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文明論

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文字による思考の可視化、数字による価値の可視化、そして情報のデジタル化による倫理観の可視化さらにその先へ。射程の広い論点だが、だからこそ読み応えのある記事ではないか。
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2024年5月の記事一覧

タワマン立ったら貧しくなった//ネオリベの十字架

タワマン立ったら貧しくなった//ネオリベの十字架

前回は「00年代の駅前ゴミ箱撤廃政策。それが企業と行政を潤し庶民を貧しくした」ことを述べた。
「テロとの戦いを口実に、00年代に日本でも駅前などでゴミ箱を撤廃する動きが広がった。
その動きによってゴミの管理処分コストが企業・行政から庶民に付け替わり、庶民が貧しくなった」
というのが前回記事の趣旨である。

引き続き本日は、
ゴミ箱撤廃の長期的な狙いの一つ目、
「①コンパクトシティ化によって、企業が

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1.2億人のダメメタな日本人

1.2億人のダメメタな日本人

アメリカ人は「あたいらアメリカ人だから仕方ないねえ」とは云わない。
まあまずもって云わないはずだ。
他方、
日本人はことあるごとに「あたいら日本人だから仕方ないねえ」と日本人であることを人身御供にして諦観したり自己正当化ないし誤魔化しを図る。
なぜ日本人だけは「日本人だから〜〜」とメタ認知もどきをしたがるのだろうか。
日本人が同調圧力に弱いセグメントだということは下の記事が詳しいのではないか。

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文明論の凱略#003/「自分発見」という最大の発明

文明論の凱略#003/「自分発見」という最大の発明

文明とは言語わけても文字を用いて世界を解明するプロジェクトである。
文字は思考を可視化させた。
例えば「文字は思考を可視化させた。だからいまこの思考が読者に伝わっている」という文章によってワタシの思考は可視化され読者に伝わっている訳だ。

ここまでが前回までざっくりとしたおさらい。

今回から文明黎明期を語る上で重要になる「自、死、字、知(宗教)」という4つの「シ」について述べていこう。
今日はま

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駅ナカマンション波昂し/駅近から駅ナカへの大転換

駅ナカマンション波昂し/駅近から駅ナカへの大転換

「慌てず急げ」とは古代ローマ帝国皇帝アウグストスの口癖。
アウグストスの義父であるカエサルが性急に皇帝位に就いたがため非業の死を遂げた。
このことをアウグストスは戒めとして、慌てずに地歩を固めつつ皇帝位へと近づいてく。

だからアウグストスクは、
「慌てず急げ」を座右の銘としてローマの元老たちと粘り強く交渉し、盤石な状態で皇帝位へと最終的に上り詰めることが出来たのだ。

本日はこの「慌てず急げ」を

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コンパクトシティ栄えて国滅ぶ/効率化半径の考え方

コンパクトシティ栄えて国滅ぶ/効率化半径の考え方

最初に極論を述べよう。
もし「東京が便利だ」という理由によって日本人全員が東京に集結し便利さを享受したらどうなるか?

日本という国家は滅亡する。

これは特に理由を述べなくともイメージとしてわかって貰えるはずだ。

現代日本においてはこの東京一極集中による日本滅亡のミニュア版が方々で起こりつつある。
それは「コンパクトシティ」といわれるライフスタイルの皮を被ったビジネスモデルのことだ。

このコ

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文明論の凱略/文字の発明=文明の始まり/#002

文明論の凱略/文字の発明=文明の始まり/#002

文明とは「言語わけても文字言語を用いて世界を解明するプロジェクト」である。

文字言語を用いて世界を解明するプロジェクト
文           明  
略して、「文明」、となる。

さて第二回の今日は、
「文字の発明」と「文明」の関係について振り返りながら、少し掘り下げてみよう。

思考の見える化

「文字によって思考が可視化されてから暫くたって、
 数字によって、モノコトの価値が見える化された

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