツバルの小学校の先生でした。

道ですれ違いざまに挨拶して話をして、あれよあれよと「明日の朝、うちの全校集会に来て子どもたちに話をしてちょうだい」という話に。

島にはザ・アトラクションは全然ありませんが、着いて30分で予定ができました。

沈み行く現実を、小学生はどう考えてるんやろう?

翌日は早朝から小学校に行き(全てが徒歩圏内)、紹介されて全校生徒の前に。

何を話そうか迷いましたが、ひとつ聞きたいことをダイレクトに聞いてみることにしました。

画像10
画像11

「世界では、気候変動の影響でツバルが沈むって言われてるけど、皆はどう考えてるん?」(ツバルの学校でも情報はそう教えられているとのこと)

迷わず返ってきた答えは、

「ツバルは、絶対沈まない。だって神様が守ってくれるから。」
「絶対にここから出て行ったりしない。お父さんもそう言ってた!」

初日に島の端まで歩いた時には道がどんどん狭くなってすぐに右も左も海になり、3日目には満潮と雨で島中が浸水。

気候変動がぐっと自分ごと引き寄せられる瞬間が度々やってきました。
それと島人のゆったりした足取りとゴキゲンさのコントラストが印象的すぎ...。

現地で感じたツバルあるある

●道幅的に車は不便なので、みんな乗っている原付が徒歩以外の交通手段。

初日に島の端に向かって歩いていたら、合計3人が「どこいくんだ?乗るか?」と声をかけてくれて、結局島(ほぼ国)を2往復。

画像12
画像13
画像14
画像15

(↑ナンバーは手書き)

●かなりの確率で店員は寝ている

画像16

●飛行機の滑走路は狭い国土の中で広大な土地占めるので、多目的利用で国民の憩いの場。

中には簡単に入れて(当時はもはや壁も何も無し)ピクニックもするし、遊び放題。

飛行機が来るときは、消防車が爆走してサイレンでお知らせ。

画像17
画像18
画像19

(↑ツバルに2台あるらしい消防車)

●早朝、道を掃除をしている兄ちゃん一団に話しかけると、めっちゃいい人。

この後どこに行くかと聞くと、「刑務所に帰る」と。囚人の皆さんでした。

このとき看守らしき人は、爆睡。

画像20
画像21

●酔っぱらってる訳ではなく、道ばたや草むらで寝てる人いる。

誰も鍵かけない。荷物どこかにおきっぱでもまず無くならない。

治安最強。

●ツバルを出る飛行機のチケットも、手書き。

画像22

その他にも、障がい者施設で車いす卓球でパラリンピック目指すツバル人と卓球したり、

画像23

東大の有孔虫の研究プロジェクト(ツバルの国土の大部分が有孔虫の抜け殻でできてる)の跡地や、

画像24

刑務所、政府の各施設も訪れました(この時は国外に出張中でしたが、首相宅も敷居低いので全然会えます)。

画像25

(↑出れてしまいそうな刑務所)

画像26

(↑南太平洋大学ツバルキャンパス)

画像27

(↑毎朝行われるおじさん会議)

当時唯一ツバルに在住していた日本人、まっつんにもとてもお世話になりました。

現地でツバル人が「Katoって日本人がいるから会うか?」と連れて行ってもらって知った彼(そして名前は加藤じゃなかった)。僕のレシピ記事に出てくるツバル椰子の木シロップは、後に彼がくれたもの。

画像28

(↑シロップを地道に溜める図)

画像29

(↑離島でまっつんとマングローブ1000本の植林)

最後の夜のサプライズ

そして最後の夜、お世話になった第一村人のおばちゃんに、彼女が出身のワイトゥプ島(ツバルには9つの島がある)のパーティーに招待してもらった。

服や装飾品まで一式貸してくれて。

画像30

ごった返す集会所に入って彼女の横についていくと、座った場所が人の輪のほぼ中央(!)

