1204緒方

”ゲシュる”ことについて

ゲシュる…この演技態が成功している時の身体・頭の状態。聞いている音が強い意識の分散によりゲシュタルト崩壊している状態。多くの情報量が必要。
今日の稽古で結構ゲシュっている状態を再現するのは繊細な作業だと気づいた。集中して音を聞かなければ、速やかにゲシュる状態にはなれないし、音を落ち着いて聞けていない状況では全くこの状態になれない。ので、嘘をつかず準備をないがしろにせず丁寧にやることが大事。

今日うまくいかなかったのは、我らの音に対するキャパシティの増大や、同じ音を聴き続けて慣れたことにより音による刺激が少なくなること、夜で視覚情報が少ないことによる音に対する想像力の不足などの要因により、情報量が足らず、ゲシュることができないことがあった。また単純に、集中力が続かないということもあった。
それに対する解決策として、前からなんとなく持っていた音との関係の結び方を言語化できた。

それぞれの音と私は点であり、私と音の点は伸び縮みする直線で結ばれている。点どうしは、惑星どうしのように直線上で弱い引力で引き合ったり、離れたりする。新しく発生した音は新しい点であり、新たな関係が結ばれる。遠く離れていく音は引力の外に飛んでいき直線は消える』

このイメージを明確に持ってやると、集中力を保ちやすく、またゲシュっている状態から外れても、割とすぐに音との関係を結び直し意識の分散ができる。でも現状はこれでいいけど慣れたらまたうまくいかなくなるのかな…

※人が話すセリフは、文脈を背負っているので、他の音と異質だ。強い情報であり、意識がどうしても特別に持って行かれてしまう。したがって、始めは人の発する声も点の一つとして扱おうとしていたが、これを音として扱うのは結構難しく、やはり無理をしていた。これは会話のシーンがうまくいっていなかった理由の一つだったと思う。

音をつける・消す

新しい音(今回はぶくぶくとチョロチョロ)は観客にとって大きな刺激。段々それが背景になっていき飽きるが、消えると不安になるらしい。(役者もそう)

音の聞き方

音の聞き方に対するアイデア・知見
・シーン練にチョロチョロを蹴っちゃったんだけど、その時意識の外の、大きな音に立ち止まらざるを得なかった。その時に知見を得たんだけど、やっぱりアクシデントの音にも認識をするべきで振り返ったりしないまでも、無視しないことが必要だ。(また、窓に音を聞きに行った時に感じる冷たい風や、観客の強い目線なども、無視してはいけない感覚だと思った。)
・身体全体で音を聞く(by岩下)っていうのは家でやってみたんだけど、感覚としてはよくわかんなかった。身体の部位の点で聞こうとするんだけど、背中全体とかもやっとした感じになっちゃう。でも現状の”ゲシュることにより、情報量でいっぱいの脳の状態が身体に影響を与える”というのとは違うやり方で音を聞く身体が見せれるのは面白いアイデアだと思う。

その他メモ

・笑い方に対する私と岩下の処理の違い。
・”役になろうとしている”という状態が面白い。提示出来る。

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