劇団かつおぶしパラダイス

ーーサクサク ふわふわ、、、 岩下拓海と緒方優紀乃が主宰を務める演劇ユニット。鉄板越…

劇団かつおぶしパラダイス

ーーサクサク ふわふわ、、、 岩下拓海と緒方優紀乃が主宰を務める演劇ユニット。鉄板越しの議論の末、その着想を得た。愛称は“かつパラ“。 地に足のついた会話劇を始点とし、ジャンルに囚われない様々なコンセプトの舞台作品上演する。

最近の記事

かつおぶしの缶詰#5

役者の小林です。note担当が回ってきて、年貢の納め時な気分で書いています。 5月からずっとかつパラはログを大切にしていて、稽古場・公演・ワークショップの映像、演出の指針をまとめたテキスト、稽古ごとの感想をSlackに書くなど、至るところに記録が溢れています。このnoteもそうです。できる限り多くのものが言語化され、記録され、解体され、のちに何かの材料になる(こともある)。 それは面白い試みであるとともに、こわいことでもあり、個人的にはしんどいこともあり、メンバーそれぞれの

    • かつおぶしの缶詰#4

      演劇とそれ以外の距離についてこんにちは。5月公演で息切れしていたのがぼちぼち復活してきました。今回は役者の緒方です。 今日は私にとって久しぶりに一息つける1日です。だから、肩の力を抜いて、演劇という的から少し外れた、自分との対話をぽやっと書き残していこうと思います。 研究、インターン、就活、バイト、趣味のKpopMV分析、一人暮らし…などの演劇以外の部分である生活と、演劇との距離を考える機会が最近多いです。こんなことを考えるのは、演劇が私にとって優先順位が低いからではなく、

      • かつおぶしの缶詰#3

        こんにちは、7月公演の演出をつとめる岩下です。今日は7月公演全体のステートメントを書きます。緒方が5月に書いていたステートメントを意識しながら書くので、未読の方はそちらも読んでみてください。 5月ステートメント(https://note.com/katsu_para/n/na90307495c28) 5月振り返り(https://note.com/katsu_para/n/n56cd60868674) ①企画について:作品以外に大事なこと作品作りだけではなくて、企画を通して

        • かつおぶしの缶詰#2

          皆様はじめまして。7月に行われる公演より演出助手として参加する副島と申します。稽古場日誌ということで、最近私が得た気付きをいくつかまとめてみようと思います。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------- ①声について ある意味当然だけれど、人の声は話す相手や環境によって少しずつ違う。今回の公演ではアーカイブが大事

          かつおぶしの缶詰#1

          5月公演の振り返り この公演が実験なら、目的→実行→結果→考察のプロセスは欠かすことができない。5月公演の思い出が色褪せきってしまわないうちに、5月公演で掲げたマニュフェストの達成度とその結果、5月公演の功罪について共有しておきたいと思う。また、このように実験結果を言語化し、参照可能な形でアーカイブしていくことは、5月に得られたことを10月の本公演に活かしていくために欠かせない作業であると思う。 5月公演で成したかったこと ①駒場演劇の保守性・内向性を打ち破る ②スタッフワ

          かつおぶしの缶詰#1

          【5月ミニ公演劇評】小林大晃

          劇団かつおぶしパラダイス『紙風船』の感想を書きます! この作品は、かつパラの実験公演と題された公演で、駒場演劇の当たり前を崩すこと、その上でドラマを組み立てることを目標に作られているものです。ただし、僕はまったくそうした情報を仕入れずにポッと行ってしまったものですから、この感想では、僕が初見で思ったことをありのまま書き連ねていきたいです。 既成作品上演の意義私自身、綺畸現役のころは必ずオリジナルの脚本の公演しかやったことがないのですが、今までずっと、駒場で既成の、そしてでき

          【5月ミニ公演劇評】小林大晃

          【5月ミニ公演劇評】人間の条件主宰・ZR

           生活は汚れであると思う。鏡には水垢が、風呂場には赤カビが、シンクには曇りが、床面には細かなかすり傷がついてゆくように、生活の原資を得るため汗を流し、日々の労苦を乗り越えんと息を切らすうちに、愛は煤け、志は掠れ、若さは萎びてゆく。かつてはなめらかな玉のようだった二人の愛には僅かな空洞が透き通り、乾燥し、ひび割れ、粉を吹く。二人にできるのは、たまに外にでかけたりして散らばった粉をかき集め、ひびの中に注ぎ込むことぐらいである。その玉は真っ二つに割れてしまうこともあれば、なんとか残