俺こんなとこに座っていいんかなと思ってると、おばちゃんが「私、ワイトゥプ島の副代表なのよ」と。え...。

みんなに向かってスピーチよくしてると思った。

それにしても、ツバルの伝統パーティーは音と熱気がものすごい。

画像31
画像32

(↑普段ダラダラしてる息子も気迫いっぱい)

つながりゼロで入国したのに、出会いだらけの4日間になりました。

日本からだと割と遠いですが、機会があれば足を運んでみてください。

できれば一人旅で、極小の国での、出会いの量産を楽しみに。

画像33
画像34
画像35

↓サモアの話につづく↓

↓海外移住の話シリーズはこちら↓

《旅と海外移住の話一覧》
【旅の話①】ツバル 《人口1万人の極小国で出会いと学びの量産》
【旅の話②】サモア独立国/アメリカ領サモア《感じられて良かった、距離20分にして別世界》
【旅の話③】トンガ《昔のフィジーはこんな感じ?》
【旅の話④】ジャカルタ・インドネシア《久しぶりの大都会感にやられるも...》
【旅の話⑤】バリ・インドネシア《島の霊的エネルギーにハマる》
【旅の話⑥】東ティモール《立ち替わり占領され続けて独立した国の、入り混ざったエネルギー》
【旅の話⑦】クチン・マレーシア《50+αの民族が共に生きる人種のるつぼ、秘訣は"Respect"》 
【旅の話⑧】シェムリアップ・カンボジア《前編:観光地の隅から立ち現れてくる生活》 
【旅の話⑨】シェムリアップ・カンボジア《後編:アンコールワットに気づかない我々と、暮らしを営む人たち》 
【旅の話⑩】バッタンバン・カンボジア《言葉の通じない田舎のお宅で療養》 
【旅の話⑪】プノンペン・カンボジア《胸がアツくなるカンボジア代表コーチの人生に触れる》 
【旅の話⑫】ホイアン・ベトナム《注文が筆談のカフェと、じいさんの寺子屋》 
【旅の話⑬】バンコク・タイ《人と出会えまくって嬉しいのが一転、死ぬかと思った》

【海外移住の話①】フィジー《移住生活のリアル:家賃からオーナーとのトラブル、車の所持事情まで》
【海外移住の話②】フィジー《ストライクゾーンに入った時の驚異的な決断力》 
【海外移住の話③】フィジー《2年間の現地勤務で感じた、フィジー人の働き方3つの特徴》 
【海外移住の話④】フィジー《金の採掘場で忘れられない目力に出会った話》 
【海外移住の話⑤】フィジー《マイナーな島で予定が消失したら、地元民しか知らない秘境に辿り着いた》 
【海外移住の話⑥】フィジー《奇跡の水、ミラクルウォーターが湧き出た事件》 
【海外移住の話⑦】フィジー《大災害、逆境の時こそ笑わんと。風速90mの史上最強サイクロンが直撃》 
【海外移住の話⑧】フィジー《絶景トレッキング。フィジーにも山がある》 
【海外移住の話⑨】フィジー《独立してるんやから国旗変えるで!運動の行方》 
【海外移住の話⑩】ペルー《南米移住生活のリアル:滞在先事情と2つの事件》 
【海外移住の話⑪】ペルー《大統領選から日本人との共通点まで、2011年当時の感性で》 
【海外移住の話⑫】ペルー《超えられない山を抜けて80km、マチュピチュへ》 
【海外移住の話⑬】ペルー《男2人旅で、コンドルの谷から帰れなくなる(アホ)》 
【海外移住の話⑭】エクアドル《37時間の陸路を経て、ハプニング満載の3ヶ月》

8月初旬から夫婦でCamino de Santiago巡礼の旅に出ています。出費はできる限り少なくしている旅なので、サポートは有り難く旅の資金にさせていただきます。ですが、読んでくださったり反応をいただけるだけで、一緒に旅している気分になって十分エネルギーをいただいています。^^