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カモメのフォームとルーティンのチェック

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「継続は力なり」というのを信じておりまして、スポーツや音楽でも大事にされるフォーム、ルーティンを見つめ直すような投稿を集めています。
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記事一覧

研究時間の確保について

研究時間の確保について

教員1年目というのは、とにかく忙しい(らしい)。以前に先生方から聞いていたものの、いざ自分の立場になってみると、思っていた以上に忙しい気がする。

物理的な時間を取られるという話だけではない。とにかく各方面に気を遣う機会が多いのだ。大学の教員という立場は、主に三方向の人たちと仕事をすることになる。(1)学生、(2)他の教員、(3)事務の三者だ。新たな環境の中で、普通は一つの立場の人たちとの関係に頭

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「頭がいい」とはどういうことか?

「頭がいい」とはどういうことか?

「頭がいい」

この言葉を昔からよく耳にする。ただ、この言葉がどうも苦手だった。なぜかと言えば、よく実態をつかめない感覚になるからだ。

「頭がいい」

この言葉は総合的(synthetic)な印象として用いることが多い。つまり、誰かを評価する際に用いる割には、分析的(analytic)なものではないのだ。なんとなく「頭がいい」と言いたくなるのだ。

僕は「頭がいい」という言葉自体は苦手だけども、

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いかにして議論の範囲を絞るか

いかにして議論の範囲を絞るか

最近つい考えてしまうことがあります。それは、議論の組み立て方についてです。自分が文章を書いているときにも考えますし、人と話しているときにも考えてしまいます。というのも、「どこまでこの議論は広げてもいいんだろう?」と思うような場面に出くわすからです。話を広げれば広げるほど、議論はややこしくなる・・そう思うからこそ、自分の中で振り返りながら、議論の範囲の定め方を考えてみたいと思いました。

以前にも似

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「継続は力なり」を実現するヒント

「継続は力なり」を実現するヒント

今日は素朴なタイトルですが、継続することに関して、自分の中で印象深い言葉を引きながら、少し考えてみたいと思います。

1. 棋士の「構想」の中で「自然な手」を継続するという考え

これは、羽生先生が将棋の基本についてまとめた『上達するヒント』に書かれていた文章です。書いた人が時代を席巻した棋士、羽生善治先生というところが驚きました。というのも、私たちはついついあっと驚くような手を考えていたのではな

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答えの出る問いを設定する

答えの出る問いを設定する

最近、自問自答する一つのテーマとして、「答えの出る問いに本当になっているか」というものがある。これをテーマに今回少し考えを整理してみたいと思う。

最初に重要となる部分を抽出しておく。

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答えの出る問いを優先し、暫定的であることをわきまえる

経験的に対応しているかどうか、データにアクセスできるか

問いを工夫する(ブレイクダウン、範囲、使用する枠組みへの責任)

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カモメの取扱説明書_1.0

カモメの取扱説明書_1.0

1.ライフスタイルと価値観基本的にはノンアクティブな趣味だと思います。中高の頃から内向的で何かを鑑賞、観戦したり、見たり聞いたり読んだりすることが好きなタイプです。

ファッションやトレンドなど、流行りのものを追いかけるところはほとんどないように思います。妻と結婚するまではほとんどドラマも観ていませんでしたし、みんなが読むようなジャンプ漫画、流行りの音楽なども全然分からないです。

早寝遅起な生活

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ルーティンの設定

ルーティンの設定

もう30代に突入したわけだけど、振り返ってみると、大きな影響力を持ったことは、たいてい地道にコツコツとやってきたことだ。イチローさん、ボクシングの井上尚弥選手、作家の村上春樹さんのような方をイメージすると、決まって自分なりのルーティンを持ち、継続されている。これを機会に、自分のルーティンを設定してコツコツ続ける習慣づけをしていきたいと思った。

1. 散歩2023年に入ってから継続している習慣とし

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研究者にとって専門性とは何か

研究者にとって専門性とは何か

自分の身につけた「専門性」は何か。

大学に入ってから、「専門性」という用語を耳にすることが増えた。また、個人の能力を活かしながら、キャリアを積み上げていくような生き方がモデルケースとなり、専門性が注目を浴びるようになったと感じることもあった。

本稿では、私の専門性を振り返りながら、「専門性」がどういったものかを考察してみたいと思う。

最初に、私の身分からお伝えすると、博士課程に在籍する大学院

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語らずに自らを反省する(三木清(1977)『語られざる哲学』) | 勝手に読書感想文

語らずに自らを反省する(三木清(1977)『語られざる哲学』) | 勝手に読書感想文

本書は、哲学者・三木清の若き頃の内省を記録したものである。本書が書かれたのは、三木が23歳の頃であったと書かれている(8頁)。筆者も同じ20代ということもあってか、同じくらいの年齢の人が書いたものだと分かったときには、本書の内容を読みながら三木の力強い文体にただ圧倒されていた。

ここの箇所は非常に興味深く読んだところであった。というのも、私自身が懐疑的な性格であると他の人から言われることがあり、

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やることとやらないことを決めることが生産性につながる(ちきりん(2016)『自分の時間を取り戻そう』) | 勝手に読書感想文

やることとやらないことを決めることが生産性につながる(ちきりん(2016)『自分の時間を取り戻そう』) | 勝手に読書感想文

自分の生産性を見直してみようと思い、昔読んだ『自分の時間を取り戻そう (ちきりん, 2016) 』の感想文を取り出した。ちきりんさんは、何かの問題が生じている際に、それを構造化してどう解消していくかを論理的に解きほぐすのが非常に長けた方だと思う。その構造化も一般常識内でよく言われるものに止まらず、さらなる原因を突き止めたり、あえてシンプルにして分かりやすくしているという印象を持っている。今回の本で

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