          【5月ミニ公演劇評】人間の条件主宰・ZR

          0515岩下: 演技の説明可能性について

          演劇公演をアーカイブする意義についてアーカイブ作業によって演技を作る意識とプロセスが変わった、という話をします。 今、かつパラは5,7,10月と連続して公演を打つシリーズ公演を企画しています。5月は緒方演出、7月は岩下演出、10月も岩下が演出する予定です。中でも5月、7月をワークインプログレスと位置づけ、実験的な試みを導入することにより今までの演劇制作の過程を問い直すことを目的としています。 この企画を立ち上げて自分の意識が最も変わったなと思うのが、アーカイブに対しての意

          0515岩下: 演技の説明可能性について

          0507小林

          役者の小林ですこんにちは。 先ほど0502の稽古動画を見ました。この日は後半を重点的にやった日でしたね。 まずは感想から。タクシーのところのプラン、面白いので好きなのですが、いざ動画で見てみると「何を見させられてるんだ…?w」ってかんじでしたね。はずかし。夫の長台詞も難しいけど、それを聴いてる妻も難しいな…。心動いてるつもりだったのですが、外から見るとぼーっとしてるように見えました。あと妻の動きが全体的にままごとっぽいのはあれでいいのかな。よくないのかな。とりあえずはこんな

          0425-0501緒方

          0425 緒方が演出家を初めてやってみた所感 0501 最近の知見について(多分こっちを読んだ方がいい) 0425今日は通しでした。(0425)演出家のお仕事は役者を続けてきた私にとって新鮮ですし、力不足を実感する毎日です。今から書くことは演出家の皆さんにとっては極当たり前のことなのかもしれませんが、このノートは最小半径では私のための稽古場日誌なので、今の私の状態を整理するために書いていきたいと思います。 演出家をやってみて ・意思決定の量・質がともに高い。人が1日に意思

          0420小林

          役者の小林留奈です。こんにちは。 これまで駒場演劇とはほとんど関わりがなかったのですが、がんちゃんにお誘いいただいて今回参加させていただきました。 私は前のおがちゃんやがんちゃんの投稿ようにしっかりした演劇論を展開できそうにないので…。とりあえず自己紹介と、駒場演劇の外から来た者として意外に思っていること、私の目には物珍しく映っていることなんかを書こうかなと思います。今日は自己紹介回です。 演劇は中高の部活でやっておりました。中学の時は大阪府の演劇祭で最優秀賞を取ること(取

          0420岩下

          こんにちは、主宰の岩下です。 これまでかつパラでは作演出をつとめていたのですが、5月のミニ公演では役者として出演することになりました。 前回おがちゃんがすごい長い文章を書いた(すごい長い企画書を添えて)ので、今日はそれに対する返答という形にしようと思います。 以下はおがちゃんが演出として「興味のあること」の抜粋で、「会話がうまい」と言われる役者についての論考です。 科学的な視点では、人工的に脳を再現することが限りなく不可能に近い。取るに足らない人智のおかげで観察する関数が

          0413緒方

          こんにちは。5月ミニ公演の稽古場日誌トップバッターを務めます、緒方優紀乃です。今回の公演は、10月に弊劇団が企画している公演を見据えての実験公演、すなわち「ワークインプログレス作品」として位置づけられています。 第一回公演は、あまり手の内を明かしたくないということで、稽古場日誌の公開は一部に留めていたのですが、今回は企画の位置付け的に我々の変化や成長を皆様にも見ていただきたく、どこまでも全てを曝け出す気持ちで書いていきたいと思います。 私は駒場演劇(東大の演劇サークル界隈)

          1213岩下

          最近は演技について新しいことが発見されるということが少なくなってきている。演技態を見つけられてきて、それを使ってどう遊んでいくかという段階に入ってきているのだと思う。 演技態の演劇をきちんとパッケージング化して届けるための工夫をたくさんしてきたが、今当たってる課題は、「私」とか「彼女は」とかいう言葉に引っ張られる体についてだと思う。 今日オープニングシーンを作っていて、「あのーさ、え、寝てる?聞こえてる?〜?〜?」というセリフをそれを話しかけている人物から離れて喋るというこ

          1204緒方

          ”ゲシュる”ことについてゲシュる…この演技態が成功している時の身体・頭の状態。聞いている音が強い意識の分散によりゲシュタルト崩壊している状態。多くの情報量が必要。 今日の稽古で結構ゲシュっている状態を再現するのは繊細な作業だと気づいた。集中して音を聞かなければ、速やかにゲシュる状態にはなれないし、音を落ち着いて聞けていない状況では全くこの状態になれない。ので、嘘をつかず準備をないがしろにせず丁寧にやることが大事。 今日うまくいかなかったのは、我らの音に対するキャパシティの増