【#6】入院時の選択で決め手となったこと。
娘が夏休みに帰省してから異常を感じ、いろいろと病院を受診し
最終的に、命に関わる重度の拒食症と診断されるまで約2週間。
そしてそこから、本来なら至急入院すべきだが
病床の空きが無い為、空きが出るまでの自宅療養期間が約2週間。
正式に入院ができるまで約1ヶ月かかってしまった。
その間だけでも体重は、3kg減っていた。
しかし、娘の辛く苦しい気持ち、今までの寂しかった気持ちなど
本音を沢山打ち明けてくれた為、親子で深く心を通わす時間を
圧倒的に多くとれたのは不幸中の幸いだったと思う。
■娘の本音を引き出し、心のヒダに寄り添う時間
この記事にあるように
「ひとり親で頑張ってくれてるママに
余計な心配をかけたくなかったし
早く自立してママの負担を減らそうと思って
今までは色々と我慢してきた。
だけど今は、自分1人の力ではどうにもできないから、
ママに助けて欲しい!甘えたい!」
と泣きながら訴えてくれた事は
私の娘との関わり方を見直す大変よいきっかけとなった。
そしてこれが後に、病院での選択を迫られた際の
重要なポイントとなった。
■閉鎖病棟か開放病棟か
地元での拒食症の治療の為の入院は、
当たり前のように精神科の閉鎖病棟らしい。
私は法律事務所に勤めており、たまたま弁護士が
精神科病棟の退院請求の審査委員をしていたこともあって
閉鎖病棟の知識は少しだけあった。
拒食症の閉鎖病棟での治療は、その名の通り閉鎖である。
親子間の連絡は一切取れず、携帯等の通信機器は没収される。
面会もできない。
拒食症が特異な病であり、人によって様々なので
そのような対応をせざるを得ないのだと思う。
もちろん同意書を交わしての入院になる。
しかし、私自身は閉鎖病棟での入院は全く考えていなかった。
担当の精神科医は、「ある程度の制限を設けた閉鎖病棟でなければ
希望の体重にしての退院は見込めない。」
と閉鎖病棟での入院を勧めておられたが、、、
そもそも娘の入院の目的は、
命の危険を回避することであって
体重を増やすことが目的ではなかったから。
そして何より、ママに助けて欲しい!甘えたい!と
娘自身が既に本音を訴えていたから。
閉鎖病棟に入院してしまうと、
当然親子間のやりとりが全くできないので
娘の望みに反してしまう。
一番辛くて苦しんでいるのは娘自身。
本当にしっかり治療して治したい思いと、
今まで自分に課してきた強迫観念を乗り越えて
通常の生活に戻りたいという強い意志があった。
だからこそ、コロナ禍で付き添いや面会の制限があるとはいえ
開放病棟での治療とともに、親子間の連絡を密に取り合って
心のサポートをしながら2人で乗り越えたかった。
また、ストレスの限界から拒食症に至った娘に
新たなストレスを生み出すようなことはしたくなかった。
そして開放病棟での治療生活が始まった。
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