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ガラスにまみれた部屋
ヒステリックな叫び声と小さな怪獣の泣き声で目が覚める。ドンッと何かが落ちた音と何かが転がっていく音。それに比例するかのように大きくなる小さい怪獣の声。上の階に住む家族の朝まで生テレビ。いや、朝まで生ラジオか。またやってるよと少し笑って私はもう一度目を瞑る。
目を閉じてみると目の前には笑い合うカップルがいた。幸せそうにお腹を撫でて男の子なんだと笑い合っていた。私の口元もつい綻んでしまうほどに幸せそ
星降る夜、君とふたりで
季節が移ろうように人の心も移ろいやすい
なんて誰が言ったのだろう。
夢の中での久しぶりの逢瀬。
鏡の前で1人、未だ恋焦がれているあなたの
ことを思い出していた。
空が濁った日。
「ごめん。今日はオリオン座見えないね。」
まるで自分が星であるかのように謝るあなたを見て、私は声を出して笑った。
それにつられて笑うあなたの耳はまるで、赤く
熟れた野苺のよう。
「食んだらどんな味がするんだろうね。」
「