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【贈与とか愛の話】くりす就活辞めるってよ~農園にて最終章~#10

どうも、くりすです。
このマガジンでは就活から逃げ出した21卒大学生が将来どうしたいのか、どうありたいかを考える過程を記録しております。
みなさんに何かしらの好影響を与えられたらと思っております。
よろしくお願いします。

前回↓


第1回(ストーリー仕立て)↓



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贈与は幸せ~7月8日~

今日は日頃の感謝を込めて、寮の人に1本ずつお酒をプレゼントした。


「あの人はいつも同じビールを飲んでいるな。たまには違う種類のビールを飲んでみたいんじゃないかな」
「あの人はビールが苦手って言ってたっけ。柑橘チューハイでいいかな」
「あの人は酔っ払うためというより、嗜むために飲んでいるな」などなど。

一人ひとりに合わせて、買うお酒を考える。

ああ、人のためを思って何かをするのは自分も幸せになれるのだなあ。

本当に飲みたいものだったかは分からない。
それでも見かけ上は喜んでもらえた。それだけで十分。
本心なんて知らなくても良いのだ。

お酒をプレゼントした後、「お礼に」と料理を作ってくれた。

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人の厚意に厚意で返す。
そうすることで、幸福が指数関数的に増えていく。彼らはそれをきっと知っているのだ。

僕もこんな大人になりたいと思うと同時に、恵まれすぎた贈与にどこか後ろめたさも感じていた。


働き方と自分の仕事について~7月10日~

今日も今日とて雑草とりだ。

やはり毎日同じルーティンはきつい。
毎日同じ時間に同じ人と同じ作業をして同じ時間に帰る。

おそらく、ずっと同じ人と一緒なのが一番きつい。
朝も一緒、仕事場も一緒、帰ってきてからも一緒。
3週間という短い期間だからこそ耐えられるが、これが半年、1年、3年、5年10年40年と続いていくなら絶対にもたない。

これは別の仕事、いわゆるホワイトカラーでも同じな気がする。
同じ時間に出勤し、同じ同僚と顔を合わせ、毎日同じデスクで分担された仕事をこなす。

これを40年以上、週5×8時間こなすのだ。
もちろん、転職という手もあるがどうやら「スキル」というものが必要らしい。
休まる暇などない。


---それならばいっそのこと、最低賃金を割ってでも休みながら働きたい。
お金という対価があるから、そこに責任が生まれる。それならお金はいらないのでは?---

そんな空想をしてしまうほどに、この先に絶望していた。

そうは言っても、おそらく私は自分が思っているよりも社会に適合できる。
学校だって部活だってアルバイトだって嫌なことがあっても耐えられた。
もちろん、社会は分からないけど。

だけど、社会に耐えられたとしても、それは僕の幸せじゃない気がするのだ。


耐えて、我慢して、耐えて、我慢して、その先にある少しの達成感。
そしてまた耐えて、我慢して、の連続。

今の僕の目には社会がそのように映っている。


だから僕は
気持ちよく働ける業界・企業を探し続けること
または
徹底的に自分が気持ちよく働ける環境を分析し、自分らしい働き方を作ること(週2で農業、ライティングで〇万など)
を心に決めた。


7月12日 農園最終日

今日は農業アルバイト最終日だ。
いつも通り雑草を抜く。
雑草抜きしかしてないのにこれで10連勤。
農業は泥くさい仕事で成り立っていると知った。大規模農園とはいえ、50人近くが雑草抜きに集まっていることもあった。
雑草抜きだけに、どれほどの人件費がかかっているのか。

それはそうと、最終日ということで色んな人が惜しんでくれた。
技能実習生、70歳の元気なおばちゃん、社員さん、季節労働者の方々。

寮に戻ると送別会を開いてくれた。
食卓には農園で採れたり、近所のおばちゃんがくれたりした野菜が並んでいる。

シチューにしたり、塩ゆでにしたり、炊き込みご飯にしたり。


相変わらず、もらってばかりだ。申し訳なさが募っていった。

最終日ということもあり、お酒が回っていたこともあり、直接聞いてみることにした。

「どうしてそんなに良くしてくれるんですか?ありがたいですけど、僕は何を返せば良いか分かりませんし、返せるようなことも出来ません」と。

すると、一回りも二回りも離れているおじさんたちはこう言った。
「俺も若い頃、こうやって年上には世話になったから。自分がしてもらったことを返しているだけ」
「俺だって誰にでも良くするわけじゃない。人間性を見て、やってあげたい人にしかやらない」
「返そうという気持ちだけで十分だよ。その気持ちを忘れずに」

愛と贈与は循環するのだ。

僕はこの日のことを、この日感じた幸せを、この人たちを一生忘れたくないと思った。


7月13日 農業アルバイトを終えて

3週間の農業アルバイトが終わった。

結局、僕が行った作業は草とりのみ。計120時間ほど。
お世辞にも「農業を体験した」とは言いがたい。


出荷時期に間に合わなかったアスパラガスの残骸や、スベリヒユという雑草を「収穫」に数えるなら多少はマシになる気もするけれど。

もし出発前の私がこの事実のみを知ったら、行くのを躊躇するだろう。農業の雰囲気は、話を聞くことでしか学べていないのだから。

それでも僕は来てよかったと心から思っている。

そこでの出会いだとか、食べたものだとか、人の温かさだとか、愛とか気遣いとかは僕の記憶に残り続けるはずだ。


傍からみたら、「農業アルバイトに来て雑草とりしかしてない奴」としか見られない。

それでいいのだ。「農業経験」と引き換えに私には人との出会いと笑い話が残ったのだ。


数年後、きっと私は笑い話として今のことを話しているだろう。
「いやー、農業アルバイトに行ったらさー、ひたすら雑草とりなのよ。1日8時間。農業じゃねーじゃん!ってね。そんで、最後なんて10連勤でさー…」

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今後の予定~ホテルのフロントマンに~

先ほど「3週間の農業アルバイトが終わった」と書いたが、実は「終わらせた」の方が正しい。

本当なら8月中旬までの契約だったのだが、急遽予定を変更することにした。


それは農業アルバイトが嫌になったり、寮生活が嫌になったり、待遇に不満があったりといった理由ではない。本当に任期を全うしたいと思い悩んだことだけは書いておく(待遇に不満はあったが)。

それでは何故か。17日からホテルでアルバイトをすることに決まった、いや、決めたのだ。


このホテルは私が年末年始にリゾートバイターとして赴いたホテルである。
特徴としては若い外国人の従業員が多く、日本人従業員の年齢層はかなり高い。(新入社員が2人入ったとは聞いたが)

なぜ農業アルバイトを投げ出してでも、このホテルで働くことにしたか。


その理由を今は明かさない。


いつか書くかもしれないし、書かないかもしれない。特別な用事がある。


とりあえず、このご時世の中、僕は「ホテルで働く」という事実だけがある。
農業アルバイトで学んだことを活かしつつ、さらに学びを深めたいと思う。

続き↓


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