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川瀬IPRS

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知的財産や、知的財産に関する情報について記述をまとめています。 サービス紹介がやや多いマガジンです
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#知的財産

「米・中・日」のインド出願 日本はインドにある中国企業の特許に気が付いているか?

「米・中・日」のインド出願 日本はインドにある中国企業の特許に気が付いているか?

今回は、「米・中・日」のインド出願を企業ごとに検討し、どのような企業がインドに積極的に出願しているのかを俯瞰しました。

日米だけでなく、中国も加えて、誰がインドに市場性を見ているかをマクロに見る試みです。

1. 全体像まず、日本企業・米国企業・中国企業のインド出願がどのように推移しているかを確認します。

データの出所はOrbitです。

インドの出願を見ていると、どうやらパリ条約ルートではな

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米国企業と日本企業のインド出願の違いを見る インドは知的資源と考える方が良いのではないか?

米国企業と日本企業のインド出願の違いを見る インドは知的資源と考える方が良いのではないか?

本日は米国企業と日本企業のインド出願の違いからいくつかの仮説をご紹介したいと思います。

実際、これほど大きな差が出るとは思っておらず、悩んでいるところでもあります。

Questel社のOrbit Intelligenceを用いました。検索条件は、以下の二通りです。

日本については、①日本企業による出願であって、②インドに出願しているものを対象とし、③2010年から2020年までに出願された公

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サービス紹介⑩ 一緒に仕事をする意味

サービス紹介⑩ 一緒に仕事をする意味

今回は調査を外に依頼する意味についてご紹介します。私は日本のお客様にインドの調査会社と協力するということを選択しました。「コストで競争力があるから」だけではありません。「私に足りないもの」が、「特許を取り扱う技術者としてのスキル」・「知的財産を取り扱うスキル」であり、「彼らこそがそれを提供できる人物であると確信」したためです。

知的財産権・知的財産に関する活用方法(これらを総称してIPランドスケ

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サービス紹介⑨ 知的財産の棚卸し ライセンス戦略の一環として

サービス紹介⑨ 知的財産の棚卸し ライセンス戦略の一環として

知的財産部がコストセンター化しないように、ライセンスを計画的に進めることが考えられることを先日はご紹介しました。今回は知的財産維持費用を削減する、一見ライセンスと関係のない「特許の棚卸し」についてご説明します。

川瀬知的財産情報サービス、および、Parintek Innovationsは、特許の棚卸は、ライセンス戦略の一環としても有用だと考えております。

知的財産という用語は実はあまり適切に対

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サービス紹介⑧ 知的財産部をコストセンターにしない ライセンスのTIPS

サービス紹介⑧ 知的財産部をコストセンターにしない ライセンスのTIPS

先日に引き続き、ライセンスを考慮に入れた知的財産の取得についての話を紹介します。出願には費用がかかり、権利の維持にも費用がかかる。ゆえに、知的財産部はコスト・センターとなりがちという側面を持っています。

しかし、「日本企業は知的財産をコストとして抱えてしまい、海外の企業はライセンスを活用している」という記事を見かけたならばーそれは多くの場合正しくないでしょう。

ほんの数年前のことですが、私が外

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サービス紹介⑦ 出願前調査にプラスα 誰がための出願なるや?

サービス紹介⑦ 出願前調査にプラスα 誰がための出願なるや?

知的財産部門の果たすべき役割が変容を求められているという昨今ですが、まずは、出願を「精査」することで、コストセンターから、収益源として認知させるという、遠回しな方法に着眼してみるのはどうでしょうか。出願前調査に「少し」作業を加えるという話です。

川瀬知的財産情報サービスは、出願はビジネスのためにあると考えています。Parintek Innovationsの代表らと話をしていても、特に彼らと見解の

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サービス紹介⑥ 校正(Proof reading) / ドラフティング (Drafting) サービス

サービス紹介⑥ 校正(Proof reading) / ドラフティング (Drafting) サービス

英語ができるだけで世界が違うということ書きましたが、今回は、「それだけでは足りない」という例をご紹介したいと思います。

今回の表紙は、米国の登録公報から引用しています。スペルミスや、不正確な用語があることにお気づきでしょうか。"unwrap"と"unwarp"を記載ミスしています。そこは許すとしても、「FIG'S」(単数形)と「FIGS」(複数形)を記載を誤っています。

実はこうしたケースは少

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サービス紹介 ③IPランドスケープ その2:「情報感度」

サービス紹介 ③IPランドスケープ その2:「情報感度」

前回「IPランドスケープ」が欧米と日本で異なり「英語」が大きな役割を果たしていると記述しました。しかし、本質的には、「英語圏のほうが情報感度が高い」という点が重要ではないかと思われます。

日本の特許調査を見て感じるのは「ユニークさ」を売りにしていても、一定の「方法論」を重視しているように見えます。

これに対して、Parintek Innovationsをはじめ、外資企業でのIP Landsca

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サービス紹介 ③IPランドスケープ その1:英語レベルが違うだけで見えるものが違う

サービス紹介 ③IPランドスケープ その1:英語レベルが違うだけで見えるものが違う

川瀬知的財産情報サービスの川瀬です。IPランドスケープという用語が定期的には流行しては消えているというように思われます。

前職の時代を通じてですが、「IPランドスケープ」という単語は意識して使用しないようにしています。日本では2017年に経産省主導で定めた標準スキルセットversion2.0の中に用語が使われていることもあり、何やら特殊な位置づけがされていますが、外資系調査会社に数年勤務していた

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